拍手ありがとうございます!!
やっぱりコスモスフィアは楽しいですね!個人的に第四階層の滾りっぷりがたまらなかったので第五階層はちょっと物足りなく感じるのですが><それでも色々設定とかこまごまとしたところとか考えるのが楽しいです^p^全然生かしきれてないけれど!!!
ではでは、第五階層クリアまでです!
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カイルとリアラの二人と別れた場所からジューダスが居た場所の中間ぐらいに移動したところで、木の枝を踏むような音が聞こえた。誰かがいる、そう思うと同時に木の幹からリアラが姿を現した。
「リアラ……あれ、カイルは一緒じゃないのか?」
付近にカイルの姿はない。リアラは一度目を伏せて、それから無表情をこちらに向けた。
「ジューダスと、話をしにきたの」
不穏な気配が漂うが、話し合いができるというのならば好都合だ。
俺は一度ジューダスへ視線を向ける。ジューダスは無表情のまま黙ってリアラを見ていた。視線をリアラへ戻す。話をしにきたと言ったものの、何かを言い出す素振りもなくジューダスがどう出るかを伺っている様だ。
おいおい、話が進まない。俺は頭を掻きながらとりあえず切り出した。
「なぁ、リアラ。この世界は歴史改変が行われたんだろう?」
リアラが目を細めた。
「……何も、変わっているところなんてないわ。どこが変わったというの?」
「え?」
まさかここから話が食い違うことになるとは思わなかった。俺は説明を求めてジューダスを見る。
ジューダスはリアラの言葉を馬鹿にしたように鼻を鳴らした。
「リアラ。残念だがこのロニはお前の術の影響を受けない。カイルと違ってな。……神の手を、誤魔化すことはできない」
「……」
リアラが眉を寄せ、俺を見る。
「神の手って、なぁに?……そんなもの、どこにもないわ。神なんてこの世界にはいない。そうでしょう?ロニ」
「いや……」
よくわからないままに、俺は世界を鷲掴みにしている巨大な手へと視線を向けた。
ジューダスとリアラの会話のやり取りの意味が全くわからない。ただ、少なくともあの異様に綺麗で温度を感じさせない手は世界の端っこを掴んで今も存在している。
神の手へと向けていた視線をリアラに戻す。リアラは驚愕の表情を浮かべていた。
「……見えているの?……どうして」
「このロニはお前が晶術をかけたロニではないからな」
大きく見開かれていたリアラの目が再び細められる。
「そう……この世界の住人じゃないのね」
よくわからないが、こりゃあ雰囲気的に歴史改変が行われたこと、それをリアラが俺に誤魔化そうとしていたのは間違いなさそうだ。この世界の住人じゃないってのは、現実世界からダイブしていることに関してだろうか。
「リアラ……歴史が改変されているのは、間違いないんだよな?」
「……」
「間違いない。そしてそのことをこの世界の住人のほぼ全てが知覚出来ていない。そしてリアラは神の存在をカイルやお前に隠している。エルレインがいる神の手への場所を遮るように結界を張り、カイルやこの世界のお前に神の手を見ることが出来ないように晶術をかけた。そしてカイル達にこう言ったんだ。神はもういない、歴史改変の恐れはもうない、エルレインは人の力を信じたのだと、……そうしてカイル達は旅を終えてこの町でのんびり過ごしているというわけだ」
答えないリアラの変わりに、ジューダスがスラスラと説明した。
まさか、そんなことになっているとは。というか、随分とコスモスフィアの世界観が現実に近づいた気がする。世界の有様や町は変わらないが、俺達がエルレインを止める為に旅をした前提が新たに出来ている。今までは単純にヨウの世界に暮らしていただけだったというのに。
ジューダスの言っていることは、おそらく事実だ。リアラは取り繕うことなく無表情でジューダスの話を聞いている。
「……リアラ、本当なのか?……なぁ、エルレインに味方しているってのは、本当なのか?」
リアラは目を閉じ、レンズに手を当てた。
「本当よ」
「何でだよ……なんで歴史の修正を拒むんだ?!なんでエルレインなんかに……っ」
白い瞼がゆっくりと上がっていく。中から出てきた栗色の瞳が、少し揺れた。
「ねぇ、ロニ。ダメかしら?この世界は……これじゃ、本当にダメなのかしら」
思わず絶句する。改変された現代でも同じようなことを確かにリアラは言っていたが……いや、だからなのか?それが気がかりでこんな世界になっているのか?
リアラは更に問いかける。
「神様に助けを求めるのはそんなに悪いことかしら。神様が皆を助けるのは、そんなに悪いことなのかしら」
「そういう問題じゃねぇだろ……エルレインがその為に今まで何をしてきたか、お前だって一緒に見てきただろうが!」
フィリアさんとウッドロウさんをバルバトスに襲わせ、俺達の世界や歴史を消す歴史改変を行った。そんな奴を野放しに出来るわけがない。いつ何時また同じことをされるか分からないというのに。
思わず声を荒げてしまった俺に対し、リアラは淡々と告げる。
「神を完全な形で降臨させるには必要なことなのよ」
「おい、リアラ!?」
「大丈夫よ。カイルやロニやジューダスは消させない。カイル達の大切な人も消させないわ。……ただ、皆、神様のことを認めてくれないと……信仰してくれないと……」
信じられない。マジかよ、本当に思考が完全にエルレインになってやがる!
