【TOD2】 dive 続き – 21 –

diveTOD2
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沢山の拍手ありがとうございました!
この分で第七階層は終了です!
なんかこう、妄想では相当たぎったんですが、いざ小説にすると自分の言語能力の無さに萌えが削がれていきますwちくしょうww
なんかこう、もっと劇的で、ずーんって衝撃がくるような感じにしたいんですが、うーん。むつかしい。><
好きな妄想だっただけに、不完全な気もするんですが、納得いくほど書き込む気力が現在なくて(´・ω・)不思議。
これ多分妄想だけで満足してきちゃってる危険な症状なんですよw まいっちんぐまちこちゃんorz
でも、ここで小説の手を止めたらまた数年失踪しそうなんで、納得行くものができてないとしても、ひとまず最後まで書こうと思います!また数年後帰ってきたときにでも清書すればいいや!www
やっぱゲームでプレイするコスモスフィアと、小説だけで作るのとは大きな差がありますねw
声優の底力と、挿絵と、音楽と、やっぱ文字だけでは補えないものが沢山あってジレンマです><
でもやっぱり第七階層は好きな妄想だったので、うぅ、楽しんでいただければ幸いです><
それでは、どうぞ!


 

 兵士達が俺を追いかけてくるよりも早く、俺はヒューゴの屋敷の塀を飛び越えていた。
 ジューダスは報告に行くと言っていた。ならば行き場所は、きっとここだ。
 何とかして、あいつをヒューゴの支配から開放してやらないと。
 どこから忍び込もうか。いっそ、どこからでもいい気がする。扉を蹴破ってでも、窓を割ってでも、ヒューゴの屋敷に忍び込んで、あいつを縛る何かを探るんだ。
 ふと、エミリオが居る二階の窓を見る。あそこから入っても赤い鎖が邪魔をして部屋から出ることができないのだが、エミリオがどうしているかが気になった。
 だが、窓は今はもう閉められ、カーテンによって中の様子も伺えなかった。
 そのすぐ下の、一階の窓へと手をかける。残念ながら鍵が閉まっていて入れない。まぁ、当然か。
 窓を壊せば大きな音が出る。最終的にはそうしてでも侵入してやるつもりだが、見つかるリスクが少しでも低い場所はないものかと移動する。
 角を曲がったところで、あのメイドの女性と出会った庭が見えた。
「……」
 白黒の床を生めて綺麗な花を咲かせていたそこは、見るも無残に枯れ果て茶色く萎れた花が風に飛ばされ散乱していた。花があったその場所には、やはり土ではなく白と黒の市松模様があるだけだった。
 メイドの女性……マリアンさんは、今どうしているのだろうか。
 不穏な変化に顔を顰め、俺はヒューゴの屋敷をもう一度見回した。更に歩き、玄関前へと辿り着く。
 玄関の大きな扉は、俺を招くように開けっぱなしになっていた。
 随分と無用心だ。こんな大きな屋敷だというのに、城に侵入したときのように中に人の気配を感じられない。
 ハルバードの柄を握り締め、俺は恐る恐る屋敷の中に入った。入って直ぐの部屋は広く、目の前には階段、両サイドの壁には扉がある。
 右側の扉だけが、玄関と動揺に開けっ放しになっていた。
 何かの罠だろうか。……こんなに、分かりやすく?どうする。馬鹿正直に行くか?それとも、もう少し他の部屋を探索してみるか?
