【TOD2】 dive 続き – 14 –

diveTOD2
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はて!今回はコスモスフィア第六階層です!かなり深い階層になってきました。パロ元の場合このあたりからヒロインの意外な一面とかが出てきてピャアアってなります。ダイブする側も命がけになってきますw
第六階層はアルノサージュっていうゲームのL.C.P.っていうBGM流しながら書いてます(´`
哀愁漂いながらも優しげなあのBGMがめちゃくちゃ好きです。
ちなみにアルノサージュはパロ元アルトネリコの昔のお話を題材にしたゲームです。ダイブに似たシステムもありますが、やっぱりダイブシステムはアルトネリコ1と2が一番好きです^p^
ただあのシリーズは全ゲームBGMと曲が神だと思うの。



落下するような感覚があった。思わず体が硬直する。高いところから落ちる夢を見て、落ちた瞬間に目覚めたときのような、気持ち悪い感覚があった。
目を開けると、世界は薄暗かった。
なんだ、ここは。今まで見てきた世界と全く違う。あのヨウの世界はどこにもない。初めて見る世界だ。
第一階層を除いて今までずっと同じ世界観で出来ていたようだが、ここに来て一気に変わるとは。
薄暗い世界を見回す。ここにはぱっと見る限り鎖が見当たらない。ずっとあったあの黒い鎖がないのも、なんだか違和感を感じる。窮屈さを感じる鎖は穏やかさを全く感じなかったが、それが無いからといってこの世界が穏やかかと言えば、そうではない。
例えるならば、崩壊した古都ダリルシェイドといった感じだ。そう、崩壊した町らしき場所の中に俺は居た。
何か建物があったのだろう残骸がちらほら見える。ただ一つダリルシェイドと違うのは、一切風化が見られないところだろうか。瓦礫は野ざらしに落ちているものの、現実にあるはずの外に晒されたときにつく汚れといったものは見当たらない。
草木すら見当たらない、人の気配も全くない。生を感じさせない、世界が死んでしまっているような不気味な場所だった。
これは大丈夫なのか?
「おーい、誰かいるかー!?」
声を出してみるが誰も応えない。シャルティエすら見当たらない。ジューダスも見当たらない。
ひとまず、散策してみるか。
この世界の惨状に顔をしかめながら、俺は歩き出した。
世界の隅々まで歩き回ったが、結局一人も人を見なかった。草一つ生えていない。シャルティエすら見つからない。
人が住んだ形跡があるのに、人の気配を全く感じない。なんだか、寂しい世界だ。
ここに住んでいた形跡はあるのだ。誰かの痕跡が。瓦礫に紛れていたるところに綺麗な細工が施された箱が蓋が開かれた上体で落ちていた。中からはクッション代わりに敷き詰められていたと思われる布が飛び出していたり、時には地面に落ちていたり。箱自体が壊れているものもあれば、時には中にガラス球のようなものが入っているものもあった。ガラス球が箱から飛び出て、地面に転がっているのもみかけた。
家の中に大事に保管されていた子供の宝物が、災害か何かでひっくり返っているかのような、そんな印象を持った。きっと、大切にされていただろうに。
この世界の全てを見回るまでにそう時間はかからなかった。狭いのだ、この世界は。
今までの世界同様、浮き島のようになって世界の端は崖になって底が見えない。
この狭い世界ですら地面の至る所に亀裂が入っている。大きな地震で地割れしたかのような状態だ。一体、この世界に何があったのだろうか。
暫く崩壊した傾いている壁を眺めていたが、結局自体は何も変わらない。
参った。どうすればいいんだ。
右手で頭を抑えながら、もう一度辺りを見回す。
地面に転がるガラス球がふと目に入った。なんとなく、それに手を伸ばす。持ち上げようと思って伸ばした手がガラス球に触れた途端、世界が一気に変わった。
一気に視界が明るくなる。目の前には焚き火があった。何が起きたのだろうと思考する前に人の声が聞こえてくる。
「リオンさん、ご飯の準備ができましたよ」