「おいおいおい、何言ってるんだよリアラ!俺たちは自分の力で歩いていける!お前も人間の強さを認めてくれていたじゃねぇか!」
「……」
リアラの表情が僅かに、悲しげに歪んだ。完全にエルレインの思考になっているわけじゃない、まだリアラらしさを残しているように感じる。本当はまだエルレインのやり方は間違っていると思う心が残っているのかもしれない。
俺が更に説得しようと口を開く前に、リアラが視線をジューダスへと向けた。
「でも、ジューダスが生き返ったのは神様のおかげなのよ?」
考えていた説得の言葉の数々が、四散していった。
突かれたらめちゃくちゃ痛いところだった。これに関しては、俺は反論の余地が何もない。この言葉を、俺は否定できない。否定したら俺は……ジューダスの存在自体を否定してしまう。そんなことは、絶対に……っ
「ジューダスだって、心残りがあったでしょう?あんな死に方して……」
「っ!」
ジューダスが息を呑み、顔を歪めた。リアラはここぞとばかりに一歩足を踏み出して言う。
「悔いがあったのでしょう?だってエルレインは悔いを残して死んだ人を甦らせたんだもの」
「黙れっ!!」
木の葉を揺らさんばかりの大声を、ジューダスはあげた。物凄い怒りだ。だが、どこか悲鳴のようにも聞こえた。あまりの剣幕にリアラが言葉を無くし、前に出していた足がそのまま後ろへ下がった。
ジューダスは強くリアラを睨みつける。
「悔い?あんな死に方?それがどうした……その為に神の力を借りて騒乱の勝敗を逆転させろと?……僕を、愚弄するな」
「……っ」
騒乱の勝敗逆転?神の目を巡る騒乱のことか?そうか。エルレインがジューダスを生き返らせたのは歴史を改変する為か。バルバトスが天地戦争の勝敗逆転の為に暗躍したように、同じことをジューダスにやらせるつもりだったのか。
考えている間に、今度はリアラが悲鳴染みた声を上げる。
「……私は……どうしても叶えたいことがある……!その為には……絶対、神が必要なの!」
ペンダントのレンズを握り締め、前のめりになりながら全身で叫ぶ。追い詰められているようなリアラの姿に俺は困惑した。やはり何かただならぬ理由があるのか。
「僕は絶対に神を認めない。神を許さない」
どうすべきか考えあぐねている間にジューダスが一歩リアラへと近づく。
「リアラ……お前には悪いが、僕にも引けない理由があるんだ」
ジューダスの右手が、左側の腰の方へ伸びていく。そのまま、剣の柄へと白い指がかかる。おいおい……っ!
「神を殺す。僕はその為に戦う。その妨げになるというのなら、リアラ、お前でも容赦しない」
シャ、と音を立てて剣が鞘から抜かれた。リアラの表情に怯えが走る。既に構えていた俺は急いでジューダスの右腕に掴みかかった。
「ちょっと待て!ジューダス!」
「ロニ!貴様も神に加担するのか!?」
「ちげぇって!ただもうちょっと話し合いをだな!」
振り払おうとされるが、力では完全に俺が上だ。左腕も一緒に押さえ込んでいる間に、リアラはこの場から走って逃げ出した。俺は冷や汗をたらしながらそれを見送る。ジューダスもまた、苦虫を噛み潰したような顔でリアラの背中を見ていた。未だに抵抗する両腕は暫く離してやれない。
リアラの足音が聞こえなくなったあたりで、ゆっくり手を離した。ジューダスは忌々しそうに俺を一瞥してから剣を鞘に収める。
「とりあえず落ち着けよ。お前頭に血が上りすぎ。いつもの冷静さはどこに行ったんだよ」
「ロニ……お前も知っているのではないか?」
ジューダスは厳しい声色で告げた。知っているって……何を?