 ……ここは、ジューダスの精神世界だ。この世界で起きることは、全てジューダスの心が作り出したもの。例え罠だったとしても、それはジューダスの想いの一部だ。その想いに触れるには、行かないと。
 でも、この世界のジューダスは俺を殺しにかかってる。シャルティエは言っていた。下手したら、精神の死を迎えると。
 そもそも、この世界に来てから心の護であるシャルティエは一度も出てこなかった。きっと、もう、いないのだ。今の今まで出てこなかったのだから、そう考えておくべきだ。第四階層のときのように危なくなったら強制終了してくれる、そんな心の護の存在は、この階層にはない。
 ぐ、とハルバードの柄を強く握り締め、覚悟を決める。
 俺は、死にたかねぇ。でも、逃げてもダメだ。
 ゆっくり、中途半端に開いている扉を押して、部屋へと入り込む。
 誰も居ない。
 この屋敷内もまた、床は白黒だ。思えば、エミリオの部屋だけが石の床と絨毯が敷かれていた。
 左を向けば、壁に大きな絵が飾られていた。その絵が、傾いている。
 近づけば、絵と壁の間に隙間が出来ており、そこに亀裂があった。目を凝らしてみれば、それは壁と一体化しているように見えるドアだった。
 ……隠し通路?大企業の社長の家ってすっげぇな。こんなもんまであるのか?悪の組織かなんかかよ。……って、その通りか
 あぁ、そういえば。ジューダスと初めて出会ったダリルシェイドの牢屋。あそこは元ヒューゴの屋敷だって言ってたな。あの時も、こんな風に隠し通路から俺たちは脱出したんだった。
 過去の疑問に納得しながらドアを開く。そこにあったのは、地下へと続く階段だった。薄暗いが、所々にレンズを使った照明が弱く光を放っている。
 出来る限り息を殺し、足音を殺しながら薄暗い階段を下りた。奥から、僅かに話し声が聞こえる。ヒューゴのものだ。
 この先に、ヒューゴとジューダスは居る。
「フィンレイは死んだか。これで動きやすくなるな」
 聞こえてきた言葉に、息が荒くなりかけたのを必死に押し留めた。
「近々計画に移れるだろう。リオン、ストレイライズ神殿に近づけるときが来たら報告しろ」
「はい」
 恐らく、階段を下りて直ぐの場所にヒューゴとジューダスは居る。これ以上は近づけない。きっと向こうからは俺の足が丸見えになるだろう。
 体に緊張が走る。計画とは、あの騒乱のことだろうか。
 突如、肌に当たる空気の温度が一気に下がったような錯覚が起きた。
「……その前に、入り込んだ鼠の駆除だな」
「……」
 あぁ、ばれてんのかよ。畜生。
 ヒューゴの声に体を震わせた後、俺は息を大きく吐き、そして吸うと同時に開き直った。
 音を立てて、階段を下りる。
「よぉ、ジューダ……」
 降りた先の部屋に、ジューダスとヒューゴが立っていた。そして、その更に奥に、鉄格子があった。鉄格子の間から、俺の存在に驚いたように丸められた目が見えた。
「マリアンさん……?」
 そこには、鉄格子の中に囚われた、この屋敷のメイドであるはずの女性がいた。
「リオン、貴様まだこの男を始末していなかったのか」
「……」
「絆されたとでもいうのか?それとも、この女の命など惜しくなくなったか?」
「違う!」
「ならば殺せ!」
 そうか。……そっか。
 この女性が、そうなんだな。お前が必死に想いを向けていたのは、この人だったのか。
 ジューダス、お前は……ヒューゴに人質を取られていたんだな。
「ロニ、そういうことだ」
 心の中の問いかけに答えるように、ジューダスはそう言って剣を抜いた。
「この世界から出る時間は、いくらでもあったはずだ……僕なんかに深入りしたことを、後悔しろ」
「……ジューダス……」
「この世界では、大切な人は一人しか、生きられない」
 ジューダスと彼女が、一体どんな仲なのかは知らないが、親しいことだけは分かっている。
 彼女を守る為に、ジューダスは切り捨ててきたんだ。四英雄と共に過ごした日々も、フィンレイとの師弟のような関係も
 そして、俺も切り捨てようとしている。
 なぁ、その人はお前の恋人か何か、か?妬けちまうじゃねぇか。虚しくなっちまう。何で、そうまでしてその人のことを想うのだろう。
 新しい事実を前に、ヒューゴへの憎しみよりも醜い嫉妬が湧き上がっているのを自覚して、俺は自嘲した。
「エミリオ!だめよ、こんなことは!」
 緊張が張り詰めた部屋に、突如女性の声が響いた。俺だけではなく、ジューダスまでもそれに反応し、マリアンさんへと視線を向ける。
「その人は、大切なお友達なんでしょう!?お願い、やめて!」
 マリアンさんの視線は真っ直ぐジューダスに、そしてジューダスの視線もまた真っ直ぐマリアンさんに向けられている。
 俺は二人の姿を交互に見たあと、付近を見回し、この場にあの子供が居ないことを確認した。
 ……今の、聞き間違いじゃないよな?
