告解について語りまくる

OP自作品語り
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自作品を語りまくっていい? イイヨー! ヤルー!! ありがとーー!!

いやぁ。ほら、あれさ。地味にいろいろこっそり思いを込めて一応書いているんで、こう、伝わってるかなーとか、もうめちゃくちゃ説明して伝えたい気持ちがあるんだよ許して!!

気になってくれるっていう特質な方は大歓迎~~~~~~~~~~~~!!!!!

男はもともと信者ではなかった。しかし、教会や信仰は昔から男の身近にあった。それは――罪を犯したあの白い町にも、あったのだ。

今回のお話はモブが主人公っていう、かなり特殊なお話です。別にモブの話が書きたいわけではなく、私はロー君のお話が書きたかったんですが、物語を作るに至ってモブが主人公の形が一番良かったのでこの形をとったんです。

が、ロークラスタの私ならわかる。モブが主人公の話なんて読んでたっておもろない!! ってww はよロー君見たいってなりますんや!! なるんっすよ私みたいなやつは!!w だからかなり早い段階で白い町に関わる男なんだよーってのをここで透かして、何とか冒頭読んだ勢が回れ右するのを引き留めようとここで足掻いていますww 当初はもうちょっと後でじわじわわかっていく形にするつもりだったんですけどね。絶対最後まで読む人いねぇよそれって思いました。

やぁ、今回の話はほんと人を選ぶお話だと思います(白目)

ただ、物語としての面白さとしては、個人的には今までで一番よく書けたんじゃないかと思ってるんですよねぇ~(ドヤ顔) 多分これ以上の私もう書けないよ!! って思ってますw いや~~ほんまお気に入り作品ですわ~~~だから語らせて~~~~~!

あの日のことが忘れられない。あの日の記憶が毎日追い立ててくる。

罪を告白し悔い改めれば、慈悲深き神は赦してくださる。町の人間の何人かが男にそう声をかけた。だから大丈夫だと、そっと背に手を当てられた。

当初から大分病んでるモブ男君。引っ越し先の町の住人から心配の言葉を何度かかけられる程に目に見えて病んでました。

白い町の住民を多く殺した彼ですが、単純な悪役ではなく、ただただ人間として書いてるつもりです。

どんだけ洗脳されようが、それによって自分をどれだけ正当化していようが、男が罪を犯していようがいまいが、どちらにせよ戦争に出た兵士は何かしら心を病んじゃいますよね。

この頃はまだ、あの時の子供であるローが生きていることを男は知りません。ただ、どうしてもトラファルガー両親を殺したことと、子供を逃したことが頭に焼き付いて離れなくて苦しんでますね。別にトラファルガー一家を殺してなくとも男は病んだでしょうが、やっぱ人間ストレスの原因は何だろうって考えて、何かのせいだってことにしたがるじゃないですか。男はこの自分の罪悪感は、子供を逃したせいだと転換しているって設定です。

あの時、時計の針は狂っていた。正しく秒針を刻んでいなかった。一秒で十秒分も針を進めた。気づけば三分、五分と勝手に針が前へ進んでいた。かと思えば、目に映る光景がやけにスローモーションになることもあった。あの時、あの場所は異常だったのだ。視野がぎゅぅと狭くなって、すぐ横で放たれた銃声すら聞こえない時もあった。

ハイパーパクリスペクト文章。このお話のあとがきにも書いたんですが、現実の兵士ってどんな感じかなーってぐぐって出た先で見かけた文章でした。本当に時間間隔狂って、視界が狭まるらしいですよ。恐ろしい世界ですね。そんなお話を聞いた上でほぼそのままに書いているので、私の文章とは思えぬほど真に迫る文章になっているのでは!