「スタンが死んだのはエルレインのせいだと」
「……」
俺は眼を見開いた。思わぬ言葉だった。
スタンさんが亡くなっていること、知っていたのか。
そうだ。スタンさんが亡くなったのは、バルバトスが孤児院を襲ったからだ。そしてバルバトスはディムロスさんが言っていたことを考えるに、ジューダスと同じようにエルレインによって生き返らされている。それはつまり、エルレインの暗躍によってスタンさんが死んだということだ。
つか、バルバトスが襲撃したことまで知っていたのかよ。しかし、今ここでその言葉が出るって……
「お前、スタンさんの仇討ちに、エルレインと敵対しようとしてたのか?」
ジューダスは目を細め、逸らした。
「……エルレインは僕を甦らせ、そして言った。四英雄を殺し十八年前の勝敗を逆転させろとな」
やはりか。そしてジューダスはそれを拒絶し、同時にエルレインと敵対したんだ。己が裏切り者と罵られる歴史を改変させないように。
「僕はあの結末を後悔していない。歴史を勝手に弄くられるなど我慢ならない」
紫紺の瞳に強い意志が宿っている。こういうところを見ると毎回思う。こいつは本当に、四英雄を裏切ったリオン・マグナスなのだろうかと。俺の想像していたリオンなら、バルバトスのように喜んでエルレインに従い、勝敗を逆転させ、己の思い通りの世界にするだろう。
「僕は神を許さない」
ジューダスは殺気すら感じる程に低い声で言った。
現実世界とは比べ物にならない程、神への激しい怒りを感じる。現実でも敵意を持っているのは分かっていたが、これ程までの思いをもっていたとは。
しかし、この世界ではそれがリアラに向かっている。それはまずい。
「気持ちはよく分かった。だが、リアラとはもう少し話し合おう……なんだって突然あんなことをリアラは言い出しているんだ」
「リアラが今まで僕達の側に居たことが、そもそもおかしいんだ。彼女は神が作り出した聖女だ。簡単に考えを改めるとは思えない」
「いやいやいや。ちょっと待てって」
確かに彼女は聖女だが、だからってそこまで決め付けるのは何でだ。
「そもそも現実世界では……あーもう、とりあえずリアラともう一度話し合うんだ!」
「……」
現実のリアラは夢の世界から俺達を助けてくれたのだ。今更それが変わるとは思えない。だが、実際にこの世界のリアラはエルレインに味方している。そしてその理由も存在しているようだ。ならば、まずはリアラからその理由を聞き出すなり説得をするしかない。
リアラが走った方へと歩き出した俺にジューダスが言う。
「ロニ、お前もリアラ側に付くことになるかもしれないな」
思わず溜息をついて振り返った。
「ったく、お前はなんだってそう敵対関係になることを考えるかねぇ」
「……」
ジューダスは目を合わせようとはしない。「とりあえず行くぞ」と声をかけ、俺たちはリアラを追った。
最初に別れた場所にカイルとリアラは居た。リアラは俺達を見るなり、カイルの後ろへと隠れるように下がる。一方カイルはリアラを守るように一歩前に出た。
「ジューダス……リアラを殺そうとしているって、本当!?」
おいおい、そこまで話飛躍してんのかよ。
「いや、ちょっと待てカイル」
「本当だ」
すぐ横から躊躇い無く告げられた言葉に思わず吹きそうになった。
「おい!話をややこしくするな!!」
ジューダスは悪びれもせずカイルの背後に居るリアラを見ている。おいおい、頼むからもう少し冷静で居てくれよ。
俺はジューダスへ向けていた視線をカイルへと戻した。
「カイル、この世界にはまだエルレインが居て、神を降臨させようと企んでいるらしい。それと、この世界も歴史の改変を受けているようなんだ」
突如俺が切り出した話にカイルは目を丸めた。
「え、どうして!?エルレインはもういなくなったって……」
やはり、ジューダスの言った通りだったのか。リアラの言う通り、歴史改変はもう起きないとカイルは信じ込んでいたようだ。
カイルの後ろに居たリアラが、カイルの腕を引っ張る。
「カイル。エルレインはこの世界のどこにもいないわ。そうでしょう?誰もエルレインの姿なんて見ていないじゃない」
カイルが振り向きリアラを見るが、リアラはカイルの腕に頭を寄せ、俯くことで表情を隠した。……嘘が苦手なんだな。実際に俺も神の手の存在は知っているがエルレインの姿は見ていない。それでも、リアラの話が嘘なのだろうとは分かる。
「……カイル、俺にはあそこにでっけぇ白い腕が見える」
背後の神の手を指差す。リアラに向けられていたカイルの視線が空へと向かうが、カイルは首を傾げる。カイルが疑問を口にする前に、ジューダスが口を開いた。
「お前には見えていない。リアラが晶術で見えないようにしているからだ。術の影響を受けていない僕とロニだけが存在を認識している」
仲間同士の食い違う言葉にカイルは眉を寄せたが、もう一度リアラを見る。相変わらずその視線が合うことはない。
「リアラ……」
「カイル、ロニとジューダスは……きっと、何か……そう、幻覚でも、見ているんじゃないかしら」
「苦しい言い逃れだな」
「……」
ジューダスに切り捨てられた言葉がリアラの嘘であることは、カイルにも彼女の様子から分かったのだろう。腕を掴む白い手を握り、腕から離れさせると向き合うような体勢を取る。リアラは未だ俯いたままだ。
