【TOD2】dive – 01 –

diveTOD2
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あのダイブが復活しやがりましたもようです?
これまたまだまだ手探り中なので本当に途中小説になりそうです。もうメモだと収集つかなくなってきたからとりあえず書きまくってみるテスト。っというか書きたいの。アルトネリコいいよアルトネリコ。コスモスフィアいいよコスモスフィア。

注意報発令:軽く超絶パラレル・キャラ崩壊の可能性有り

ダイブって何?アルトネリコって何?コスモスフィアって何よ?って人へ
アルトネリコ⇒狙いすぎたイベントで有名なバカゲー(でも面白いヨ曲が好き)
コスモスフィア⇒アルトネリコのヒロインの種族にある精神世界。つまり精神世界。
ダイブ⇒コスモスフィアの中に入ること。

前回同様ロニジュです。

「船が着いたら僕は出て行く。じゃあな」

雪国へと向かう航海の最中。些細な、本当に些細な質問を向けただけで名前も顔も隠し通している子供はふらりと俺に背を向けた。
同時に責められたリアラも暗い表情だ。カイルだけがあいつを追った。

ちっ、あの糞餓鬼が。マジでいけ好かねぇ。
年齢とちょっとした疑問を投げかけただけだ。純粋な好奇心だった。
……と言えば嘘になるのか。

はぁ、とため息をつく。
膨大な知識と天才的な剣術から本当に疑いたくなるが、外見年齢は間違いなくカイルと同じだ。俺の方が7年は長く生きているというのに、あの餓鬼は俺の心を全部読んでいるかのように鼻で笑った。

白雲の尾根で聞いた呟き。あれの意味するものが何なのか、ずっとつっかえている。
悪いやつではない、そう思う。でも何で何もかも隠す必要がある?知られると何かまずいからだ。何がまずいんだ。それは、俺たちにとって不利になることなのか。
カイルは絶対守らないといけない。これだけは絶対譲ることができない。だからどうしても、完全に気を許すことができない。

ガシガシと頭を掻いた。あぁ、そうだ。7年は長く生きているはずなのだ。なのに何でこうもいいように振り回されているんだ俺は

クソッ、ともう一度舌打ちして柱に八つ当たりする。
こうも苛立つのは何でだ。…………きっと、罪悪感からだ。
あの野郎、この俺の疑心に完全に気づいてやがった。年齢の質問。一般的な会話だと言うのに一瞬で気づいて、そして――ほんの一瞬だけ、傷ついた表情をしやがったんだ。

仮面の奥の目が、一瞬だけ翳ったのを見てしまった。
すぐにそれは威圧的な態度で押し消された。あからさまにその傷を隠すための態度だった。
あいつが何ですぐに俺の疑心に気づいたか?決まってる。俺が疑心を持ってたのを、持ち続けていたのを、あいつはずっと承知の上で一緒にいた。だから俺の様子を伺いながら、気にしながら接していたんだ。それは、怯えているも同然じゃねぇか。あのプライドの塊である餓鬼が聞いたら喚くだろうが、つまるところそうだろう?

俺は7年は長く生きているはずなのだ。つまりあいつは7歳は年下のはずなんだ。そんな餓鬼に、俺はいったい何してんだよ。

くそ、うまくいかねぇ。どうすりゃいいのかさっぱりだ。
自己嫌悪で苛立ちがいつまで経っても収まりやしねぇ。

そんな中、カイルが帰ってきた。
リアラもすぐにカイルへと目を向ける。俺たちと目が合うとカイルはにっこりと笑って「きっと大丈夫だよ」って言った。全く、こいつは何でこうも純粋にあいつを信じられるのか。
俺がスタンさんから聞いてカイルに伝えた言葉とはいえ、本当にこいつは覚悟をして信じているのか疑ってしまう。無鉄砲なだけなんじゃねぇのか。