だが、神が男を赦しても、男は赦されなかった。ある日、罪が形となって現れたのだ。ようやく薄れてきたあの日の記憶を再び刻みつけるように、それは紙に書き記されていた。

名札だった。

その時、男の時計はまた狂って、その名札を見つめる時間を長く長く感じた。だから、あの足元に転がる血飛沫と名札の映像が、こうも鮮明に残っているのだろう。何年も経った今でも、忘れられない名として残っているのだ。

それが今、男の罪そのものとして、街の掲示板に貼り出されている。

ハイパーパクリスペクトからの、男がローを覚えていることの理由付け。いい感じに決まってると思って凄く気に入ってる部分。

昔の伝手を頼りに海軍の船によく世話になった。未だ軍属に身を置く友人は男に会うと前のめりになって話をした。

白い町討伐に共に赴いたご友人さん。白い町の悲劇時は多分隣国の兵士だったんじゃないかな。今は海兵になってもらいました。友人さんもなんだかんだで近くにいられなかったんじゃないかな。ってのは後付けで、モブ男君を新世界まで運んでもらうためだけに出演してもらいました。

誰もがそう言った。神の代弁者もそう言ったのだ。上官もそう言った。友人も言っていた。だから、誰もがそう言っていた。だから、世界がそう言っていたのだ。世界がそれを望んでいたのだ。だから我々は正しいのだ。

主語をバカでかくしていくの人間にありがちな醜さよね(´・ω・`) みんなそう言ってた! ってついつい思いがちでも、そのみんなを一個一個見ていけば意外と少なかったり狭かったり、ほかの意見があったりするので怖いところです。そしてそういうのでトラブルも起きがちなので気を付けたいところ(自戒)

あの時おれは、銃を撃ちながら……当たるなと、当たるな、当たるなって念じていた。なんで今ここに出てきたんだと、胸の中で叫んでいた。おれは、自分の意志であのとき、あのモンスターを撃たなかったのだ。

あのとき、騙されることさえなければ、こんな地獄の日々を過ごすことはなかったのに! おぞましい罪を抱えることなく、後ろめたく思うことなく、今も友と同じ思いを共有して肩を組むことだってできただろうに!!

人間臭い情と、人間臭い怒り。お気に入り。なんだかんだで男は人間臭い情を持っているからこそずっと苦しんでるんですよね。一概に良い奴とも悪い奴とも言えない等身大の人間っぽさが出せてるんじゃないかなーなんて。

「あそこには何があるんだ? 神様ってやつがいるのか?」

ルフィの言葉にローは一度あの小さな建物へと目を向けた。その建物から何か遠くの情景を見るように細められた金色の瞳。それを真っ黒な目がぱちくりと瞬きをしながら見つめる。

「いねェよ」

口の端を歪め、ローはそう言った。

ロー君は無神論者なイメージが勝手ながらすごく強いんですよね。子供のころは教会に行ってたわけですが、やっぱあのシスターの死に際を見たらねぇ……。ここの幼少期との落差は考えるたびに咽び泣いて悶え萌える。

上げたままの左手をそのままに、麦わら帽子の下からルフィが睨む。彼の視線の先には両手で拳銃を構える男。

昔のワンピでよく見かけた気がするんですが、麦わら帽子の影から睨んでくるルフィべらぼうにかっこいいですよね。

それでも、拭えない罪の意識から湧いて出る狂気が、あの海賊の姿を悪魔か死神に見せていた。あの海賊は、いつか私を裁きに来るのだと、来ているのだと、そうとしか思えなかった。だって、そうでなければ、あの時のあの子供が、こんなところで生きているわけがないのだ。

ローが生きている=珀鉛病は伝染しない=男の真の罪

男は頭の片隅でそれがわかっちゃってるっていう。なんなら珀鉛病は治せたかもしれない。たくさんの救えた命を殺してきたんだっていう。到底受け入れがたい罪から逃れたくて仕方ないモブ男君です。