見ていられなくて俺は口を挟んだ。
「リアラ……一体どうしちまったんだ」
「カイル……カイルは私と一緒にいたくないの?」
俺の言葉を無視してリアラはカイルへと詰め寄る。カイルは更に眉を寄せた。
「もちろん、一緒にいたいよ。でも、どうしてウソをついたの?」
「……お願い、一緒にいてくれるのなら、私と来て!」
繋がれた手をリアラは力一杯引っ張り、俺達とは逆方向へ走ろうとする。不意を付かれたカイルはつんのめって「うわ、ちょっと!」と情けない声を上げた。
理由も聞けないままに逃がすわけには行かない。そう止めに走ろうとする前に、再びシャ、と鞘と刃が擦れる音がする。
「逃がすわけにはいかない」
「おいおいおいおい」
リアラの行く手を遮るように移動したジューダスは刃をリアラに向ける。もはや脅しではなく、直ぐにでも斬りかかりそうな構えを取っている。
「ジューダス!?」
カイルもジューダスが本気なのが分かったのか、慌ててリアラの手を解き、剣を抜いた。
こりゃ、まずい。
「待てよお前ら!とりあえず剣を収めろって!」
慌てて間に入ってみるが、二人とも剣を収める様子はない。ただ、ジューダスは少し構えを緩めた。
「カイル、どちらか選べ。僕と戦うか、リアラを取るか」
「ちょっと待って……もう、訳が分からないよ!」
「ジューダス、お前急き過ぎだって!」
動揺する俺とカイルにジューダスが容赦する様子はない。強い紫紺の瞳が俺へと向けられる。
「急き過ぎだと?馬鹿を言うな。相手は聖女だぞ。今まで何度力を使って移動をされたと思っている。いつ逃れるかわからない相手を前にして悠長にいられるお前の神経が異常だ」
う、……ちょっと痛いところを付かれた。精神世界だからって舐めてかかっていたのは確かだ。正直この世界のエルレインの設定が俺にはまださっぱりわからないが、現実と同じ脅威とするならば、確かに焦るだろう。今回はリアラが敵対しているのだから先に歴史を改変されてしまえば詰んでしまう。精神世界とはいえ、現実に影響が出るのは第四階層で後悔するほど経験した。もしこの世界がエルレインの手に落ちたらどうなるかは正直分からないが、決して楽観視していい問題じゃない。
ジューダスは今度はカイルへと視線を向ける。
「カイル。リアラは晶術でエルレインを守っている。リアラが晶術を解除しなければエルレインを倒すことは出来ない」
カイルは再び目を見開き、リアラへと視線を向けた。カイルの背中に隠れているリアラは俯いたまま何も言わない。
「リアラが晶術を解除する意志がないのなら、僕は無理やりにでも解除させる」
剣の柄を握るジューダスの右手が、更に加えられた握力で僅かに震えた。
「リアラ!なんで!?」
「まだ分からないのか。リアラはエルレインに加担している」
「リアラ!」
カイルがリアラを呼び続けるが、リアラは顔を上げもしない。
ジューダスの足がジリ、と滑るように前へ進む。それに気づいたカイルが視線をジューダスへ戻して剣を握り直した。俺もまた緊張が高まる。カイルは攻撃に備えつつも泣きそうな顔で叫んだ。
「俺、ジューダスと戦いたくないよ!」
「ならばリアラと戦うことになるぞ」
「……っ」
「カイル……っ!」
息を呑むカイルに、漸くリアラの口が開く。
「カイル……お願い。私はカイルと一緒にいたい。だから……」
「どうして!?俺と一緒にいることと、エルレインの味方をすることは関係ないだろ!?」
「あるのよ!!」
「どうしてっ!!?」
互いに感情のまま叫びあっているだけで、結局解決の糸口が見えない。何故リアラは理由を言わないんだ。
「分かったか、カイル。リアラの意志は固い。選択は二つだ。選べ。僕と戦うか、リアラを取るか」
「ちょっと待てって!」
思わず口を挟む。
カイルは未だに動揺から抜け出せない。それはそうだ。リアラの嘘ですらついさっき暴いたばかりで、カイルにとっては全てが唐突なんだ。理解すら追いついていない状況でこうして大切な仲間を二択にかけないといけないのは、あまりにも可哀想だ。
だが、今度はその選択が俺にも向けられた。
「ロニ、お前も選ぶんだ」
「待てって!何で勝手に二択にしてんだよ!!他に道はねぇのかよ!?」
「残念ながらそんなものを探す猶予はない」
「こんなの、お前も本当は望んでねぇだろうが!」
ここに来て、初めてジューダスも心が少し揺れたのか表情を歪めた。
当然だ、本当はやりたくないに決まっている。ジューダスには神と対峙する決意があるだけで、本当なら仲間に刃を向けたくないはずだ。
ジューダスが歯を食いしばる。
「……だが、これは逃れられない選択だ」
くっそ。
「リアラ!理由を言え!」
「私は、私はカイルと一緒にいたいの!!」
そうじゃねぇ、理由を……いや、それが理由なのか?さっきからずっとリアラはカイルと一緒にいたいと言っている。だが何でだ、今一緒にいるじゃねぇか。
「カイル!最後だ!選べ!」
ジューダスが声を張り上げた。荒々しい大声は、言葉通り最後の問答であることを示している。
カイルは表情をくしゃくしゃにし、ぶるぶると震えた後、同じように叫んだ。
「選べないよ!!」
同時に、ジューダスが地を蹴った。俺の目の前を風になって通り抜け、カイルの方へ一直線に突っ切る。俺はそれを見ていることしかできなかった。カイルの剣と、ジューダスの剣が激しい音を立ててぶつかる。
