【他】TOA死ネタ駄文4

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完全に書く気がうせる前に終わらせたい

あとごめんなさい、ほんとアビスの設定わからない覚えてないど忘れた
どこの時期の話なんだこれ。こんな悠長なことしてる暇あったんだっけ?
突っ込みどころ満載だけど、まぁ気にしちゃいかんよね。うん。
……あ、しまった。これヴァンにじゃなくてモースにつかえてたほうがまだ納得できたきがするるるる



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その手にあったのは、紛れもない人の体の一部であった。
瓶詰めされたそれを無表情に、しかし観察するように見る彼の姿は死霊使いそのものであった。

ルーク達の表情が強張る。
今まで、あのジェイドがヴァンの元で研究をしていること自体が信じられないことだったというのに、例え真実だとしても、何かしらヴァンを貶める罠でもあるのかと、そう思っていたのに。

「……ジェイド、何をしている」

ずん、と腹のそこに重りを沈められたような、威圧感を与える低い声が響き、目の前の光景にざわついていた兵士たちが静まり返る。
瓦礫の隙間から、確かに王の鋭い瞳はジェイドを射抜いていた。
しかし、やはりジェイドは全くこちらに興味を示さない。

「ジェイド」

怒りに満ちたピオニーの声色にルーク達も思わず恐れた。
ルーク達も、そしてピオニーも、あの瓶に貼られたラベルの文字が読めなくともそれが何なのか検討がつくのだ。

全てホドと共に沈んだと、そう思いたかった。
やはりあれだけの研究を完全に消し去ることなど不可能だったか。

やがて遠くから聞こえてくる機械音とキンキンと耳障りな声。

「ジェイド!あなたはどうしてそうせっかちなんですか!少しは私を待ってくれてもいいでしょう!いくらあなたでも一人では……どうやって逃げるつもりだったというのです!」
「だから書置きを残してきたでしょう?少し遅かったですが、まぁ許容範囲内です」

ディストが乗る機械が降り立って、ようやくジェイドは初めて言葉を発した。

「……サフィール」

ピオニーが眉を寄せながら幼馴染の名を呼ぶ。
ディストはピオニーを見た瞬間勝ち誇った笑みを浮かべた。

「ピオニー、これ以上私たちの邪魔はしないでください。大体、このサンプルも元はといえば私たちが作り上げたものなんですから」
「サフィール、お前」
「お黙りなさい!あなたなんかに何がわかるというのですか!」

積年の恨みを晴らすべき、とディストの口からひっきりなしに怒声が飛ぶ中、ジェイドはやはり表情ひとつ変えずにディストの譜業へと乗り込む。

「サフィール、さっさと出発を」
「あんた、本気なのか!?」

ガイが声を張り上げた。

「あれだけの罪へと広がったその研究を、あんたは、またやるっていうのかよ!?」
「大佐、冗談ですよね!?あとでこっそり総長を後ろから刺そうとか、そういうつもりなんですよね!?」

ガイの否定を望む怒りの声も、アニスの祈願も、やはりジェイドの顔色を変えることはできない。
ディストだけが一人声を張り上げながら譜業を操っていた。

「私たちはできる!またあの頃に戻ることができる!やり直すことができるんです!みんな元に戻る!完璧なレプリカさえ作ることができれば、それはもうレプリカなんかじゃなく、確かに、蘇るんです!先生は!!」

再びディストの作り上げた譜業が音と突風を立てて浮き上がる。
グランコクマを去っていこうとする二人に、ティアやナタリアも口々にジェイドへと静止の声を上げる。

「ジェイド!」

ルークは瞳を揺らし、彼の名を叫んだ。
その後に続く言葉が多すぎて、心を揺さぶる感情が多くて、ルークは名を呼ぶことしかできなかった。

また、見捨てられたのか
俺があの時、変なことを言ったから、俺に愛想が尽きたのか
俺のせいなのか

怖くて今この場所で聞くことなどできなかった。

ピオニーはただ一点だけを、ジェイドの瞳だけをじっと見上げていた。
譜業は完全に上空へと飛び上がっている。やがて前進してその姿を晦ませるだろう。その僅かな間だけ

ここにきて初めて、ジェイドがピオニーへと視線を返した。
その深紅の瞳は一切の揺らぎを見せず、逸らすことなくピオニーの瞳を見つめ返していた。

追跡を、ジェイドの対処を、処分をどうするか。
会議室の話題は彼に関すること、一点のみだった。
どういうことなのですか、と側近として、旧友として誰よりも彼のことを知るだろうピオニーの方へ困惑の目が集まる。
ジェイド・カーティスは確かに死霊使いの異名で恐れられているが、同時に彼を信頼するものたちも多い。
ピオニーが下した命令は、ジェイドを罪人として生きて捕らえろ、というもの。
彼のことは軍内部で内密に処理をせよと、付け加えられた形でだ。

しかし、彼が今何処にいるか検討も付かず、ヴァンの近くに居るであろうという推測から、その期待はマルクト軍よりか、ルーク達へと寄せられた。

人払いがされた玉座の前で、ピオニーは独り言のようにルークたちにぼやいた。

「あいつ、本気だ」

ヴァンの居所を探る為辿り着いたワイヨン鏡窟。
すでにもぬけの殻になっている可能性が高いと思われたその鏡窟は、アルビオールが近づいた瞬間譜業が襲い掛かってきた。
その独特なフォルムからどうしても呼び起こされる人物。死神ディスト。
予想外に早く割り当てたらしき彼らの居場所に一同は緊張をしながら鏡窟の傍へとアルビオールを降ろし、譜業と戦った。

幾多の機械を破壊しながら鏡窟を進むと、不意に、バチバチと激しい音が聞こえたと。
同時に、ルークたちの体に衝撃が走った。
一瞬で全員が動けなくなった。

カツーンカツーンと洞窟に足音を響かせ、探し人は薄っすらと笑みを浮かべながら現れた。

「ダメですよ。こんな単純な罠に全員揃って引っかかるだなんて。もう少し危険を察知しないと」
「ジェイド……」

痺れてうまく動かない舌で苦しげにその名を呼ぶ。

「ルーク。一緒に来て頂きます」

久しく聞いた彼の憎たらしい皮肉も、先の一つに終わり、また再び無に近い冷たい表情で彼は己の目的を遂行する。
彼の後ろに付き従う譜業はルークの体を軽々と持ち上げた。

「旦那!何をするつもりだ……っ!」
「ルーク!」

仲間たちから非難の声が上がるのも、やはり彼は何処吹く風で
ルークは譜業に掴まれながらじっとジェイドの顔を伺っていた。彼はルークの方は見ず、譜業を軽く操作して鏡窟の奥へと進める。そして代わりに仲間たちの足止めとなるだろう譜業をその場に出した。

「ジェイド……!」

体が殆ど動かない彼らに対し、譜業は腕を振り上げている。
ルークが目を瞠りその光景を見ているも、すぐに奥へと連れて行かれわからなくなった。

「ジェイド!」

仲間の危機にルークは声を張り上げる。
まさか、そんなまさか。
彼が旅をした仲間へ危害を加えようなどと、思いたくなかった。

「ジェイド!無事でしたか。私の譜業は役に立ちましたか?」
「えぇ。早速ですが更にあなたには手を貸して頂きますよ」

奥の部屋ではディストが嬉々としてジェイドを迎えた。
何度も見てはいるが、あのジェイドとディストがこうやって共に居ることに違和感を感じる。
あれだけ互いに敵対していたというのに。

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