モブ男にとってローという存在自体が自分を断罪する罪と罰そのものって感じ。

「くそ、畜生。なんでなんだよ。なんで生き残ってんだよ! おれじゃない誰かが殺しておけよ! 一人残らず殺しておけよ! なんで誰も殺してないんだよ! なんで生きてんだよ! だからこうなっちまったんじゃねェか!!」

「おれは戦った! 勇敢に戦った! 世界の為にいっぱいいっぱい殺したんだ! なのに、なんでたった一匹見逃しちまったそいつが、なんで生き残っちまってんだよ! それ以外は全部ちゃんと殺したんだ! 全部ちゃんと殺したのに! なんでよりによってこいつが死んでないんだよォ!!」

仕事しててさぁ。ほかの子のミスをいつもめっちゃカバーするのに、いざふと自分がミスったのがそのまま出て怒られた時のあの悲しみよ。誰かカバーしてよぉおおっていう自分のせいだけれどなんとも理不尽にも感じる現実あるあるな悔しさを詰め込みました(?) 世は非情なり。

それでも、男は止まらない。止まれなかった。男が真に恐れているのは、海賊が自分を殺しに来ることではなかったからだ。

あの時の子供が生きていること。それが何よりの恐怖だった。何よりの罪だった。だからもう、その存在をまざまざと見せつけ、ここにまで姿を現したというのであれば、男はもう確認せずにはいられなかったのだ。

男が恐れているのはロー君が故郷を滅ぼされた恨みで男を殺しに来ることではなくて、ローという、珀鉛病感染者なのに白い町から生き延びて、かつ珀鉛病を伝染させることなく、死ぬこともなく生きた存在がいるという。その真実を男にまざまざと見せつける存在が怖かったってことです。つまり珀鉛病は伝染しない。自分は罪のない人を殺したって事実を突きつけられるのが怖いんです。その存在を認めたくないのです。

血に塗れた町で、たった一人生きたはずだ。死体だらけのあの町を一人彷徨ったはずだ。死体の山を見たはずだ。男が撃ち殺した多くの遺体を見たはずだ。それらを見て、生きているのだ。それはもう、男にとっては耐え難い、恐ろしい化け物でしかない。

まぁでもやっぱり珀鉛病の真実がどうにせよ、自分の国の人間全員殺されたところを見て生き延びたんだから、男を恨んで然るべき存在なわけで、そりゃ普通に男は報復も恐れますわな。ってことです。

トラファルガー・ローは、ひどくあどけない顔で唖然と男を見ていた。手配書で見かける嘲笑も、眉間に寄る皺もなかった。ただ唖然と、こちらを見ていた。生まれたままの姿のように。子供のように。

ぽかーん、なロー君。そらこれにはロー君も驚きますわ。っていう。

「あどけない」って言葉はなんか「笑顔」って単語が続きそうで表現迷ったんですが、まぁ笑顔は当然なく、すごく純粋な、子供のようなって意味で書いてます。あのいつも難しそうなロー君が、本当にただただ唖然と男を見るっていう。それほどまでに衝撃的だったっていう。好きなシーンです。映像で見だい゛!!

仲間である海賊達は皆静かにそれを見届けている。誰もが、トラファルガー・ローの動きを静観している。

それが当たり前であるように。それが当然の権利であるように。今のこの場を、全てトラファルガー・ローの意のままにすべきと黙している。

(あぁ……畜生)

男は胸の内で再び化け物を罵る。

今この瞬間、誰もがあの化け物が正しいと思っている。男が間違っていて、男が排除されるのが世界の理であるかのように思っている。

あの時と立場が逆転していた。

こんなのはおかしい。だが、男はそれをどこか納得していた。だってあの子供はあの地獄を生きて死神になって帰ってきてしまったのだから。その権利が、彼にはあるのだと。

本当は真実に気付いている男パート何個目だろシーン。

自分の信じていた世界のほうが間違っていた。それはローが生きて帰ってきたことが証明している。ってことですな! でもどうしても常にどこかそれを認められなくて死神だとかなんとか言っちゃうんだよ。