やがて、ジューダスが再び現れた。
あふれ出る辛辣な言葉。その裏に込められたものに俺は救われた。
これからも共に旅をするんだとさ。俺はずっとジューダスに対して警戒心を持っていたというのに、そのことにホッとした。

そのまま甲板で雪を眺めて数分。
突如リアラが口を開いた。

「カイル」
「ん?」
「あの、……私の力で、人の精神世界に入ることができるの」
「へ?」

それは意外な提案だった。
先ほど相手への深入りにより溝を作ったばかりだというのに、その申し出はそれを蒸し返すものだった。

「私はダイブって呼んでる。これで、私の精神世界に、入ってみない?」
「ん?え、何で?」

カイルは当然眉間にしわを寄せて何度も首を傾げる。
リアラはレンズを何度もいじり言葉を選んだ後、覚悟を決めたかのようにカイルを見た。

「ジューダスが言ったように、確かに私は隠し事してる。英雄を探してるのも、カイルに理由は言ってない。なのにカイルは私と一緒に旅をしてくれるって……理由は、まだ言いたくない。でも、何もわからないのって、カイルだって不安でしょう?そうやってこじれるなら……悪いことに使おうとはしてないの。そのことを少しでも知ってもらうために」

早口にまくし立てるリアラの言葉はなかなか要領を得ないが、理由はわかった。
そう、そういうことなんだ。リアラが言う不安は俺の持つ不安とどんぴしゃだった。

「俺はリアラのこと信じてるよ?」

なんでもないようにカイルは顔色ひとつ変えずにそう告げる。リアラは首を横に振った。

「だからこそよ。あなたの気持ちに応えたい。その答えがこのダイブなの」

レンズのペンダントを両手で掬うように手に取りリアラはカイルに言う。

「本当に隠したいことや、今は絶対言えないこととかは私自身がそう思っている以上絶対見ることはないから、そういう点では意義があまりないかもしれないけれど……私の心がむき出しになった世界なのは確かだから」

精神世界。どんな世界なのか全く想像がつかない。
だがリアラが言うには、その言えない理由を教えることなくリアラという人となりをその精神世界から読み取れる。そこから悪いことに使おうとしているわけじゃないということがわかりやすく感じ取れるのかもしれない。
それは、物凄く都合のいい力なのではないか?
俺が今先ほどぶち当たったこの壁の破壊に凄まじい威力を発揮するのではないか?

カイルがうーんと唸っている。それを遮って俺は一歩リアラに近づいた。リアラの持つレンズの光を一瞬強く感じた。

「それって、リアラ以外にもできるのか?」
「え?」
「リアラ以外の人間の精神世界に、他のやつが入ることは可能か?」
「…………」

後ろから非難めいた視線が突き刺さる。本当にお前は俺の考えていることがよくわかるんだな。
リアラも合点が言ったのだろう。少し躊躇いながらも頷いた。

「カイル。お前はリアラの言葉に甘えとけ。そうでもしないとリアラも気がすまないんだろう。で、俺は」
「断る」

間髪いれずに飛んできた拒絶の言葉。そうなるだろうことは俺も予想済みだ。

「ジューダス。リアラも言ってたじゃねぇか。本当に言えないことは本人が思っている以上絶対見せられないんだって」
「僕はお前に対して応えたいものなんてないからな」

ぐっ……かわいくねぇ!だが仕方ない。事実だ。
いくら俺の疑心を全部勘付いているとはいえ、俺の気持ちすべてが読まれているなんてことは絶対ない。この際俺から暴かないと余計な溝を作るだけだ。

「そうだな。これは俺の我侭だ。俺はカイルみたいにお前を無条件に信じることはできねぇ。だけど、お前は何だかんだで俺たちのことを助けてくれた。それには絶対理由があると思うのは当然だろう?その形を輪郭だけでも掴みてぇんだよ。俺は、絶対カイルだけは守らないといけねぇ。これは絶対間違えれねぇんだ」
「そうまでしてお前たちと無理やり旅をせねばならん理由など僕にはないのだが?」