右手の剣でカイルの剣を押さえてから、次に左手の短剣を振る。それがカイルへと向かう前には、俺はジューダスの体に触れることができた。
「っ!」
ジューダスにしては、随分な隙を見せたものだ。俺はそのままジューダスの左腕を封じて地面に押し倒す。倒れる間際に、カイルがジューダスの剣を叩き落す。
地面に縫い付けられたジューダスの抵抗は激しいが、力では負けない。
「ロニ……やはりお前はそちら側か」
未だ体から力を抜かないジューダスが荒い息の合間に言った。
「ちげぇ!そういう問題じゃねぇ!俺はただ!」
お前にこんなことをさせたくないだけだ。
「構わない。わかっていたことだ。覚悟は出来たな?」
なんのだよ!畜生!俺はジューダスを押さえつけながらリアラを見る。俺達の争う様を、眉を寄せながら見ていた。リアラもまた、心を痛めている様子だ。
「リアラ!お前は歴史修正の為に力を使ってくれたじゃねぇか!天地戦争時代に連れてってくれただろう!?エルレインの夢から俺達を覚ましてくれただろう!?カイルの思いに寄り添っていたじゃねぇか!何がお前を変えたんだ!」
栗色の瞳がぐらぐらと揺れ、そして耐え切れないように瞼の下へ隠される。
その様子を見ていたカイルが、リアラへと顔を向けた。
「ねぇ、なんでエルレインに加担するの……?」
頼む、リアラ……せめて理由を話してくれ。
そう、完全にリアラへと注意がいっていたとき、ジューダスを押さえつけていた腕が強められた力に押し返される。
「シャル!」
「はい、坊ちゃん!」
えっ、と思う間に、空に浮かびただやりとりを見ていたソーディアンが風を切りながらこちらに向かってきた。ジューダスを押さえつける腕へと真っ直ぐ向かってくる姿に俺は慌てて体を起こす。その動作をしている間にジューダスはシャルティエを握っていた。シャルティエが横薙ぎに振るわれるのを俺は飛び退いて交わし、同時にジューダスもまた猫のような素早さで体勢を直した。
「シャルティエ!」
「ロニ、ここは第五階層。さすがにもう、坊ちゃんの優しさに甘えることはできないんだよ。覚悟してね」
「僕に丸腰で向かった無謀を悔いるがいい」
おいおい、マジかよ。ありかよそれ!あいつ完全に外野扱いだと思ってたのに干渉してくるわけ!?そもそもあいつの姿って俺以外に見えないんじゃ!?……あ、ソーディアンだから普通の人間には聞こえない設定になってたのか。
考えている間にジューダスが握るシャルティエがこちらへ向かってくる。
「ねぇリアラ、俺が言ってたこと、間違いだって思ったの?人は自分の力では歩けないって思ったの?」
ジューダスは完全に俺を邪魔者と認識したようだ。カイルとリアラを放って俺へと刃を向ける。その間に、カイルはリアラの説得を試みているようだ。気になるが、気にしていられない。シャルティエの言う通り、第一階層のように俺を傷つけずに邪魔するだけの鎖なんて甘い状況はこの世界にはないようだ。ジューダスの神への怒りや敵意が、そのままぶつかってくる。
あぁ、本当に武器が無いのが悔やまれる。剣のように持ち運びやすい武器だったらいいのにな。俺のハルバードはきっとまた孤児院に立て掛けてあるのだろう。
俺は向かってきたジューダスの剣をぎりぎりで交わす。そのまま先ほどジューダスが立っていた場所へと飛び込む。目当てはカイルが弾き飛ばした普段ジューダスが使っている剣だ。
「神様の力で一緒に居られれば、それで満足なの!?」
カイルの説得が続く中、シャルティエを剣で受け、左手の短剣はその腕を捕まえることで凌ぐ。やはり敵意は本物だがいつも通りの天才的な剣術とは程遠い。こいつだって動揺しているんだ。
「俺がリアラの英雄になれたのは、俺の力じゃなくても出来るの!?」
「……え……」
リアラが小さく声を上げたのがわかった。そうだ、カイル。頑張って説得してくれ。きっとリアラにはお前じゃないと言葉が届かない!
「随分と余裕だな」
低く呟かれた言葉と、突如強まる晶力に俺は意識を戦闘へと慌てて戻す。せっかく力対決に持ち込んでいたのに、押し切り損ねるなんて俺もジューダスのことばかり言ってられねぇ……って、これやばくね?
「グレイブ」
シャルティエの声が響いたとき、足元の地面が競りあがるのを感じて慌ててバックステップをする。
「神の力で俺が英雄になったら、それでいいの!?ずっと一緒にいた俺とリアラの時間は、何も関係ないの!?」
「カイル……」
どんどんと足元から鋭く尖った地面が迫り上ってくるのを死に物狂いで逃れた。ふざけんなよ、ソーディアンってあんなに早く晶術を使うのか。
息を吐く間もなく、今度は迫り上った地面の陰からジューダスが突如飛び込んできた。連続の攻撃に無理な体勢で攻撃を避け、更に体勢が崩れる。やべぇ。
勘で足を出す。なんとか当たったようで、「ぐっ」という呻き声がジューダスから上がった。腹辺りに入っただろうか。おお、長い足でよかった。
だが、蹴りで少しは空いただろうと予想した距離は、思っていた程のものではなく、体勢を完全に直した頃には目の前にジューダスの姿があった。
「そうじゃないだろ!!?一緒にいるって、そういうことじゃないだろ!?エルレインの作った世界で、俺たちは一緒にいることができるの!?違うだろ!?そんなの、まやかしだろ!?」
「……」
