【NARUTO】十尾 – 3 –

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眠い。これでラストォ。ギャグパートやっとはいるよ。

頭が痛い。くらくらする。あれ、今俺を殴ったのって誰?

ゆっくりと上半身を起こすと、ナルトはカカシとサクラの後姿を見つける。でも二人とも吹っ飛ばされてきたナルトに気遣いの目を向けることなく、ナルトが吹っ飛んできた方角へと視線を向け続けている。
カカシとサクラの奥へと視点をあわせれば、そこには、十本もある尾をゆらめかせながらいつも以上に髪を立たせ更にその合間に細長い耳をつけた人の形がいた。要するに、九尾ナルトの尾と耳だけ残して体ちゃんと残ってますバージョン。つまり十尾の擬人化。って擬人化は擬人化でもその人の姿が大問題だった。

カカシとサクラの二人と同じように、ナルトは目を大きく、口は閉じれないままに唖然とその姿を見つめる。
そんな三名の心底の驚きなど気にも留めず、その人は怒りをぶちまけ続けるのだ。

「てめぇ……人が守ってやってるのをいいことに調子に乗りやがって……!俺だって好きでこんな姿になったわけじゃねぇし不貞寝なり自己封印なりでさっさと眠りに就きたかったのにいつまで経ってもドベは無謀行動し続けやがるから碌に眠れやしねぇ!!!てめぇ何て認めるんじゃなかったクソがっ!!!」

それは十尾が勝手にその姿へと変えたとはとても思えないくらいに、亡くした彼にそっくりだった。荒くなった口調や性格も、何もかも、きれいな容姿まで、全て。

「サ……スケ……?」
「アァ!?」
「あ、えっと……サスケ……?」
「ふざけんなよこのドベ!ふざけんな理不尽だ連呼したいのはこっちなんだよ!! せっかく全て終えれたんだと思ったのになんだこのザマは!てめぇどんだけ俺の安眠妨害したと思ってやがんだ!?何が俺は無敵だ。だ!聞いてて恥ずかしいんだよウスラトンカチ!」

相当ご立腹の様子なその人は感動の再開なんて放り投げて自分の言いたいことを言うと相当悔しいのか目に涙を滲ませて四散した。その散ったチャクラはまたナルトの中へと流れ込んでいくのだ。

頭を打ったついでに見た幻想のようにも思えた。でも固まり続けていたカカシとサクラがわずかな希望に顔を綻ばせナルトのほうへと振り向くのだ。
夢なんかじゃない、幻想でもない!
ナルトの顔に大戦以来始めて希望に満ちた光が差した。

あの大戦以来元々九尾の檻があった自分の中にもぐりこんで居ない。入ろうとすると拒絶されるような感覚がして、以来まったく入る気になれなかった。その場所へと入ってみれば、そこはずいぶんと様変わりしていた。
紅い門は乱暴に開け放たれたままで口を開けている。檻などではなく、きれいな住居のようだ。幾重もの鳥居。神が住まう場所のような空間だった。
その奥に、完全に機嫌を損ねてしまったその人は尾を全部立たせながら胡坐をかいた片足に腕を支え、その手に頬を乗せてナルトと正反対の方をにらみつけていた。
十の尾を掻き分け背後に立ち、ナルトは間に一本邪魔するように入ってきた尻尾ごとサスケを抱きしめた。

「うぜぇ」
「ごめん」
「離せよ」
「ごめん、ごめんな、サスケ。ごめん。気づかなくって、ごめん」
「まったくだ。てめぇ散々俺のことを許さねぇだの何だのほざいてたくせに」
「ごめん。全部俺が悪いってば。サスケは悪くねぇ」

サスケを何発もぶん殴ってやりたかった想いは全部消えた。全部俺が悪かった。それでいい。だって、サスケはここにいる。ここに生きてた。

「こんなかわええ格好になって、何?お前ってば十尾になったの?」
「うるせぇ………」

相当ご立腹サスケさん。
そして何を書こうとしていたのかさっぱり忘れてしまったので一度ここまで!
何かしゃべらせたいことがあった気がするんだよなぁ……寝ながら思い出そう。

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