【TOD2】dive – 18 –

diveTOD2
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自分でやっておいてなんだけど、遡るのが大変になってきたからちょっとまとめリンクックック
一度サイトのほうにUPろうとも考えたけれど、やっぱり後々色々かえる可能性高いからまだブログから脱出できないダイブちゃんです。ぐすぐす。コスモスフィアすっごい面白いけれど、やっぱり難しくって!

dive ~ BLだよロニジュだよ ~
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リンク失敗してたらごめんちゃい(^ω^`;A)

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「俺への見張りよりも優先しちまうくらい、か」

心の護は何も答えない。感情を読み取ることもできない。俺も思わず黙り込んだ。
やはり、無理やりこちらの町に連れ込めばそれで全て解決、なんて簡単な話ではなかったのだろう。
沈黙が続くも心の護から何か話す様子はなく、俺は空を仰ぐ。木々の間から冷たい灰色の鎖と禍々しい赤黒い鎖が見える。

「なぁ、……鎖、変な色混じってるんだが」
「さらに深く潜り込んだから見えるようになった。それだけだよ」
「元からあったのか?」
「そうだね」

心の護の受け答えは淡々としている。何かしら情報を聞き出せないかと思ったが、これ以上は無理かもしれねぇな。俺は小さくため息を吐いた。

「この先にいるんだろう?俺、行くから」

心の護は何も答えない。発光体の横を通り過ぎ奥へと進む。
程なくして、木にもたれながら虚空を見つめる黒い影を見つけた。

「ジューダス」
「……またお前か」

声をかければ、こちらをめんどくさそうに一瞥し、すぐそっぽを向きやがってくれました。
「またお前か」なんて言われるほど俺はジューダスの連れ戻し係となってるらしい。まぁホープタウンでは特にそうだったしな。

「誰かさんがサボって逃げましたーってみんなが怒ってたぜ」
「それは大変だな」
「あぁ。そりゃもう大変だから早く戻りやがれ」

ジューダスは身じろぎもせず黙り込んでいる。

「……居辛いのか?」

今まではぐらかしていたのを一転させ、端的に聞いた。リアルでは中々こうはいかないだろうな。
ジューダスの反応はない。まぁ、そう素直に「そうだ」とは言わないことくらいわかってたけど

「ジューダス」
「僕は、この町にいる資格がない」

急かすように名前を読んだら、突拍子もない答えが返ってきた。
あぁ……、また始まってしまった。ジューダスとの間にある壁。理由を告げられないというこの問題。
この問題を解決しないと、こいつは何も明かしてくれない。だがその問題文すら提出してくれない。問題も出さぬままに、お前には絶対解けないから帰れと言う。
時々出される僅かなヒントは、全く俺には理解できないことばかりだ。

「この町にいる資格だぁ?何でそんなもんがいるんだよ。いつだれがそんなもん作った?そんなもんねぇって」
「許されないことだ。きっと、皆そう言うに決まっている」
「何でそんなこと決め付けてんだよ。つーか、何でお前にはその資格とやらがないんだ」
「……あの町に、いたから」

あれ、また何も答えてくれないと思ったら、今度ははっきりと告げた。
思いがけない回答に一瞬思考が止まりかけるのを必死で回転させる。
ようは、あの俺が二度と行きたくない恐ろしい町に前まで居たことが後ろめたい、と?

「あの町にいたこと、ナナリーは知ってただろうが」
「あぁ。お前が堂々と紹介してくれたからな」
「誰もそれで資格がないなんて言ってないだろ?」

わけわからねぇ。駄々を捏ねる餓鬼を相手しているような気分だ。何がそんなに気に食わないんだ?
頭を掻こうと腕を持ち上げ掛けたとき、ジューダスの肩が小さく震えた。

「あいつらは、あの町がどんな世界なのか知らない!」

空気が震えた。木々がざわついた。そして、俺もまた僅かに体を跳ね上げた。びっくりしたのだ。
初めてかもしれない。ジューダスが心の奥底から本音をぶちまけた。正しくそんな声だった。
あ、いや、第一階層で散々追い掛け回してブチ切れられたときもこんな風に怒鳴られたが……こうやって理由を口にしてくれるのは初めてだった。
漸く一歩進んだのだと、先ほどまでの軽い気持ちがズンと沈んだ。

ジューダスが木から体を離し、俺のほうをギッと睨んでくる。

「お前だって、あの町があれほど汚いものだなんて知らなかっただろう?実際に足を踏み入れるまでは。他のやつらも同じだ。そうだろう?ナナリーの楽観振りから全部分かる。どうせスリに気をつけないと、くらいにしか思ってなかったんだろう?」

……あたってる。
ジューダスは俺から視線を外し、地面を見つめながら言葉を続ける。

「本当のことを知れば、あいつがどんな態度を取るか……お前だってそう思って皆にあの町での出来事を伝えないんじゃないのか」

へー。そうなってんのか。
さっきダイブしてこの町に辿り着いた俺としては、何とも答えがたい問いだが、どうしたものか。
いやでもその前に、確かにあの町では危ない目にあったが、それを助けてくれたのがジューダスだ。普通、助けてくれたのだと言って紹介するんじゃねぇのか?ジューダスにとっての俺とやらは何で言わなかったんだ。

「んな理由じゃねぇだろ……第一、お前はそんな危機から俺を助けてくれただろうが」
「は、ははは……根本的なところから間違っているな、お前は。馬鹿か」

ギンギンに冷えた氷水をぴしゃりと顔にぶちまけられたような、冷たい言葉だった。
あの町にいたときに感じたような気配だ。ジューダスの冷酷な部分。第二階層では思わず心臓をひやりとさせたが、これは一部分でしかない。それだけじゃないのがジューダスだ。
俺は至って冷静にジューダスの言葉を待った。

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ダイブまじ難しいわー!
本家見てると、あーよくできてるなーってほんと関心しちゃうよね!

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