いかん、レイアウトがくずれる
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カイル達と合流を果たし、現代へと戻って来た。
ハイルデルベルグ城の部屋を借りて休んでいるところなのだが、この重たい空気をどうしたものか
あのカイルとリアラが、互いの方を決して見ようとせず、それぞれが背中に影を背負って俯いている。やがてリアラが部屋から出て行ったのをナナリーが追いかけていった。
残ったのはらしくもなく暗くなっているカイルと、俺とジューダスだけだ。
「おい、カイル……」
「ごめん、俺もちょっと行ってくる」
俺が声をかけるのすら無視してカイルは部屋から出て行った。リアラを追う為なんかじゃなく、一人で考える為に。
はぁ、どうしたもんかなぁ。
頭を掻きながらジューダスへと助けを求めるように視線を投げれば、どこか冷めた瞳とかち合った。
「ジューダス?」
「なんだ」
「いや、……何か思うところあんのかと」
ジューダスは俺の言葉には答えず、徐に剣を取り出して磨き始めた。
一見冷たく話をそらされたように見えるが、あれは多分、珍しく考えがまとまってないってところか
しばらく黙って待っていたら、やがてジューダスは鬱陶しそうにこちらを見た。
「別に。……僕に何を期待している」
「物知りなジューダスちゃんならいい感じに治めてくれんじゃねーかなーとか」
「今は放っておくしかないだろう。頭を冷やすにはいい国だ」
「はは、そりゃ確かにな」
やな雰囲気ではあるが、何とかなるだろう。特にカイルの方は立ち直りが早い。
先程までちょっと焦っていた気持ちがすっと消えて落ち着いた。
「お前もどうだ?砂漠でドロドロに溶けた脳も、そろそろまともに動き始めた頃じゃないのか」
穏やかになった気持ちに冷たいものが走る。
ジューダスの言葉の意味をパーフェクトに理解できているからだ。
あれから、ホープタウンでそれなりの日数を過ごしたが、俺とジューダスの距離は変わらなかった。変えないでいてくれたと思うべきか、変えさせてくれなかったと思うべきか
いつか縮められる距離だと思ってたのに、まだ暑さにやられた一時の気の迷いと思われていたとはな。
「真剣だ、つったろ?」
「まだダメか」
「いい加減認めろよ」
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そして中途半端に放置して行く!
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