【TOD2】死人に縁ナシ – 1 –

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前のサイトのフォルダを漁ってたらメモのみで放置してたのがあったので起こしてみた。
確かあれなんですよ。ジューダスが我を忘れるほど怒るところを見たいっていう欲求のままに考えたお話だから軽く中二病まっしぐらでwでもこういうの好きです。でも中二病まっしぐらすぎて恥ずかしくて放置してたの!wでもあえて書く!内緒をピーするよ!



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ハロルドはうっとりと笑みを浮かべて窓から空を見ていた。
彼女は天地戦争の終わりが見え、研究への張り合いが無くなるかもしれないと危惧していた。終戦後もこの頭脳を生かす場はごまんとあるが、天上王を打ち負かすなんて心の躍るシチュエーションはない。
だが勝利と同時に今度現れたのは神様と来た。己の才能と運の強さににやけた笑みも浮かべたくなるというものだ。

そして共に旅している仲間がこれまた面白い。
千年後とその更に十年後の世界に生きている人間。聖女とその英雄、付き人の兄貴分な男とそれを関節技で締め上げる女。神に挑む者達だ。

だが、その中でも一番ハロルドの目を惹きつける者がいた。

見慣れぬ青い空などすぐ興味を失い、ハロルドは姿勢を変えて宿の二階の窓から町の通路を見下ろす。
そこには細い体を隠すような真っ黒な衣装、一際目立つ異様な仮面をつけた少年。

グフフ、とハロルドは特有の笑い方をして窓際に肘を着き、手を組んでその上に顎を乗せ、宿の前にいる少年を眺める。
彼は珍しく町の者達に囲まれていた。しかも女性ばかりにだ。
それをひらりと躱して宿の中に黒衣が入り込む。宿にまで押し入ろうとしていた女達は宿の主人に断られて渋々解散しようとしている。そこに現れたのはロニ。先の顛末が完全に予想が付いたのだろう、ハロルドはそれ以上興味が無くなり窓から体を離すと今度は部屋の扉の方へと目を向けた。
扉が音を立てて開かれ、そこから先程の少年、ジューダスが現れた。

「おかえり~♪ハーレム状態ね」

仮面の奥から険しい視線が突き刺さる。背筋を逆撫でされるようなゾクゾクと寒気の走るその眼光の威力は、ハロルドにとって快感だった。そう体験できないものを目にしてハロルドは喜ぶ。

「あんたいい目できるわねー。それで女性の心もキャッチと?ロニをモテモテ男に改造する薬を作るのに使えるかもしれないわ」

はぁ、とジューダスは深いため息を吐き、今度は恨めしそうにハロルドに一瞥を送った後、部屋の椅子に腰掛ける。こうもジューダスがハロルドを恨むには理由がある。

そもそも街中でジューダスにあのように声をかける女性など今までそう居なかった。良く見れば仮面の隙間からもその綺麗な顔を見ることはできるのだが、否が応でも先に不気味な骨の仮面が目に付いて離れていく者が殆どだ。
この町の人々も同じだった。
ジューダスの仮面を遠めに奇異な目で見ているだけだった。ジューダスは慣れきっているのだろう、一切気にせず歩いていた。仲間も同じく慣れて気にしていない。ただ一人、ハロルドだけが1000年後の時代に来て初めての町に色々と好奇心の目を向け、それがジューダスの仮面にまで及んだ。

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