【TOD2】 dive 続き – 05 –

diveTOD2
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拍手ありがとうございますっ(///)いつもよりパチ数多くてびっくりしましたw
大人×子供が好きな僕としてはナナジュも余裕で大好き圏内です。ナナリーが姉御肌で心配したり可愛がったりするのいいですよねぇえええむひぇえええ^p^
ではではdiveの続きです。
第四階層はものごっつい分かりやすい状況だったと思うので特に設定とか書くことないです!大体誰かがちゃんと言ってたんじゃないっけ!わからない感じになってたら内緒の文才の無さのせいですね/(^o^)\


村の広場、処刑台のある場所まで辿り着く。既に処刑台の周りに住民が集まり始めていた。
「まさか、リオン・マグナスがまだ生きていたとはな」
「世界をめちゃくちゃにしたっていうのに、のうのうと生きていたなんて!」
「許せない……俺は故郷を失ったっていうのに!」
ざわざわと、至る所から聞こえてくる悪意の言葉に喉を締め付けられるような気分になった。
前回着たときは曖昧だった批判の声が、あまりにも現実味を帯びた恨み言へと変わっていた。外郭によって町を失った人、家族を失った人、その恐怖に見舞われた思い、苦しんだ者、その近しい人、誰もがリオン・マグナスのことを恨んでいる。
俺も昔は、そうだった。リオンがジューダスと知る間際まで、リオンとはそういう感情をぶつける相手なのだと思っていた。
彼らの思いは、正しいと思う。もしもリオン・マグナスが生きていることが大々的に知られたら、きっと世間は彼を許しはしないだろう。
俺はそれでも、俺の知るジューダスを信じ助ける為にここに来た。だが、前回は意味が全く分からなかった住民達の言葉が、すべて重みを持って圧し掛かってくる。思いも寄らぬ重みだった。俺が昔抱えていたからこそ、わかる重みだった。
「ねぇ、あなたは聞いた?リオン・マグナスが生きていたんですって!」
「この町に入り込んでいたなんて!」
「あんな大罪人が、生きているなんて許されない!」
「処刑を!」
「早く!」
「死刑にするんだ!」
「殺せ!」
大勢の人間が処刑台に向かって悪意を呟いている。足元が不安定になるような、底知れぬ恐怖が込み上げてくる。
ジューダスは、エルレインに甦らされ、この世界を旅して、どう思ったのだろうか。至る所に彼を罵る言葉が落ちているこの世界を、どう受け入れたというのだろうか。ジューダスは俺の時代の歴史や地理について詳しかった。あいつはよく本を読んでいるから、そこから学んできたのだろう。その最中、どれだけ自分への悪意を見ただろうか。
それでも尚、エルレインの手を取らず、ジューダスはこの歴史を受け入れている。
「リオン・マグナスはまだか?」
「処刑はまだか」
「早くしろ!」
「早く、早く!」
「一刻も早く!」
あぁ、煩せぇ……くそ、お前らは、何も知らない癖に。畜生。
ジューダスは、何度も俺達を助けてくれた。俺達に真摯に向き合ってくれた。そして一人でずっと苦しみを背負い込んでいた。そんなこいつを許してやりたい、その苦しみから助けてやりたい。だが、世間一般からして、リオンは許されない存在なのは、消せない事実だ。住民達の声が、煩わしくて仕方がない。
何も知らないで恨みだけぶつけるのは、楽でいいよな。そう妬まずには居られなかった。相反する思いが胸を渦巻いて、苦しい。宿屋へ向かわないといけない足は動かない。拳を振るわせ、動かない足を、睨みつけることしかできなかった。
ざわついていた住民達の声が突如消える。顔を上げたら、ジューダスが処刑台へ上がったところだった。彼は前回と違わず、拘束が一切されていない中、自らの足で処刑台の真ん中に立った。その顔に、あの骨の仮面はなかった。
「酬いを受けろ!」
男が一人、大声を上げたのをきっかけに、一気にその場に居る者たちから彼に恨み言が向かう。
ジューダスは無表情だった。ただ静かに住民達の言葉を受け入れていた。ふと、紫紺の瞳と、目が合う。今まで動じなかった瞳が、一瞬揺れた。
俺を見て、ジューダスが反応した。それだけで、今まで石になったのかと思うほど動かなかった足が、解放された。
「ジューダス!」
処刑台に上り、ジューダスの腕を引く。軽い体を無理やり抱き込んで俺は処刑台から降りた。海の中にぶち込まれるのはもう御免だ。苦しそうに胸を押さえるジューダスの姿は、もう見たくねぇ。
「……ロニ」
仮面に遮られないジューダスの顔が困惑と不安を帯びて俺を見上げる。あぁ、この顔だ。俺はずっとこの顔を変えてやりたくて仕方ないんだ。