「赦しが欲しいのか?」

静まり返ったこの空間で、死神の落ち着いた低い声はやけに甘く響く。

「それとも、罰が?」

ひゅ、と再び息を呑み、男は膝をついた。だらりと両腕を垂らし、弾を失った銃がガチャンと地面に落ちる。

男はただただ死神を見上げた。全てを曝け出すように天を仰ぐその姿は、全ての罪を明かし神からの言葉を待つ信者のようであった。

あぁ、断罪される。とうとう、この時が来たのだ。男はそう思った。

お気に入りシーン。

どっちにしても、逃げ続ける地獄から解放してくれる甘言。神谷氏のあのイケボでこんなこと囁かれたら昇天しそうだぜ……。神谷氏の独特の低いあの声、すごいどこか甘みを持っててフェロモン出てますよね。二つの意味で甘く響くです!!!!!

「神なんかいねェよ」

トラファルガー・ローは、そういい捨てた。

「赦しも、裁きもない」

それだけ言って、彼は態勢を戻していく。何をするでもなくすぅっと男から離れて行き、そして、男に背を向けた。

男は唖然としていた。何の感情も沸いて出てこなかった。頭が真っ白だった。離れていく彼の背を、ただ見ていることしかできなかった。どこか、縋るように見ていた。

救いを求めて死神にすら縋る男に、そんな甘い助けなんざねぇよバーカって突き放したシーンです。とことん真実を、現実を突き付けていくスタイル。妄想に逃がしやしねぇぜ!! 死神とか悪魔とかモンスターとかから、トラファルガー・ローって変わるっていうありきたりかもしれないけれど地味に気に入っている描写です。

「父様と母様は、最期に、何か言っていたか?」

ざわ、と、男の体に寒気が走った。

今まで真っ白だった頭が、恐怖で埋め尽くされる。

怖い。怖くて仕方ない。

トラファルガー・ローは、未だに恨みも怒りも憎しみも向けることなく、淡々とした静かな表情をこちらに向けている。

不気味なくらい、静かな表情をこちらに向けている。

面影の残る顔で。

よく似ている。父親に。

どうしてそんな顔ができるんだ。

あぁ、怖い、怖い怖い怖い怖い怖い

ロー君はめちゃくちゃ純粋に聞いてるんですけどね、ここはw

せっかくだから、両親の最後の言葉聞きたいなぁーっていう。本当に純粋な感情から出た言葉だったんですよ。実はw きっとこの人からしか聞けないから。

男にとっては、モンスターであるはずの存在が人間に見えてしまったっていう、これまた真実を突き付けるあのひと時を思い出せって言われたようで。もうやめてよぉおおおって感じです。お前らはモンスターのはずだろ、そんな顔で見ないでよぉおおおっていう。

「言った通り、これは情けでも赦しでもない」

眉を寄せ、ローは笑う。哀れんでいるようにも、嘲笑しているようにも見える。色んな感情が入り混じった笑みだった。

「一思いに殺された方が、あの男にとって救いだっただろう。おれは、それをしなかったんだからな」

ローはそう言って笑った。

この場で叫んでいた男の言葉が蘇る。

いっそ殺してやるべきだった。あの地獄に一人放り出した方がよほど可哀想であると。そう叫んでいた、男の言葉が。

ローは遠く離れた小さな小屋へと目を向ける。

あの男は、きっと、気づいている。

あと男の狂い具合とか様子からなんとなく、ローは彼が真実に気付いているのでは、ってわかってたので、放っておこうって結論付けてます。男がローを撃てなかったのは男の情によるものだということもわかっていますしね。あの告解室もまた、それをまざまざと語っています。

だからって赦すつもりは当然なく。かといって殺したいとも思わない。

あの地獄の世界を歩かされたことは、立場は違えど双方の共通点。そしてどちらも、あの地獄で生きるぐらいであればいっそ死んだほうがマシだと何度も思いながら生きてきたんじゃないかなって感じです。