頭部に衝撃が走る。蹴られた。畜生、仕返しかよ。
大きく体が仰け反り、目の前がくらくらする。体が硬直する。やばい。
「答えてくれよ!!リアラ!!!」
うなじ辺りに風を感じる。何かがそれだけ速度を出して動いているのだ。おいおい、どうしよう。これ首ちょん切られるのか?俺は……。そんなことになったら、ジューダスは、どうなる。ジューダスは本当はこんなのを望んでいないのに、俺は……
「ジューダス、待って!」
リアラの声が響いた。ぴたりと、首筋に何か冷たいものが当たる。当たるだけで、それは何の痛みももたらさない。リアラに言われたとおり、ジューダスは待ったのだろう。
やっと頭部の衝撃から少し回復した俺は這い蹲っていた体を起こす。同時にジューダスも俺から少し引いた。
直前のジューダスの体勢を考えるに、俺の首筋に当たっていたのはシャルティエの柄の部分だ。どうも再び頭を殴り飛ばすつもりだったようだ。気絶させている間にリアラをどうにかしようと考えていたのかもしれない。あぁ、よかった。やっぱりジューダスはジューダスだ。
俺は上がった息を整えながらカイルとリアラを見た。カイルはリアラの両肩に両手を置いている。リアラは泣きそうな顔をしながらジューダスを見ていた。
「……ジューダス」
再度、リアラがジューダスの名を呼ぶ。ジューダスは先ほどまでの敵意が嘘のように、静かに「何だ」と返した。リアラの様子が変わったことがジューダスにも分かっているのだろう。
今、リアラは完全に揺れている。少し前まで頑なにエルレインに寄っていた思いが、俺たちの方へ戻ってきている。
カイルの腕をそっと放してからジューダスに一歩寄ってリアラは問う。
「あなたは何故戦えるの?」
「偽りの想いを持って生き続けたいか?」
その質問に、ジューダスは質問で返した。
リアラは胸元のレンズへ手を当てて俯く。
「……辛くないの?」
「それでも、僕が選んだ道だ。神が勝手に選んだ道ではなく、自分自身で切り開いた道だ」
「……」
ぎゅ、とリアラが目を瞑った。それからしばらくして、リアラのレンズが光りだす。
カシャンカシャン、と遠くで何か割れるような音が聞こえてきた。音の方へと目を向ければ、神の手のすぐ近くで透明なガラスの板が剥がれ落ちていくような光景が見て取れた。もしかしてあれが、リアラが張っていた神の手へ行けないようにしていた結界か。
「……リアラ、いいのか」
ジューダスが小さく呟いた。
あれだけ実力行使で解除させようとしていたのに、気遣いの言葉を出すとは、と思わず目を丸くする。
「うん……ごめんなさい。……本当は、分かっていたの、……でも……」
「いや、いい。僕も分かっている」
ジューダスはリアラの言葉を遮った。なんだよそれ、なんなの。その自分達にだけは言葉にせずとも分かりますみたいな雰囲気。
……ジューダスは、リアラがエルレインに味方していた理由を、知っていたのか?
分かっていて、それはどうしてもエルレインを倒すことと両立できない、解決できないものだから、諦めて対立を選んでいたのか……?だからこその、「いいのか」という言葉なのかもしれない。
ジューダスは一体、リアラの何を知っているんだ?
二人を見ていると、突如強い光が差し込んだ。光源はまた神の手の方だ。
振り向けば、そこには光の柱が上がっていた。
「パラダイムシフトか」
光の柱を暫く見つめ、それから少しして、どっと疲れが沸いて出た。あぁ、なんとかなったってことか。よかった。
体から力を抜いて、重力のまま俺は地面に座り込んだ。
「カイル、ごめんなさい……私、あなたを騙していた」
「リアラ……いいんだ、分かってくれたら」
カイルとリアラが二人の世界に入って抱き合っている。あぁ、元通りだ。良かった。元通りに戻った。
「……ロニ、命拾いをしたな」
ジューダスが俺の方を見ている。その表情には少しの不安がある気がした。あーまぁ、思いっきり戦闘したしな。
「なんだそれ、照れ隠しか?」
「は?」
よっこいしょ、とおっさんっぽい掛け声と共に立ち上がり、ジューダスの背中をポン、と叩いてやる。
「良かったな。これで俺たちは仲違いする必要もない。また元通りだ」
「……」
「うん、本当に良かった!」
カイルもリアラを抱きしめる腕を緩め、満面の笑みをジューダスの方へ向けた。
ジューダスは少し俯いて、口元に僅かに笑みを浮かべた。そっと、手に握っていたシャルティエを離す。
「良かったですね、坊ちゃん」
シャルティエは今まで聴いたことのない優しい声でそう言い、宙へと浮かび上がった。
いつも通りに心の護としての位置へと戻るシャルティエの動きを俺はボーっと眼で追う。あいつ、敬語使うのか。
「さぁ!急いでエルレインのところへ行こう!」
「……うん」
空気を一変させるように、明るく強い声がカイルから放たれる。そのまま先頭を切ってパラダイムシフトの光に向かってカイルは走り出した。リアラも、小さくだが、確実に頷き、カイルの傍を同じように走っていく。
「俺達も急ごうぜ」
「……あぁ。……パラダイムシフトをして、更に深い階層へ進むことで……エルレインに近づける」
「そうか。よーし、なんとしても、歴史を取り戻さねぇとな!」
俺とジューダスもカイルを追って走り出した。
……そういえば、結局この世界の歴史って、どの部分が改変されたんだ?
