【NARUTO】光 – 03 –

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サスケェ……。

九尾は収まったとはいえ、あたりに立ち込めていた毒のようなチャクラの名残はまだ消えず、安らかに眠るナルトの仲間が駆け寄るのを妨害している。
でも、きっとすぐにナルトの周りを大勢の仲間が囲い、その無事を泣きながら喜ぶだろう。

サスケは感覚すらなくなった体を引きずり、その場を後にした。
彼を追う者はいない。

気づくのに、随分と遅くなってしまったものだ。
世界は繋がっている。俺は独りじゃない。でも、一人というのは寂しいものだ。
慣れ親しんだはずのものにサスケは苦笑した。

空は先ほどまでの戦なんて知らんかのごとく、青く澄み渡っている。
ようやく収まった戦に小鳥が鳴きながら戻ってきている。
木々の間を吹き渡る風が心地よい。
誰もいない道無き森の中をサスケは行く宛ても無く拙い足取りで歩いていく。

――これからどこへ行こうか

ぼろぼろになったこの体で、連合軍の追っ手を逃れることなどできない。
捕まりすぐ処刑されるのなんて、目に見えていた。
それどころか、見つかる前に力尽きてしまうかもしれない。

それでも、このあまりに晴れ渡った空に、重苦しい復讐から開放された心に、どこまでも行ける気がするのだ。

ふら、と片足が地を踏み損ねる。
傾く体と近づく地面をサスケはただ見ていた。
そのまま遠くなっていく意識を感じていた。

だが、突然誰かがサスケを引っ張った。

腕を引き上げられ、そのまま誰かの温もりへと回される。
サスケが薄目を開ければ、そこには赤い髪の女がいた。
完全に力の入っていないサスケの体を必死に支え、ずれる眼鏡を何とか戻し、歩きだす。

「ほら、サスケしっかりしろよ!ちんたらしてたら追いつかれる」
「香燐……?」

何故、こいつがここに。
木の葉が香燐を捕らえたのはわかっている。戦のドサクサに逃げ出したのか。
しかし、自分を殺そうとした人間を殺しに来るならまだしも助けようとするのは何でだ。

「サスケ。チャクラ、戻ったんだな」
「……?」
「ウチ、気づいてたのに全然気づけてなかった。ごめん」
「何で……」
「ほら!サスケも、もう少し力入れろよっ!追いつかれるぞ!」

サスケは訳もわからずただ香燐に引きずられた。
だが、やはり女の体では無理があったのだろう。香燐がばてて石に蹴躓き、倒れそうになるのをまたも誰かの腕に引き止められた。

必死の形相だった香燐の顔に光が差す。そしてすぐに照れたように怒り始めた。

「お前ら今まで何してたんだよ!おせぇんだよ!水月、お前またちんたら休憩取ってただろう!」
「その方が君には都合が良かったんじゃない?まぁでも、そうならない為に急いできてあげたんだよ」
「あぁ!?」
「サスケ、大丈夫か?」

今度は大きな体に支えられ、そのまま背に担がれる。

「よし、とりあえずこのまま逃げるぞ!どっかでサスケの傷ちゃんと癒してやらねぇと。あとチャクラも戻さないとだな」
「どっかいい宿ないかな」
「ほら、サスケ!とりあえず噛んどけ!」

その全てが、サスケは何かの画面越しに行われているような、夢のようなものにしか感じられず唖然とするしかなかった。一向に突き出した腕を噛もうとしないサスケに焦れて、香燐は無理やりサスケの口に腕を突っ込む。

「あーあ。乱暴」
「うるせー!」
「香燐、もう少し労わってやろう」
「噛まないよりマシだろう!」

じわりと体に広がったのは治癒による温かみだけではない。
香燐は腕を戻すと、感知能力を使い逃げ道を探す。水月が地図を広げて適当な宿を探し始める。二人が率先してサスケを背負う重吾の前を歩いていく。
四人の前には、どこまでも行けそうな明るい空がある。

重吾の肩を一滴の雫が塗らした。
重吾が気づいて見やれば、未だ唖然と開いたままのサスケの真っ黒い瞳が濡れていた。重吾は静かに笑むと、それに気づかぬフリをして確かな足取りで歩み始めた。

光が差して繋がったこの世界は、どこまでも広がる。

以上。ED捏造でした。
あぁ、サスケ。早く楽になってくれ。そんな気持ちをひたすらにこめてみたよ!
とりあえず鷹だけはサスケから離さないで。お願いします。
このまま鷹は忍連合からスタコラ逃げまくるの。復活したサスケがまた我が物顔で鷹を引っ張ればイイネ!そしてまたナルトのストーキングが始まるの。ごめんねナルトもうちょっと頑張って!
サスケはサスケのやり方で、この世界を守っていくの。ナルトは火影としてサスケを形的に捕らえようとしながらもサスケを守りつつ、でも手にいれてぇとかなんかもう頭悩ませておいたらいいよ。
鷹は気づいたらサスケが火影に誘拐されてるから大変だよ。気をつけてね!
そんな今後のほのぼのストーリーをいつか中学生クオリティのほのぼの漫画としてかけたらなぁ。と思ってるけどまぁそのときの気分しだいだよね。

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