ナナリーが坊ちゃんに同情して泣いちゃう話

TOD2小話
この記事は約9分で読めます。

パチパチありがとござますっ!誰か読んでくれてる人がいるっていうのはやっぱいいもんですねムヘヘヘヘヘw
唐突に受信したナナリーが坊ちゃんに同情して泣いちゃう話を置いていきます。
またカトレット関係です。はい。
割られた天秤で皆ジューダスの過去をしゃぶりつくすくらい見た後って設定。
割られた天秤って何よ!?って人へ ゴミ箱の中に入っているエルレインが嫌がらせでリオンの一生をカイル一行にぜーんぶ見せ付けたお話だよ!
唐突に妄想したカトレット話の派生ですね。
もしあの場に仲間が居たら、一番喜ぶのナナリーだろうなぁっていう妄想ふわふわ飛び上がって出来たやつ
天秤のラストは無理やり感半端なかったから、これを続けて、ラストカトレット話オチにしてもいいかもしれんね。ルーティとの再開オチ。え?散り行き帰るはと被ってるって?ま、いいじゃん!!!!仕方ないね!ジューダスにとってルーティってラスボス的存在じゃん!!
血が繋がっていれば無条件で家族になれるわけじゃない
って言葉が思いのほかハマッたので(自分で言うのもなんですがww)もう超絶切ないからこれ聞いて アァアアアアアアア(涙) ってなるナナリーの話が書きたかった。


エルレインの嫌がらせとも言える歴史改変の修正を終えてから一週間。
ナナリーはずっと胸の中に抱いていた思いを、一人宿屋の一室に残るジューダスにぶつけた。
「ねぇ、ジューダス。あんた……ルーティさんに会いに行かなくていいのかい?」
「……」
読んでいた本のページを捲るジューダスの右手がピクリと反応する。
全てを明かされても尚仮面を外さない仲間にナナリーは眉を寄せながら更に続ける。
「話さないといけないこと、沢山あるんじゃないのかい?」
「……」
ナナリーの脳裏には、改変された世界を修復する際に見せられたリオン・マグナス……エミリオ・カトレットの一生がぐるぐると回っている。エミリオ・カトレットとルーティ・カトレットの、あまりに悲しい関係と別れが胸を抉るような痛みをナナリーに与えた。
ルーが生きていたならばジューダスと同じ年頃だ。笑うことのない少年をナナリーは出会った当初から気にかけていた。
彼の全てを知った今、姉弟の大切さを知っている身としては黙ってはいられなかった。
「謝らないと、とは……思っている」
ジューダスは本に書かれる字を追うのを止め、消えそうな声で言う。
「だが……」
「今更合わせる顔がないって?」
「……」
沈黙は肯定だった。
「そんなこと、無いと思うよ?だって、姉弟じゃないか。あたしは、今でも、もしルーに会える奇跡があったとしたら、嬉しいよ。例え喧嘩別れしてたとしてもね。いや、だからこそ」
「……喧嘩、で……済むようなことじゃ、ない……」
血を吐くような声で言うジューダスにナナリーは言葉を止めて沈黙した。事実、喧嘩なんて軽い言葉で済ませられる話ではない。そのことはナナリーも十分わかっている。だが、その重みが原因で会えないというのなら、言葉だけででも軽くしてやりたかった。
「僕とあいつの関係は、お前とルーの関係とは違う」
「……そりゃ、複雑だってのはわかってるけどさ」
喉が締め付けられそうな切なさをナナリーは感じた。彼ら姉弟の悲しい関係は、一言では到底表せない。
ジューダスは本を読んでいたときの体制のまま、膝に開いて置かれた本へと視線を落としている。ナナリーの方を見ることはなく、言葉を続ける。
「僕は、あいつに血縁を明かしたことを後悔している。……あいつに、詫びないといけないと思っている」
長く目を瞑り、ジューダスは言った。懺悔しているかのようだった。
海底洞窟で彼が告げたルーティとの血縁関係。あの時、彼が何も言わなければルーティはきっと傷つかなかっただろう。隠し切るべきだったのだと、彼は悔やんでいる。
ナナリーは首を横に振った。
「……そんな、悲しいこと言うんじゃないよ。家族なんだから」
一人、姉の存在を知った彼が姉を求めて孤児院へと赴いた姿を覚えている。受け入れてもらえないのではという恐怖に打ちのめされ、何も告げずに帰る寂しく小さい背中を覚えている。ジューダスはルーティに家族としての愛情を求めていたはずだ。それは、間違ったことではないと、ナナリーは思う。