だからどこか共感もあるってイメージで書いてます。あー、わかるわかるって感じのw 同じ苦しみを味わった同類でもありーのです。

男は別にローが断罪せずとも勝手に苦しんでるから、どこかで同情も覚えつつ、でも嘲笑もしつつ、でも自分を見ているようだとも思いつつ、世界に踊らされた哀れでちっぽけな存在だとも思いつつ。ここはかなり複雑な感情もってそうですねー。私の文才じゃ書ききれまテン。

「おれは酒が飲みてェ」

いつの間にか密やかに閉められていた食堂のドアがローによって再び開かれる。ドアの向こうで跳ね上がる心臓を必死に抑えていた店主がまた情けない声を上げた。

そら酒も飲みたくなるよなぁ! っていうのと同時に、あの男から両親の最後の言葉、聞けるかな。なんてちょっと思って待つことにしたロー君です。多分同時に、あの男がどういう答えを出すのだろうかってのもちょっと興味あるんじゃないかな。なんて。

食堂の店主ちゃんは今作のちょっとしたマスコット。

あの海賊に追い回されていると、長年思い続けていた。しかし、不思議ともう、あの海賊が自分を追うことはないと思う。

トラファルガー・ローは男に対し執着を持っていない。

それは男にとって嬉しいことのはずだった。この苦しみ続けた十六年からの開放のはずだった。

しかし、男が感じたのは――神から見放されたような、底知れぬ不安だった。

男の罪を知っているのは、理解できるのは、トラファルガー・ローただ一人なのだ。

被害妄想から覚めつつあるモブ男君。そらそうだよ、ロー君最初から君の存在なんて知らなんだよ!!w

でも男を長年苛み続ける罪と決別するのに、きっとロー君の存在はもう必要不可欠になってるんですよね。男にとって。その存在を否定するならば殺したいし、認めるならば、彼に罰して欲しかったでしょう。宙ぶらりんで居続けることは、男にとってあの十六年前の地獄をさまよい続けることと同じことじゃないかな。なんて。

『父様と母様は、最期に、何か言っていたか?』

恐ろしく感じていたはずの言葉が、このときはすっと男の中に入ってきた。恐ろしさから消し去ろうとしていた景色が、ありのままに蘇る。

あの子供は、怒りも恨みも見せず、ただ純粋に、男に問いかけていた。

男は知っている。男だけが知っている。

赦しも罰も与えなかったあのときの子供が、唯一男に望んだことだ。

これを伝えることが男にとってのせめてもの罪滅ぼしです。まだどこか男は無自覚ですけど。

ローはそれに口をつけた。こくりこくりと彼の喉が動く。一度グラスから離れた口の端が、僅かに上がった。何に対して笑ったのだろうか。――ナミには、自嘲の笑みに見えた。

本当に、この一本の酒だけで今回のことを終わらせるに足るのだろうか。船にある酒を持ってくるべきだろうか。

色々考えてみるも、今回の件は自分たちが口出しできる範疇を超えているという結論に至って、ナミはただ、酒が減っていくのを眺めていることしかできなかった。

ゆっくりではあるが、着実に減っていくワイン。

きっとどんな酒よりも重く胸が焼けそうなものだろうに。どうしてこうも淡々と飲み続けられるのか。見ているこちらの方が胸が苦しくなる。

この酒を飲み干すまでは待ってみようって思ってるロー君。あんな男を待つ自分に嘲笑もしつつ。どこかで期待してしまうロー君。

両親の最期の言葉、聞けるなら聞いておきたいよなぁ……(遠い目)

「『お願い、子供たちだけは見逃して』と、言った。それが、最期だ」

ありきたりな言葉だ。どこにでも転がってそうな言葉。私の故郷にも、それを言いそうな仲睦まじい親子がいた。よく挨拶をした。どこぞやの小説にも泣ける話として紡がれていそうな、本当にありきたりの言葉。それに魂を込めて、アレは、あの女性は、言っていた。