こいつ、俺の決死の告白を思いっきり往なしやがった。
情も何もあったもんじゃねぇな。まぁ人目気にせず仮面をかぶり続けている程の謎持ち少年なんだから当たり前の反応なのかもしれねぇけどよ。悪いが俺は一切引くつもりはない。

「じゃあ何でお前、俺たちのことつけてたんだよ」
「つけていない言っているだろう。偶々出くわしただけだ」

こいつが旅に加わったことを蒸し返してやる。
こんなこと言いつつもこいつは何かしら俺たちと共に旅する理由があるはずだ。

「あんなところで偶々出会うわけがねぇって」
「本当に偶然だからタチが悪いんだ……」

……と思ったのだが、あれ、この不本意極まりないって感じの雰囲気はガチで偶然だったのか?あれ。
まぁ出会ったのが偶然とはいえ、旅に参加した理由があることについては確かなはずだ。他に旅の理由があるならばさっさと別れて一人で向かっているだろう。

「でも一緒に旅することにしたってことは、やっぱ俺たちと一緒にいるべき理由があるはずだろう?」
「僕は別に離れてもいいと言っているだろう?」
「ちょ、ちょっとロニ……せっかく仲直りしたんだから!」
「いいや!離れていても確かにできるが、俺たちと実は目的が近い。または俺たちの目的とお前の標的が近いか一致している。だから偶然出会っちまったんだよ。違うか?」

慌てるカイルを無視して進める。俺も本当に大人気ねぇ。
ジューダスは黙った。図星だったか?

「だったら、一緒に旅すりゃいいじゃねぇか。カイルも一緒に旅してぇって言ってんだからよ」
「とことんカイルには甘いのだな」
「……俺も、お前のことそんなに嫌いじゃねぇよ」
「ほぅ?」

それは初耳だと言わんばかりに言われた。ぐぅ……やっぱりそう思われてたか。
もう俺自身何でこんなにムキになってるのかもわかんねぇ。そうだよ、そういえば最初は気に食わなくて、ってかさっきまで気に入らなかったんだよ。ちくしょ。なんだこれ。もういい。知るか。とことん行ってやる!

「ジューダス……隠してぇことは隠したままでいい。ただ、俺はお前が何を思っているかを知りてぇ。それも知らないで離れるなんて気分悪ぃんだよ。だから旅は意地でも続ける!そんで、そのダイブとやらで今後少しでもわだかまりを無くせるのならそれに越したことはないんじゃねぇか?お前のことがわかれば戦闘に生かしてお前の足引っ張ることも少なくなるだろうしよ」

ジューダスは困惑したような目をこちらに向けた。たぶん何でこんなに食いついてくるんだって思ってんだろうな。俺が聞きてぇよ畜生。つまりあれだよあれ。本当に悪いやつかどうかもわからないで勝手に疑って追い出したってことになったら寝覚め悪いんだよ。そうだろう?当たり前だろう?

「あの、ジューダス……本当に、見せたくないもの、踏み込まれたくないところは精神世界にきっぱりと出て寄せ付けないようになるから。大丈夫よ」
「んージューダス。何かよくわからないけど、ロニがここまで言うことなんてあんまり無いし、俺もリアラの精神世界に入ってみるから、ジューダスもやってみてくれないかな?俺も少しでもロニとジューダスが仲良くなってくれたらうれしいから」

リアラがおずおずと後押ししてくれるのにカイルまで乗ってくれた。思わぬ援軍にジューダスはさらに目を丸める。何なんだこれはと今にも悪態をつかん顔だ。でも多分これ、カイルの援軍効果が異様に高くて悪態すらつけなくなっているんだろう。こいつも妙にカイルに甘くねぇか?

「……はぁ……勝手にしろ」

深いため息のあと、ジューダスは呟いた。

半分寝ながら書いたから文章ひどい予感。

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