「ロニ!何をしているんだ!」
「そいつはリオン・マグナスなんだぞ!?」
「あなたの両親が死んだのも、そいつのせいなのよ!」
住民達の声が、一気に大きくなる。
「煩せぇ!!」
俺は感情のままに叫んだ。そこら中から聞こえていた批難の声が小さくなる。
大きく息を吸う。俺は、大嘘を吐く覚悟を決めた。第一、この世界も嘘っぱちだ。もしもの世界なんて、知るものか。
「いいか!人違いだ!!」
広間に響き渡る声で叫んだ。腕の中で、ジューダスが身動ぎする。
「……は?」
「こいつはリオン・マグナスなんかじゃない!」
大きく腕を振りかぶり叫ぶ。
「こいつはジューダスだ!リオンは十八年前に死んだだろうが!」
「ロニ!」
咎めるように声を上げたジューダスの口を塞ぎ、頭を腕で抱き込み胸に押さえつけた。息苦しいだろうが、今は黙っていて欲しい。
「リオンなんて知るかよ!こいつはジューダスだ!町の警備をして、慣れないながらも子守りして、剣の腕があほだら良くて、俺やカイルを何度も助けてくれた。こいつはジューダスなんだよ!」
戸惑う住民達は顔を見合わせ何を言っているか聞こえない程度の声でざわついている。俺はもう一押しとばかりに叫んだ。
「俺達の知るリオンは、ここにはいない!こいつじゃない!お前らは勘違いしてんだ!大体、リオンが生きてたらいいおっさんだろうが!こんな子供とっ捕まえて何言ってんだっての!」
広間には困惑と疑問だけが広がる。これで、いいんだ。今は、これで。現実世界でジューダスがリオンと知れたわけではない。
「ロニ……」
胸の辺りから篭った声が届く。俺はジューダスの肩をぽん、と叩いた。
「お前が黙ってりゃ誰もわかりゃしねぇんだよ。だったら、黙っとけ」
「……」
小さく囁き、俺は周囲に目配せする。皆困惑しているだけで、これ以上無理に処刑を望む様子はない。
「そんなわけで、こいつは返してもらうかんな!」
俺はゆっくり、住民達を睨みつけながら一歩一歩下がる。それでも無理やりこいつを奪おうとするなら、多少手荒な真似をしてでも逃げるつもりだった。
住民達のざわめきが、一気に途絶えた。そしてじっと俺とジューダスの方を見てくる。その顔は誰もが無表情で、身動ぎ一つせずにこちらをただ見ている。動く様子もない。突如人形と化したようだった。
「……」
その不気味な光景に唾を飲みながら、俺は更にゆっくり後退し、広間の住民達と結構な距離が開いたところで、ジューダスの手を引っ張り走り出した。ジューダスは大人しく腕をひっぱられながらついてきている。
振り返ってみるが、住民達が動き出す様子はない。ただ、じっと俺達を見ていた。
建物の陰に入り、完全に住民達の視線を遮断したところで、ようやく気が抜けた。大きく息を吐いてから、隣に立つジューダスを見る。いつもの無表情だったが瞳が揺れている。
「はーて、お前、仮面はどこにやったんだよ?」
「……宿屋に」
「んじゃ、宿屋行くぞ」
再びジューダスの腕を掴み、宿屋へと向かう。ジューダスは変わらず黙ってついてくる。
住民が全員広場に集まっていたからか、宿屋には誰も居ない。戻ってきて鉢合わせたらなんか、嫌だな。そんなことを思いながら前回ジューダスがいた一番奥の部屋へ入る。そこに骨の仮面はあった。それをとっ掴み、俺はジューダスへ渡す。
「ほら」
ジューダスは両手で仮面を受け取り、暫く俺を見ていた。俺はジューダスが仮面を被るのを黙って待つ。しばらくして、ジューダスは目を瞑り、ゆっくり仮面を被った。閉じられていた目が、仮面の奥でゆっくり開かれる。相変わらず変な仮面だけど、これが俺の知るジューダスだ。
「これで、お前は紛うことなきジューダスだよ」
何故か安堵して、俺は笑った。
「ロニ……」
「何度も言わせんなよ、俺はリオンなんて知らねぇよ。俺はお前を、ジューダスを信じてる。それだけだ。これからも、それは変わらねぇ。俺はリオンなんて知らないが、ジューダスのことはよく知ってる。お前は、悪ぶったお人好しってだけだ」
向かい合った状態でジューダスの両肩に手を置き、真っ直ぐ紫紺の瞳と向き合う。
「だから、お前も俺の言葉を信じろ」
ジューダスは目を逸らすことなく、俺の目を見て、言葉を受け取っていた。自分の言葉がしっかりジューダスに届いているのを実感できるのは初めてかもしれない。やっと、だ。やっと届いたんだ。
「お前の過去なんて俺は知らない、今のお前を俺は受け入れる。信じる。だから、お前の妄想とはいえ、勝手に俺にお前を殺させるようなことすんな」
「……ロニ」
