【TOD2】マスコット – 4 –

TOD2マスコット
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久々にマスコット読み返したんですが、結構気に入りました!
やけくそ坊ちゃん可愛い。ギャグテイストなのも楽しい。
でも今回シリアスにいっちゃったー(´・ω・)なんてことを。。。

久しぶりなので一応作品案内
何故かマスコット化したスタン(ソーディアンみたいに人格投入済み☆)を連れて生き返ったジューダスちゃんが頭痛とシャルティエもお供にしてTOD2世界を冒険する物語だよ☆
多分ジューダス総受けな感じ?でもスタンがでしゃばり続けるのでスタジュな感じ?ちょっとBL臭
ジューダスがストレスたまりすぎてスタンの扱いが酷いです。ごめんちゃい!



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地下水路を出たところで逃げるように金銀コンビと離れた。
嫌に目立つ逆立った二つの髪がクレスタに向かって歩いていく姿を確認したところで、ひとまず今まで我慢してきたことを成し遂げるとする。

ベチンッ!!!

「ぎゃっ!」
「少しは大人しくできないのか。いい加減にしないと本当に置いていくぞ」
「うぅぅ……ごめんなさい」
「あはははは!いい様ですね!」
「お前もだ」
「ごめんなさい」

シャルティエの謝罪はマシンガンの如き速さだった。
ひとまず地べたに叩きつけたスカタン人形の横に座り込む。今日は野宿確定だ。これもそれも、廃墟同然だったはずのヒューゴ邸を突如現れた兵士が牢屋代わりに使ったせいだ。ダリルシェイドにもいられない。情報収集もまだ足りなかったというのに。それもこれも、あのカイルとロニとやらの……。

「まぁまぁ、でもほんとあいつら連れて出てくれてありがとうな。助かったよリオン」

マスコット人形となったスタンは笑った口元で固定されている。憎たらしい。人形だというのにカイルとそっくりなのがわかってしまう。そういえばマスコット人形って幸運を呼ぶものじゃなかったのか。先ほどから不幸しか呼び入れていない気がする。

「今日は、ここで野宿するのか?」
「仕方がないだろう。誰のせいだ誰の」
「クレスタに、行かないのか?」
「投げ入れてやろうか」
「俺だけじゃなくて!リオンが行かないと意味がないよ」

舌打ちをしてやりたくなった。またこいつは余計なことを言おうとしている。

「行かない。却下だ」
「……ルーティに顔を見せてやってくれないか」
「スタン、黙れ」
「リオン……ルーティは」
「黙れと言っただろう」

どの面下げて会えと言うんだ。
名をつけたくない嫌な感情が胸の奥からざわざわとこみ上げてくる。思わず顔を顰めて人形を睨み付ける。相変わらずの笑った口元だ。あぁ、鬱陶しい。

「スタン。本当に鬱陶しいよ、いい加減黙ってよ。坊ちゃんは今誰かさん方のせいでお疲れなんだから!……坊ちゃん、危険があったら僕が呼びかけますので、ゆっくりお休みください」

あぁ、僕のソーディアンがシャルで本当に良かった。思わず脳内でそんな言葉を呟いてしまうくらい、誰よりも互いを知り尽くす相方の存在に安堵する。

「……わかった。でもさ、リオン。あの女、四英雄を狙ってる感じだったよな?だからさ……」
「スタン。お前いつ死んだ?」
「え……えーっと、何年前だったかなぁ。カイルがまだ本当に小さくて」
「つまり何年と前にお前が死んでいるというのに、以来あのむさ苦しい男が他の四英雄を奇襲することはなかった、といったところか」
「いや、どうだろう……もしかしたら退けたのかもしれないし」
「お前が殺されているというのに?……どれだけ間抜けな死に方したんだ」
「あ、はは……そうだなぁ。結構最悪な感じだったかな。父親としては」
「………フン」

らしくなく後悔しているようだ。まぁいい。

「どっちに転ぼうが、僕はあいつらの護衛なんてしてやれん。三人バラバラの場所にいるのだろう?」
「あぁ。フィリアはアイグレッテ、ウッドロウさんはハイデルベルグ、王様になったしなー」
「アイグレッテ……?」
「あぁ、戦乱の後に新しくできた町だよ。ストレイライズ大神殿のまわりの森を切り開いて作られたんだ」

18年か……短いようで長いものだな。
僕の一生よりは長いか。

「まぁ、あいつらに会う気も毛頭ないからな。元を叩くだけだ」
「……なぁ」
「くどい」
「スタン。今日はこれくらいで」
「………。」
「……寝る」
「おやすみなさい。坊ちゃん」

やはりこんな人形拾うんじゃなかった。
……明日はアイグレッテを目指すか。
生き返ってたった一日。何もかもがめちゃくちゃで本当に頭痛の耐えない日だった。根本的なものから考えを整理できていないと言うのに、この人形のせいで下らないことまで考えさせられる。
何でこんな人形を拾ってしまったんだろう。
やっぱり明日クレスタに投げ入れてこようか。

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ふと気づけば生き返っていて、自分の存在意義とか考える前にスタンが死んだと聞いてイラッときて、剣を向けたら自分が知る風景からは程遠いダリルシェイドへと飛ばされて、状況を何とか整理しようとしたら、何故かスタンの人形がいて喋り始めて、あまりの衝撃に死別のきまずさとか置き去りに昔の感覚で悪態付き捲り、気づけばスタンに言いくるめられて人形を拾ってしまい、雨宿りをしてたらカイルとロニのせいで部屋に閉じ込められ、やっと脱出。
間違いなく坊ちゃん厄日でしたね!

いやー実にカオスな物語でござる(@3@)
このカオスさと四英雄へのジューダスのしがらみを、どうやって融合させたらいいんだ……っ!!!

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