「ありがとう、ロニ。リアラを説得できるとは思わなかった」
ふと沸いた疑問はジューダスの言葉で頭の片隅へと押しのけられた。
説得できると思わなかったって、確かにまぁ、この階層のジューダスは説得を放棄しているところがあったが……こうしてコスモスフィアのリアラが説得に応じたということは、心のどこかでジューダスもリアラが説得に応じるだろうと思っていたってことだと……思うんだがな。
「説得をしたのはカイルだがな」
「ロニが止めてくれたのも大きい。……だが、僕は戦うことを選んだのを後悔していない。これは結果論だ。実際、あのままリアラを説得できなかったのなら、手詰まりになるところだった。……だが、これが最善の結果だと、僕も思う」
「あぁ」
きっとあの時の選択に、正解なんて存在しないだろう。
俺は今回、ただジューダスに仲間と敵対する苦しみを味あわせたくないって思いだけでジューダスを止めた。ただ目の前のリスクにだけ目を向けた。今回は上手く行ったが、これが失敗したときは……。
きっとその時は、あれだけエルレインに向けていた許せないという思いや怒りを、俺は踏みにじったことになる。
現実のアトワイトさんの件と同じような、難しい問題の世界だった。
「ロニ、もしまたリアラが敵対する日が来たら……僕はまた、リアラに刃を向けるだろう」
あぁ、お前はそうするだろうな。俺みたいになんだかんだ言っても目の前のものばっかりに気をとられる、そのようなタイプではないよ、お前は。
「だが、その時はお前達に、ちゃんと話す」
思わぬ言葉に、走るジューダスの横顔を見る。ジューダスはただ真っ直ぐ、神の手を見ていた。
「例えその結果、敵対することになったとしても……その理由を、お前は知ってくれている。それだけで……僕は、それだけでいい」
あのジューダスが、こんなことを言うようになるとは。随分と、成長したじゃねぇか。俺は思わず頬を上げた。
「あぁ、そうしてくれ。俺も何も知らないでいるより、いい」
神の手にだけ向けられていた紫紺が、こちらを向く。頷くように、一度瞬きをした。目が穏やかに微笑んでいるかのように見える。再びジューダスは神の手へと視線を戻した。
「俺はそんな選択をしなくていいよう、努力するだけだ。今回みたいにな」
出来る限り、そんな悲しい状況にならないように。
悔いが、残らないように。
俺たちは神の手を目指して、パラダイムシフトの光へと入った。
「お疲れ様」
いつもと変わらない声が、何もない狭間の世界に響く。俺は重力のままに床に座り込んだ。
「さすがに今回は疲れたぞ……ってか、お前なぁ……」
「丸く収まってめでたしめでたしだ」
「めでたしもクソもあるか」
先の戦いに突然加入したシャルティエを俺は恨みを込めて睨んだ。腕が飛ぶかと思ったし、晶術は意味の分からない早さで出てくるしで、もう本当に焦った。
だがシャルティエは全く悪びれず明るい声で言う。
「謝らないよ。僕は坊ちゃんの味方だもん」
そりゃそうだが、あいつはちょくちょく危険な思考を持つから何でもかんでもジューダスの思うがままに動くのが正解とは思えないぞ。
少し、意地悪をしたくなった。
「……この世界がめでたく完了したのはリアラの説得が成功したからで、お前はその邪魔をしたと思うんだが?」
「坊ちゃんも言っていた通り、それは結果論だね。それでも僕は坊ちゃんの意思に出来る限り寄り添うよ。僕がソーディアンで、僕のマスターは坊ちゃんだから」
ダメだ。こいつぶれねぇ。まぁでも、心の護ってそういうものなのかもな。
しかし、本当に円満に終わってよかった。コスモスフィアのカイルが現実世界のカイルと同じような奴でよかった。あのカイルを見る限り、ちゃんと現実のカイルをよく理解していると思うんだが、その一方で、何でリアラはああなったんだ。
「何で今回の世界はあんなことになってたんだ?リアラはあんなこと言わないだろう。そりゃ最初の方はエルレインが作り上げた幸福について悩んでるっぽいところもあったけど、最近は完全にカイルにべったりでカイルの考えを尊重してるじゃねぇか。リアラは聖女だけど、俺達に味方してくれてるのは明らかだろ」
「ここはあくまでも坊ちゃんの想像の中の世界。妄想と言ってもいい世界だからね」
「だからって、いくらなんでも現実のリアラと差がありすぎやしねぇか?」
「……まぁ、そう思うだけの何かが坊ちゃんにはあったってことなんだよ」
何か、か。結局リアラは理由を告げずに俺達の元へ帰って来た。何で理由を言ってくれなかったのだろうか。第四階層みたいに、何故、という一点をはぐらかされているような感覚があった。第四階層のようにジューダスが教えられないと思っているからだろうか。
「それにしても、まさかジューダスと戦うことになるとはな……」
「この先にはもっとそんなことがあると思うよ」
マジかよ。
「階層が深ければ深いほど、思いは強い。例えば第二階層で君はあっさり坊ちゃんをインからヨウへと連れ出したけれど、あれが第五階層だったならきっと連れ出そうとする君と同じように戦ってたりしたかもね」
「そうか……この階層のジューダスは随分とエルレインへの怒りが強かったな」
「そりゃそうだよ。そもそもコスモスフィアに許可もなしにあんなふうに手を突っ込んできた相手だよ?僕だって腹が立ったよ」
ジューダスの世界の端を鷲掴みにしていた、異様に綺麗で、大きな白い手。
世界を丸ごとどこかへ引きずろうとしているような、そんな手だった。確かに、歴史の改変なんて行われてしまえば今まで生きてきた全てが否定されるのだから、世界が丸ごと持っていかれちまうような出来事と言えるかもしれない。
「それに、あれは覚悟の表れでもあるよ。それだけエルレインと戦う意志が強いんだ。君達を敵に回すことになったとしても、坊ちゃんは神と戦い続けるよ」
「そっか……第一階層で悪だのなんだの言ってたのはリオンだってだけじゃなく、下手したらこうなることも見越してるってことだったのか」
「そういうことだね。当時はリアラが敵対する可能性だって当然あったわけだし、その懸念は今よりも強かった。リアラの正体や歴史改変について知らなかった君達に何も言わないまま敵対する可能性だってあったんだから」
「……そっか」
あぁ、そうか。第一階層であそこまで僕は敵だって言ってたのは、そういうことか。
「じゃ、現実世界に戻すよ」
ひとしきり納得したところで、シャルティエの言葉と共に視界が真っ暗になった。
■
すみません、最後集中力切れてまssss。絶対NOVELに起こすときめっちゃ書き直すだろうなぁと思いつつ、疲れに負けました><
最初会話だけでジューダス押さえ込んでリアラ説得の予定だったんですけど、うちのジューダスのツン度(?)が激しくて勝手に戦闘し始めました(’`
おかげさまでカイルによる熱いリアラの説得の様子をロニちゃんが実況してくれなくなりました。まぁいいや!!