 ジューダスは鉄格子の方へ、マリアンさんの方へと歩み寄る。
「大丈夫だよ、マリアン。いいんだ。僕は、マリアンさえ居れば、マリアンさえ守れたら、それでいいんだ」
「エミリオ!」
 再びマリアンさんは、ジューダスをそう呼んだ。
 どういう、ことだ?エミリオは、この屋敷の二階に閉じ込められている子供だろ?そして、ヒューゴの息子だ。それを閉じ込めていたのがジューダスで……ジューダスの両親は、ジューダスが幼い頃に、殺されていて……。
 そう、俺に教えてくれたフィンレイ将軍は、記憶の中で突如歩みを止めた。慌てて俺は振り返って、フィンレイ将軍の方を振り返るんだ。
 ――さて、どこまでが真実かな
 その途端、この世界に来てから見て、聞いてきた、様々な言葉が頭の中を行き交った。
 閉じ込められた部屋の中。
 ――ううん。リオンに、ここから出ちゃいけないって
 ――リオンに?何で
 ――父さんに言われたから
 人ごみの中に紛れながら告げられた言葉
 ――あの子はずっと何かを抱え込んでいる。密かに、誰にも打ち明けずに、ずっと。
 ――私はあの子のことを、分かってあげているつもりでいて、何も知らないのかもしれない。
 少年の小さな決意と、切望。
 ――僕、マリアンを大切にする
 ――きっと、父様がマリアンを連れてきてくれたのは、僕が寂しい思いをしないようにだと思う
 自嘲に歪められた表情で、ジューダスが告げた言葉。
 ――ヒューゴ様はあいつをいらないと言った
「今は、エミリオじゃない」
 ジューダスは鉄格子を掴むマリアンさんの手を、優しく撫でた。別れ際の抱擁のように、名残惜しげに手を離し、そしてジューダスは俺へと向き直る。
「僕は、リオン。ヒューゴの思いのままに動く駒だから」
 カチ、と。バラバラになっていたパズルのピースがはまる音がした。
 ぞわぞわと、体中を何かが這い回るような感覚がする。
 エミリオは、ジューダスだったんだ。
 この世界に来て、少しずつ触れていったジューダスの過去の世界。それが、繋がった。ジューダスの過去の想いが、リオン・マグナスの裏切りの裏に何があったのか、やっと、わかった。
 屋敷の部屋に一人閉じ込められていたエミリオ。あの子は、ヒューゴを尊敬していると言っていた。きっと、父親だから、無条件にヒューゴを愛しているんだ。そしてあの子は、ヒューゴが母親を愛していたのだと言っていた。だから面影のあるマリアンを雇ったのだとも。そのことに、希望を見出しているようにも見えた。そしてエミリオは面影を重ねて母親のように優しく接するマリアンを愛していた。
 あれは、全部、ジューダスなんだ。
 じゃあ、フィンレイが言っていたリオンの過去とは?そもそも、リオン・マグナスって名前は?
 ……ヒューゴが用意した、嘘なんだ。
 リオンはエミリオを隠していた。ヒューゴに言われて、隠していたんだ!ヒューゴにいらないと言われて、あの部屋に押し込むしかなかったんだ!エミリオとしての自分を!
 エミリオが、純粋に抱いていた想いを、愛を、全部、利用してやがったんだ。
 あの男が、あの、男、父親が。実の父親が!子が親を想う、その想いを全部利用して!ジューダスを駒にしてやがったのか!!
「ヒューゴォオ!!てめぇ、クソ外道がぁああ!!!!!」
 胸から頭にかけて、燃えているのではないかと思う程に、熱くなった。あまりに熱くて、勝手に涙が滲んでしまう程に、頭が沸騰した。
 これ程の怒りを抱いたことなど、ない。途方のない怒りだった。
 ヒューゴ・ジルクリストは俺の怒声を受けても、眉一つ動かさずに事の成り行きを静観している。
 俺の殺気を受けても、怯えることも悔やむことも、怒りを返すことも何もしない。何の反応もないことに、余計と怒りが煽られた。
 実の子だろう!どうしてこんなことができた!どうして!どうしてだ!?エミリオは、ジューダスは!お前のことを父親として、尊敬して、愛していたんだぞ!なのに!
 本来の名前を押し込め、駒として動かし、人質を取って無理やり従わせ、大切な人を殺させた!
「ジューダス!」
 こんなことは、許せない。とても、許せることじゃない。俺が、許さない。許さない!
「ヒューゴをぶっ殺す!そして、マリアンさんも、お前も解放する!!それで全部解決する!!」
 俺はハルバードを構え、ヒューゴへと体を向けながら怒りを吐き散らすように叫んだ。
 視線をジューダスへ向ければ、剣を俺に向けつつも困惑して固まるジューダスの姿があった。
「馬鹿が……無理だ、あいつを殺せるわけがない」
「やってやる!いくらでも!ここは、お前の精神世界だぞ!俺を信じろ!!」
 この怒りだけで、殺せてしまう。殺してやりたい。そう思う程、怒り狂った思いを抱えている。
「お前さえ、いなければ!お前が!なんでお前なんかが!」
 何でこいつなんかが、ジューダスの父親だっていうんだ!
 ヒューゴは俺を嘲笑するように、薄く笑った。
 ぎり、と音が出るほど歯をかみ締める。こいつは、ダメだ。こいつだけはダメだ。殺さないと、ダメだ!