だから、そんな言葉を聞いてしまったから――

珀鉛病は伝染しないのだと、必死に訴える夫の言葉に揺さぶられ、そして人としてのあまりに身近な愛情をその妻から見せつけられ。それはあまりに身近で、隣人と変わらなくて、つまりそれは、彼らはモンスターではなく、自分たちと同じ存在なのだと認めてしまうことで。ってわけで。

ほかの人間を殺す時もそうだったけれど、珀鉛病とずっと向き合ってきたという医者夫婦の殺害にどうしようもなく男は揺さぶられちゃったんですよね。

「父様と母様が、おれを守ってくれたからだ」

トラファルガー・ローは目を伏せて、静かに笑って、そう言った。

お気に入りシーン。

男にとっては、モンスターが自分を騙そうとして言っていた言葉。でも、ローにとってはどこまでも温かく、自分を守ろうと戦ってくれた愛に満ちた言葉。この格差というか、ころんっとひっくり返った感じ。我ながら好き。

私はあの日の子供の、この表情が見たくてここに来たのだと。

その素直な感覚だけはどうしようとひっくり返せない確かな芯となって男の心にあった。

お気に入りパート2。ようはまぁ罪滅ぼしなんだけどね。結局情には勝てないんだなぁ。みつを。

「私は、……罪のない人々をっ……殺し、ました……」

蚊が鳴くような声で、喉を締め付けられながらもそう言って、男は地面に額をつけて泣いた。


十六年を経て、男はようやく告解できた。

あのロー君の名前が一行しか出てこないくそながい1ページ目は、これを書くためだけに書いてたんだよぉ!!!!!

っていう。

やっと認めることができて、告解できてよかったねモブ男君!!

彼はようやく狂気の日々から抜け出すことができるようになるかなと。

そしてもし、いつか珀鉛病の真実をめぐり世界と対決する日が来たら、彼はロー君を助けてくれるんじゃないかな。なんて思います。

やーこんな誰得な語りをもし最後までご覧くださった方、いらっしゃったら本当にありがとうございます! へっへっへーw 語るの楽しかったー。

どうですかねー。伝わってましたかね~~~~!

Comment

  1. ゆず より:

    このコメントは管理者だけが見ることができます

    • 内緒 より:

      わぁい! コメントありがとうございますっ! ありがとうございます~~!

  2. 匿名 より:

    このコメントは管理者だけが見ることができます

    • 内緒 より:

      初めまして! こんな辺境の地の自小説語り場にまで来てくださり、感想まで残して下さって、もう感無量でございます……っ! ありがとうございます……っっ!
      えへえへ。ロー君といえばコラさんとの繋がりがとてもとても妄想しがいのある、すごくイイキャラなのですが、白い町でのお話でも、ほんといくらでも掘り下げられて、本当にカッコよくて冷静冷徹なのにどこかで情という芯を残す本当に良いキャラですよね……っ! 大好きです……っ! ようこそ沼へ!!w (両足をひっ捕まえて沈めたい!)私のお話でそう感じて頂けてめちゃくちゃ光栄です!
      そういえばうっかりすっかり書き忘れてましたが、脳内ではDR後の設定なので、センゴクさんからの「受けた愛に理由をつけるな」という神助言をもらった上で、だからこそ人からの愛を真っすぐ、そして大切に受け入れられるローさんなイメージです。やっぱりコラさんの愛は偉大であった……!

      最後のシーンは一番の見せ場になりますので、気に入って頂けて嬉しいです~~! リアル第一声「はふぅ」はもう本当に最高の誉め言葉過ぎて、めちゃくちゃ嬉しくて頬っぺた熱くなりました///
      こちらこそ素敵な感想を下さりありがとうございますっ! 書いてUPって良かったって、もうほんとうに嬉しいですっ!