「ナナリー、もう一度言うが、僕とあいつの関係と、お前の思う関係は、違う」
ジューダスは瞑っていた目を開けた。
「……ナナリーとルーは、姉弟だ。家族だ」
「あぁ」
「ロニとカイルも、兄弟で、家族だ」
「……そうだね」
「僕とルーティは、血縁上は姉弟だが、実際はそうではなかった。あいつは捨てられて、一人で育ってきた。ルーティが血縁関係を知ったのは、極僅かな時間だ。そのとき、僕はあいつに剣を向けていた」
「……」
「家族とは、そういうものではないだろう……?」
ナナリーの胸に濁った不透明な感情がぐるぐると渦巻く。
そうだ。その通りだ。だけれど、違う。そう言いたい。そんなめちゃくちゃな感情の中、ただただ胸が痛んだ。それは、全てを諦め達観しているように言うジューダスが、過去誰よりもその事実に苦しみ悲しんでいたことを知っているからだ。その思いに共感したナナリーは、どうかそれが事実ではないと言いたかった。一人で抱え込んできた少年の孤独を癒す愛情を同じように求めていた。
「血が繋がっていたら、無条件で家族になれるわけじゃない」
「……っ!」
きっぱりと、そう言い放ったジューダスに、ナナリーはもう我慢ができなかった。
ジューダスへと突進するように駆け寄り、ぎゅう、と抱きしめた。ジューダスの膝から滑り落ちた本がパタンと音を立てる。
「ど、うした……ナナリー?おい……離せ……」
「……っ」
「ナナリー?」
ひくひくと、ナナリーの体は本人の意思に反して跳ねる。嗚咽が止められない。
「何故、泣いている……」
二の腕ごと抱きしめられたジューダスは下手に動けず困ったようにナナリーの顔を見ようとする。だが肩に顔を埋めた彼女の表情を見ることは適わない。
「……離せ……泣くな……困る」
いつも強気な彼女が泣いている姿をジューダスは始めて見た。
「ナナリー……」
「おーい、ナナリー?」
困惑していたところ、部屋の外からロニの声が届く。すぐ近くだ。
ナナリーは慌ててジューダスを離し、ドアに背を向けて目を擦ったが、扉はすぐさま開けられた。とてもごまかせるような状況ではなかった。
「お、い……どうしたんだ?」
「……」
「何があったんだ?ジューダス」
未だに嗚咽が続き、目を擦るナナリーと、困ったようにロニを見るジューダス。ロニはまさかの状況に目を丸めた。
「ごめ、……あたしが、勝手に……悪かったね、ジューダス。……ちょっと、頭冷やしてくるよ」
扉の前で唖然としていたロニを押しのけ、ナナリーは走り去る。そんな彼女の背中を暫く見ていたロニは表情をやや硬くしてジューダスを見た。
「おい、何があったんだよ」
「……ルーティに会わないのかと言われた」
思わぬ返しにロニは息を詰める。最初はナナリーの傷に触れるような問題だと思ったのだが、この話題はジューダスにとっての傷に触る内容だ。ロニはどんな顔をすればいいのか困りながら声を和らげた。
「……ん、それで?」
「わからない……泣かせるようなことを、言った覚えはない」
ジューダスは困ったように言う。ロニはボリボリと頭を掻いた。
「んーまぁ、ナナリーは俺がちょっと見てくるからよ」
「……すまない」
小さな謝罪の言葉を背に、ロニは部屋の扉を閉めてナナリーを探した。
ナナリーは宿屋の裏側に壁に凭れていた。ロニが彼女を探すのに2分とかからなかった。
「おい、ナナリー?」
「あー……やっちまった」
今はもう立ち直ったようで、ナナリーは頭の手を当てながら言う。その目に涙の跡はもうない。
「大丈夫か?」
「うん。ちょっと感情的になっちまった」
「何があったんだよ」
ロニはナナリーと同じように彼女の隣で壁に凭れて両腕を組んだ。ナナリーがずるずると背中を擦らせながら地面に座り込み、立てた膝を腕で抱え込む。まだ様子のおかしいナナリーにロニは眉を寄せながら彼女の頭部を見ていた。
「……あの子の過去がさ、やっぱ重いよ」
「……」
やがて呟かれた言葉に、ロニは沈黙する。
リオン・マグナスの一生は、エルレインが言う通り、神でなければ救えない程に悲しいものだった。だが、だからといって必死に彼が築いた一生を他人が勝手に改変することは許せない。そう結論付けて、カイルらは歴史の修正を行った。神に頼るつもりは欠片もないが、それでもあの一生は見ているだけでも胸が痛いものだった。
