【TOD2】死人に縁ナシ – 3 –

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内緒さんの中のジューダスはこんなイメージ。的な感じです。
原作では全然見えてない部分なので完全に内緒の妄想の産物でございます。ジューダスちゃんはとっても後ろ向き☆
本当はもうちょっと楽に生きてるんじゃないかって思うんですけどね。主にダイブの深層世界を妄想していってたらどんどんジューダスさんが卑屈になってましたw



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欲の無い人間など死んでいるのと同じ。ハロルドはそう考える。
そして死人は変わらない。輝きも持っていない。一度そのデータを調べたらそれで尽きてしまう。面白くない。移り変わる空模様をこうして眺めている方がまだ面白みがあるというものだ。
せっかく綺麗な顔をしているのにもったいない。
その顔と同時に欲すら押し隠す戒めの仮面をハロルドは恨んだ。

そう時間が経たずして部屋の外が騒がしくなり始めた。

「チックショー、何でだよ!俺だってイケてると思うんだけどなぁ。確かによぅ、そりゃ綺麗系じゃあねえけど頼れるお兄さんじゃねえか」
「何が頼れるお兄さんだい。ナンパ連発してる軽い男に頼りがいを見出せって方が無理だろう」
「あはは、ロニ集まってきた人全員から断られるとか凄いね」
「笑い事じゃねぇ!」

ハロルドの予想通り、ロニはジューダスを目的に集まった女性達を口説き倒して見事に振られたようだ。
ロニの不貞腐れた顔がジューダスへと向けられる。彼は未だに全く同じ姿で本を読んでいた。

「ったく、こんな仮面野郎の何がいいんだかねぇ……俺のが大人の色気ってものがだな……」
「卑猥物認定されたんじゃないか?」

そのままの姿でジューダスは軽口を返した。相変わらず字を目で追うのは変わらないが、既に意識は仲間たちの方に向いているだろう。

「誰が卑猥物だ!俺の魅力を何だと思ってやがる!」
「ほぅ、欠点じゃなかったのかそれは」
「ぐおっ!?」

ロニがオーバーアクションをつけて仰け反るのをジューダスは僅かに首を動かし横目で確認する。仮面の影になっている口元に捻くれた笑みが浮かんでいたのを向き直ったハロルドだけが捉えた。

(こうしていると、普通の人間なのに)

仲間と共にいる時はジューダスへの死人のイメージはすぅっと引いていく。押し隠されているものが滲み出ると言った方が的確だ。それでもハロルドの表情は晴れない。
いつまでも被り続けている骨の仮面が全てを物語っていた。仲間の中にいるときでも、ふとした時に滲み出ていたそれが押し殺される姿をハロルドは何度も見た。
特に旅の目的に関しない世界や町の事へと話題が向いた時、彼は一気に傍観者へと変わる。ハロルドのように好奇心を擽られ自分からそれに触れに行こうとは決してしない。
例えば町の人が困っているのを見過ごせず、カイルが自らそれに巻き込まれた時。ジューダスは一人で容易に解決する技量があるにも関わらず、カイルのフォローしかしない。カイルを導き、時には誰にも気づかれないように裏で動くのみ。表の舞台には絶対に上がってこない。

先の見えない茂みを手探りで掻き分けて歩く。そうやって困難な茂みを踏み潰して道を作る。それが歴史となり己の生きた証となる。どれだけ草木に肌を傷つけられようと、それが生き甲斐であり何よりも輝いている。それがハロルドの考えだ。だからあの時、カイルの未来からの言葉を遮った。
神に刃向かう仲間たちは皆同じ想いのはずだ。――ジューダスも同じのはずだ。

だと言うのに彼はそれらを実行していない。先の見えない茂みの中、そっとカイル達の前を照らして誘導し彼らに軌跡を作らせる。己で足跡をつけない。
何より彼には見えてしまっているのだ。本来見えないはずの先が。

この世界でどこまでも矛盾を持って生きている人間だこと、その歩み方はきっと苦しいだろうに
ハロルドは僅かばかりの同情を以って考察を終えた。既に終わりを迎えている研究を放り投げるように。それは絶滅してしまった生物の研究を諦めるような後味の悪さをハロルドに残した。

(あーあ、つまんないの)

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ジューダスが愛おしすぎて考察しまくってたら小説にまで出て超長文になってた。
内緒いい加減この癖直そうよwwでも書きたいよワァアッハー。自己満もいいところでした。

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