聞き覚えのある声だった。誰だったかな、と考えている間に視界が勝手に動く。
なんだ、これは。体が自分のものではないみたいだ。勝手に動く。
「……あぁ」
「はい、どうぞ」
そこにはフィリアさんが右手にお椀を持って立っていた。俺の知るフィリアさんより随分と若い。これは……。
フィリアさんは俺にお椀を突き出す。俺は勝手にそのお椀を手に取っていた。フィリアさんがふわっと微笑んで去っていく。
俺の視線はお椀へと落とされた。そこそこの大きさの肉が二つ入れられていた。よく焼かれたパリパリの皮とむき出しの肉からやんわり肉汁が零れお椀の底に油が溜まっている。うまそうだ。
暫く肉に向けられていた視線が、焚き火へと勝手に向けられた。ぼうっと、揺れて姿を変える火の姿を暫く見せられていたが、また誰かが近づいてくる足音が聞こえた。
「なあに、あんたまだ食べてないの?」
俺の知る声とは少し違うが、これはルーティさんの声だ。
思った途端、隣にルーティさんが座る。俺の知るルーティさんよりもかなり若い姿で、右手に先ほど渡されたのと同じお椀を持っている。
「あんたちゃんと食べないと背が伸びないわよ?ぷぷっ」
俺が知っているよりも少し意地悪で、子憎たらしい、それでも可愛らしさを感じる笑い方をするルーティさんの姿に新鮮味を感じる。
ルーティさんの手が俺が持つお椀へと突然伸びてきた。そのまま中の肉を二本攫ってしまった。その細い指でよくもまぁ二本も片手で掴めるものだ。
「ま、いらないなら私が食べるわよ」
にかっとルーティさんは笑った。
「意地汚いな」
俺の口が勝手に動く。発せられた声は、ジューダスのものだ。
「贅沢してきたお坊ちゃんとは違うの~」
「ふんっ」
視線がルーティさんとは反対方向へと移動する。そっぽを向いたらしい。だが、その視界の端に再びルーティさんの手が映る。その手にはお椀。
「ほら、あんたはこれでも飲んでなさいよ」
お椀の中では野菜の入ったスープが揺れていた。
暫くそれを見つめていたが、お椀を持つルーティさんの手が催促するように揺れたのを機に、俺の手はお椀を受け取った。同時にルーティさんは先ほどまで肉が入っていた空のお椀を俺から奪い、そこに肉を入れて鼻歌を歌いながら去っていった。
それを見届けた後、今度はスープへと目を向ける。そしてゆっくりそれを口に運んだ。素朴な野菜のうまみが沁みたスープが体中に染み入る。一度お椀を口から離し、再び視線はスープへ向けられる。
「よかったですね、坊ちゃん。スープなら胃に入りやすいですね」
シャルティエの声がどこからともなく響いた。
気づけば、俺は中腰の状態でガラス球に手を当てていた。
体を起こし、あたりを見回す。あの崩壊した街中だ。体は俺の思い通りに動く。
「……今のは」
足元に落ちているガラス球を見る。よく見れば、ガラス球に先ほど見ていた光景が映っていた。
「記憶?」
きっと、リオンの記憶ではないだろうか。コスモスフィアの世界だからそのままの記憶かどうかはわからないが、さっきのは若かりし頃のルーティさんとフィリアさんがいた。四英雄と共に旅をしていたときのリオンの記憶だ。
まさかガラス球に触れることで、そのまま記憶に触れることになるとは。
ガラス球はこの一つだけではなかった。いくつも見た。俺はガラス球を探しにもう一度歩き出した。どういうことだろう。コスモスフィアの深い階層はこういうつくりになっているものなのだろうか。
考えている間に宝箱の中に入っているガラス球を見つけた。俺は躊躇いなくそれに触れる。
再び、目の前の景色が一転する。
太陽に照らされた明るい世界へと変わっていた。街中のようだ。
「リオーン!なぁ、アイス食べようぜ、アイス!」
明るさが突き抜けているような声が届く。スタンさんだ。
視界が動き、スタンさんを移す。あの無邪気な笑みを浮かべていた。スタンさんは一つの屋台を指差している。言っていた通り、アイス屋だ。
「なぁ、いいだろ?」
「……一人で買ってろ、僕は先にイレーヌの所へ行く」
「なんだよ~……じゃあ買っておいてやるからさ!」