ジューダスの目が伏せられ、ぎゅっと目を閉じる。苦悩の表情で、必死に何かを受け入れようとしている。俺はそれをじっと見ていた。やがて開かれた瞳が再び俺へと向けられる。拭いきれない苦悩はあれど、ジューダスの肩から力が抜け、薄い唇が弧を描く。ジューダスが、微笑んだ。どこか安心したような表情で
俺も釣られるように笑う。胸のうちから湧き上がる歓喜が、顔を真っ赤になったんじゃないかと思うくらい火照らせた。
俺の言葉は漸く届いた。そしてジューダスは、僅かとはいえ安堵した。ずっと俺が得たかったものだった。漸く、少しとはいえ、それが成せたのだ。あぁ、くそ。あんなに憎たらしい皮肉を口に出すこいつの微笑みの、なんて可愛らしいことか。やばい。すげぇやばい。やばい。
うろたえる俺の視界の端にあった窓が突然光る。窓の外から入り込む強い光は暫くして収まり、町から少し離れた遠い場所に光の柱が上がっているのが見えた。
「パラダイムシフトか!」
この階層も、無事クリアできたようだ。間違いなく、俺の言葉がジューダスに届いた証拠だ。
俺はジューダスを見た。ジューダスも俺を見た。にっと笑ってやったら、ジューダスは目を閉じて笑った。憑き物が取れたような顔だ。あぁ、硬かった殻がやっと割れた。
「行こうぜ!」
俺達は宿を出る。町の住民はどこへ行ったのやら、誰とすれ違うこともなかった。真っ直ぐ光の柱へ向かう。そこは小高い丘の上にあった。
「あ、ロニ!ジューダス!」
「カイル!」
丘にはナナリーとリアラとカイルが立っていた。旅の仲間が勢ぞろいだ。ここに、いたのか。
「遅いよ!ほら、早く行こう!」
前回訪れたときとは違い、今回のカイルは現実世界のカイルと全く同じように見えた。同じように笑って、ジューダスと俺を呼ぶ。よかった。あぁ、良かった。
「あぁ」
ジューダスが応える。仲間達が見守る中、ジューダスは光の柱へと入っていった。カイルも、リアラも、ナナリーも、そして俺も、それを笑顔で見届けた。
「ありがとう」
いつもの、狭間の世界だ。気づけば目の前にシャルティエが浮かんでいた。じんわりと、コアの部分が光り、シャルティエはそう告げた。
「……ありがとう」
もう一度、シャルティエは言った。俺は笑う。
「なんだ、お前がそうしおらしいと調子が狂うな」
「でも、本音だよ」
「はは……よせよ」
照れくさくて、シャルティエから視線をそらして鼻を掻いた。
「……現実でも、坊ちゃんのこと宜しくね」
「あ、あぁ」
「君と話すのは、もうこれで終わりかな?」
思わぬ言葉に、逸らしてた目をシャルティエへ戻す。
「いや、でもまだ深い階層、あるんだろ?」
「……でも、君の成したかったことはもう、成せたんじゃない?」
「そりゃ……ん……」
そうだ。俺はあいつの隠してるものを暴いて、それでもあいつを受け止めて、安心させたかった。やりたいことは、全て終えている。
「その……まぁ、とりあえずはな」
そうだ。終わったんだ。これ以上の階層はあれど、リアラもシャルティエも言ったように深層に行くほど誰しもがもつ人間の汚い感情とかもあるだろう。下手にそれに触れて今の関係が崩れるよりかは、現状が一番いい状態なんじゃないか。
「じゃあ、な。シャルティエ」
「うん。さようなら、ロニ」
そうして俺は現実へと戻された。

ロニが完全にジューダスに惚れたでござる。
はい、第四階層クリアです!この階層はロニの為の階層といっても過言ではないですw
重点は住民達から罪を誤魔化すことではなく、ロニがジューダスを受け入れるか否かにあります。
世界に対しての坊ちゃんの罪悪感は決して消えることなくずっと残るます。
第四階層はコスモスフィアの設定より、ロニの思考や感情の移り変わりを考えるのが超絶大変ですた。
未だにロニはリオンを受け入れてはいないんですよね。だって知らないもんねロニはリオンのこと。内緒が裏切りの理由知れないようにしたしwwwwwwただ、本にたった数行で書かれただけのリオンより、長い時間共にした自分の知るジューダスを信じるってことにしただけってことで。まぁ実際ゲーム上でもそんな感じじゃないでしょうか。
ロニは無理やりリオンを切り離して考えることで、とりあえず心の整理ができましたが、果たしてジューダスの内心はどうなっているんでしょうね^p^むひひーん
さて、ひとまず納得したロニさんを更にダイブさせるにはやっぱり恋心を自覚してもらう感じになるのかなー。
そこらへんノープランなので悩んできます^p^;;

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