「あの子にね、家族なんだから、会ってあげた方がルーティさんも喜ぶんじゃないかいって、勝手なこと言っちまってさ」
「勝手?」
「うん。自分のことに置き換えて、考えちゃって、……ちゃんと理解できてなかった」
ナナリーは深く溜息を吐いた。
「血が繋がってるからって、無条件で家族になれるわけじゃないって、さ」
ジューダスが告げた言葉を、もう一度ナナリーは口にする。ナナリーの胸を抉った痛みが、ロニにも襲った。
「それがさ、すっごく悲しくて」
「……あぁ」
「そんなことないって言ってあげたかったんだけどさ、できなくってさ……」
殆どの一般家庭が、両親に愛でられて育つ。同じ家庭に生まれた兄弟とは切っても切れない縁となり、かけがえのない絆で結ばれる。
だが、ジューダスはそうではなかった。
周りの人間が当たり前に受け取っている愛を求めて、血の繋がりから愛情を求めて生きていた。だが、彼の父親はミクトランに操られ、愛情ではなく駒として生きる運命を与えられた。その事実を知らない彼はただ運命に翻弄されていた。
本来ならば与えられるものだ。受け取って当然の愛情だ。そう一般人がどれだけ言ってみせたとて、彼が求めた愛情が彼の元に訪れることは決してないのだ。
「何も言えない自分にも腹が立っちまったよ」
ナナリーは自嘲した。悲しい言葉を否定したくてもできない自分に、傷ついている仲間を助けてあげられない事実に、傷ついている彼に、悲しくなって涙が止められなかったのだ。
「実際にさ、生き別れで……その存在をずっと知らずに生きてきて、突然血縁だって言われて、どこまで受け入れられるんだろうね」
ナナリーが呟く。ロニは空を仰いだ。脳裏に浮かんだのは、引き取られたばかりのデュナミス孤児院の日々だ。
「……簡単には受け入れられねぇよ」
「……そうだよね」
ロニの場合は血縁のない人たちに今日から家族だと言われた。変わった環境と血の繋がらない家族を受け入れられなかった時期がある。それでも、長い年月を経て、ずっと温かく本気で接してくれたから家族になれたのだ。
幼少のリオン・マグナスがあまりに不確かな未来の姉より、少なくとも居場所が保障されるヒューゴと、母の面影を感じるマリアンを選ぶのは仕方ないこととも言えよう。
「あの子の、あの深い傷が、あたし達では癒してあげられないってのが、悔しくて仕方ないよ」
「……」
家族の愛情をずっと求めた彼が報われるには、彼の家族が彼に愛情を注がなければならない。それは、他人がどうこう言える問題ではない。
だからといって、何も出来ないわけでもないはずだ、とロニは思う。
「抜けた穴とまんま同じものを埋めることはできねぇだろうけどよ、でも、違うもんで補うことだって出来るはずだ」
実の親を亡くした傷の痛みを、スタンとルーティのおかげで忘れていられたように。
ロニはナナリーの方を見る。彼女だってわかるはずだ。ルーを亡くしてからも、ホープタウンの家族達が居てくれたことで救われたことが沢山あるはずだ。そう、思って。
「そうやって、気づいたら傷が癒えてることもあるんじゃねぇか」
「……そうだね」
「焦んなよ」
ナナリーは顔を上げ、無理やり笑みを浮かべた。
「ん。悪かったね、気を使わせて」
ロニもその笑みに答えて笑う。
「ジューダスすっげー困った顔してたぞ」
「はは、謝らないとね」
■おじまい!
やまもおちもないよ!意味は僕が萌えるってだけ!
リオンの報われない片思いはマジ切ない。ヒューゴへの思いしかり、ルーティへの思いしかり、マリアンへの思いしかり。
……内緒の中のリオンはマリアンへの思いは家族愛が強いので原作とちょと異なって片思いとまではいかないかも。
内緒の中のリオンは「マリアンとセッ○スしたいわけ?」って聞いたら「そんな汚らわしい思いじゃない!!」って怒りそうなんだもn。いやこれ内緒が腐ってるせいですよね。誰かを抱くジューダスちゃんが想像できないの。抱かれry
この後ルーティに受け入れられることでリオンの家族愛的片思いが報われたらナナリー号泣すると思う^p^可愛い
ジューダスちゃんをどろっどろの愛情でかこませてあげたい。心配されジューダス、助けられジューダス、囲われジューダスハフハフムフーンwww

Comment