「溶けるだろ」
「そんなに時間かかるのか?」
「お前は遊びにきたつもりか?」
にべもなく言い放ち、体はアイス屋を通り過ぎて進んでいった。後ろから少しふてくされたスタンさんの声が届く。
「ちぇー。連れねぇなぁ」
そのまま、カイルとジューダスのやりとりのようだった。
道を進んでいると視界が眩んだ。これで終わりか、と思えばまたアイス屋があった場所に戻っていた。どうやら場面が飛んだらしい。先ほど歩いていた道をいつの間にか逆方向に歩いていた。
明るく長いツンツンの金髪が青い空の中輝いている。スタンさんがこちらに気づいて走って近づいてきた。
「あ、リオン!見てくれよ!」
右手に何かを掲げている。
「ほら、あたり棒だったんだ!」
すぐ近くまで走ってきたところで、スタンさんは右手のものを見せた。
あぁ、アイスキャンディーのあたり棒か。カイルもそういや当ててたなぁ。
「……それで?」
「あたったらもう一本もらえるんだぞ!」
「それは良かったな」
興味なさそうに言う声にもスタンさんは気にせず上機嫌だ。
「あぁ!だから来いよ!」
「おい、スタン!」
突如右腕がつかまれ、引っ張られる。向かう先はアイス屋だ。
「おばちゃん!これ、当たってたんだよ!ソーダ味もう一本!」
「おめでとう。はいよ」
「やった!」
あたり棒とアイスを交換し、スタンさんは満面の笑みを浮かべた。
そして交換したアイスを俺へと突き出す。
「ほら、リオン!おいしいんだぜ、ここのアイス!」
ぐい、と顔の方へ近寄られるも、リオンの体はそれを受け取る素振りがなく、ただ目の前に突きつけられた空色のアイスを見た後、スタンさんへと視線を向けた。
「お前が食べればいいだろ」
「俺はもう食べたから」
もう一度早く受け取れと言わんかのようにアイスが目の前へ寄ってくる。
「一緒に食べたかったんだよ!ここのアイスおいしくて好きだからリオンにも食べさせてみたかったんだって!」
一切引く様子のないスタンさんに諦めたのか、右腕はアイスを手に取っていた。
そっと口元に運ばれる。冷たい感触と、ソーダの甘さが口の中に広がる。うめぇ。
「……おいしい」
「だろ?」
スタンさんの満面の笑みが視界一杯に広がった。
このガラス球の記憶はここまでのようだ。
リオンとスタンさんたちとの旅。俺達とジューダスが旅をしているのと同じに感じる。
何より、記憶に触れるたびに胸に温かいものが流れ込んでくるようだった。ジューダスは気難しい奴だから一般的に仲の良い連れや仲間とは言い難いが、ジューダスを知る俺からすれば、心を開いているようにも感じる。
布をクッションにして宝箱の中にぽつんと入った綺麗なガラス球。宝物のように大切に保管されていただろうそれに、ジューダスの内心が透けて見えるようだ。
俺は次のガラス球を探した。

内緒はD2厨でして、Dはあんまり詳しくないというか、周回とかあんまりしてないので設定とか時系列とかめちゃくちゃだと思うので記憶のお話には色々おかしな点があると思います><ご容赦ください
D2はやっぱり原作Dを元に作られているので(矛盾点沢山あるらしいですが)リメDはあんまり元にしても仕方ないし混乱するからリメD周回しようと思えないんですよね。
だからといって今更原作Dの戦闘システムでゲームクリアしにいくのもめんどくさいヤダァアア!!!
ってなるからDの世界への知識と記憶が曖昧なんです。これD2好きとして致命的ですがw
ネット適当に巡って見つけた内容によると、原作Dのヒューゴってミクトランに抗おうとしている描写が神の眼奪う前からあったらしいですね。
当時はミクトランとか突然出てきてファッってなってたけどちゃんと伏線あったんだなぁと。
あと、飛行竜でリオンが具合悪くなったのは乗り物酔いではなくこれから起こる惨劇を想像して、っていう話を見たときに !!! ってなりました。ナニソレ僕それで行く。めっちゃイイそれ。滾った。せつねぇえええええ!!!!!

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