読みづらかったら申し訳ないですが、カイルがリアラの英雄であることはやっぱりリアラにとって嬉しいことで、それが神の力でポーンと叶えば満足なの?って聞かれたらウーンってなるはずだ!って感じで、ちゃんとリアラはカイルの言葉に説得されてます。つっても、あのカイルはジューダスの想像のカイルなので結局はカイルを通してジューダスが説得しているようなものなんですけどねw
ロニがジューダス対処に必死すぎてリアラが唐突に心変わりしたように見えちゃうかも/(^o^)\い、いや、きっと大丈夫なはず。
ま、いいじゃん!!!メインはロニジュだしな!!!!
でもなんだかんだで戦闘シーン書いてるときが一番すらすら書けてたかもしれない。
なんかこう、会話ばっかりさせてるときって結構書きづらいんです。キャラクターの描写とか細かく入れたいような気がするんですがしつこい気もするし困っちゃう!
はて、恒例の第五階層の設定いきまぁあす。
今回は神関連が重点ですね。神への怒りと戦う意志の強さ、そして大きな問題点としてはリアラが敵対した場合への懸念です。
ジューダスが異様に敵対心剥き出しなのは怒りと決意の強さから来てます。例え何が起ころうとも、歴史は修正するのだと、。その「何が起きても」の何、が今回はリアラやカイルが敵となっても、ってことで世界が作られています。
現実のジューダスは今回のロニのようにもう少しちゃんと時間をかけて解決を考えたり、カイルに時間を与えてくれたりすると思います。
何故リアラがコスモスフィアで敵対していたのか、敵対するかもしれないとジューダスが思っているのか
これは神を殺せば彼女が死ぬことを知っているからです。
非情なお話ですけど、ジューダスは神を殺すことで神もリアラも己も消してスタンが生きている正史を取り戻すことを目的としています。(あくまで公開ピー所での設定。原作はちょっと違うと思います)リアラからすればスパイのような存在かもしれませんね。
ただ、天地戦争時代に移動した現在はリアラとカイルの選択を見守っている状態です。スパイしている間に情が沸いちゃいました。リアラの気持ちも同じになってきてるし、リアラがカイルの英雄となった以上ぎりぎりまでは見守ってあげようって感じです。
でも、己の命を否定する辛さはジューダスも身をもって知っていると思うんです。だからこそ、彼女が神殺しにまで味方しないのではないか、どこかでカイル達と敵対することになるのではないか、その時は……ってことです。
歴史は修正しないといけないとか、どれだけ綺麗ごとを述べても、彼女の命を犠牲にすることに変わりはないのでジューダスは彼女を上手に説得する術を持たなかったからこそ話し合いをあまりしなかったって感じですね。
現実のリアラちゃんは自分の死を一人で必死に受け入れて、ひたすら己の英雄であるカイルを信じてる健気ちゃんです。ただ、リアラの心境をジューダスは当然全て知らないので、神を殺すという選択になったときはどうなるかわからないってジューダスは心の底で覚悟してるってこっちゃですね。
うちのジュダちゃんはカイルが神を殺さない決断をしたらカイル達から抜けて一人で神を殺しに行く子です。
そんなこんなでリアラのキャラ崩壊すみませんでした><ついでにジューダスも異様に喧嘩っぱやくてサーセンww
コスモスフィアって大体こういう感じなんです><;;
原作ではヒロインがコスプレしたり突然SMプレイ染みたことになったりデレMAXになったりツンMAXになったり殺しにきたりとかします><
気が向いたらアルトネリコ是非プレイしてみてください。ダイブ楽しいですよ。^p^
2のヒロインのダイブは3人とも好きですし、3はちょっと仕様がアレですが……フィンネルの第八階層にはボロボロ泣かされました。3のサキちゃんは人間らしさを欠如してるのでダイブのお楽しみが少し減ってる感があります><
こう、人間の闇の部分がドロっと出てしまってるからこそコスモスフィア!って感じがして好きです^p^
第七階層はかなりジューダスの闇をメインに取り扱うのでキャラ崩壊に感じる方もいらっしゃるかも><お気をつけてっ
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