 白と黒の床を、思いっきり蹴って、俺はハルバードを振り上げた。
「やめて!!ロニ!!父さんを殺さないで!」
「っ!?」
 悲鳴のような甲高い声が、階段の方から突如聞こえた。
 反射的に体が硬直する。ヒューゴに振り下ろしかけたハルバードを止め、俺は階段へと目を向けた。
 そこには、部屋から出られないはずのエミリオが悲壮に表情を歪めていた。
「エミリオっ……ぐあぁっ!」
 馬鹿だった。自分でそう罵るも遅い。
 ヒューゴの体が動いたのに気づいて体を動かそうとしたが、間に合わなかった。黒い刃が、俺の腹を刺していた。腹に突き刺さった剣が抜かれ、血が溢れ出す。
 少しヒューゴと距離をとったが、焼かれるような痛みに足が震え、立っていられなくなった。ハルバードを支えに、膝を付く。
「ロニ!」
 エミリオが叫びながらバタバタと階段を駆け下り、俺の方へと走り寄ろうとした。その前に、血に濡れた刃がエミリオの目の前に下ろされる。
「何故ここに居る」
「……父様……」
「その呼び方はやめろと言ったはずだ。ヒューゴ様、だ。弁えろ。私とお前は父と子の関係ではない。そう言ったはずだ。何故ここに居る?」
「……」
 エミリオは恐慌に陥ったような表情でヒューゴと俺を交互に見ていた。
 畜生、畜生!こいつは、部屋に閉じ込められていても、ずっと会いにきてくれなくても、ずっとてめぇなんかのことを、想ってたっていうのに!
 エミリオの思いを酷く裏切る言葉に怒りが沸き立つというのに、足に力が入ってくれない。
「ぐぅ……う……てめぇ……」
「まぁいい。それにしても呆れた男だ。煩く喚き散らしておいて、敵の前で余所見をして重症を負うとはな、随分と滑稽な男だ」
 ヒューゴは黒い刃の剣を持ったまま、俺の方へと歩いてくる。
 ハルバードを握る手から力が抜けそうになるのを必死に堪え、左手では傷を抑え、満身創痍ながらも俺はヒューゴを睨んだ。
 そんな俺とヒューゴの間に、小さな体が割ってはいる。
「ま、待って!父様!」
「邪魔だ、どけ」
 必死に俺を守ろうと立ち塞がった小さな体は、ヒューゴの剣を握る手で殴り飛ばされた。壁に叩きつけられる程の力に、エミリオはその場に崩れ落ちた。
 エミリオに駆け寄ろうと動かしかけた体は直ぐに悲鳴を上げ、その痛みに苦痛の声が喉を支配した。エミリオの名を呼んでやることもできない。
 ヒューゴが俺の目の前まで歩み寄っても、体が動かなかった。こいつを殺してやりたい、そんな怒りと憎しみは馬鹿みたいに膨れ上がっているのに、体が、言うことを聞かない。
 ヒューゴが剣を振るう。それは俺が支えにしていたハルバードの柄を打ちつけ、地面に転がした。支えを失った上半身が惨めにも地面へと崩れ落ちる。視界が狭まる中、腹にまた激痛が走った。
「ぎっ……ぐ、うう……あ……」
 おそらく、ヒューゴが俺の傷辺りを踏みつけているのだ。
「リオン。お前はこんな男に情けをかけて殺さなかったのか?それとも、この男が私を殺せるとでも、思ったのか?」
「……」
「はっ……そこまでお前が馬鹿だとは思っておらんがな……もし、そうだとしても、これで分かっただろう?これが、現実だ」
「ぐぅうううっ」
 体にかけられる圧力が増して、俺は呻く。目の前がチカチカと点滅した。少しずつ、視界が狭まっていく。
 あぁ、ダメだ。やばい、クソ、畜生。
「さぁ、分かったのなら、私に示して見せろ」
 悔しい。おそらくこれが、これがそのまま、あの歴史に残る裏切りの真実なんだ。
 目の前が歪む。悔しくて、悔しくて仕方ない。俺は何も出来ないのか。ジューダスの人生をめちゃくちゃにした人間が、目の前に居るというのに。
 俺が好きになったジューダスを。何でも自分で抱え込んでしまう危うさ、それでも誰かを助けようとする想いの強さ、人の想いに答えようとする優しさ。俺が愛したジューダスの全て。それを、全部、利用しやがった。俺が愛した、ジューダスの全部を利用して、利用するだけしまくって!そして切り捨てやがった!
 その元凶が、ここにいるのに!何も、できねぇってのかよぉ……っ!
 暗くなっていく視界が、ぐるんと回った。多分、蹴って転がされたんだ。体が仰向けに返された。
 ジューダスの顔が、見える。
「ロニ」
 視界が歪んでいて、よくわからない。どんな顔をしているだろうか。何も出来なかった俺に失望しただろうか。
「なぁ、ロニ。これが、僕なんだ。これが僕の世界なんだ」
 あぁ剣を構えてやがる。そうか、お前が俺を殺すのか。俺を殺すことで、駒として生きる覚悟をヒューゴに示すのか。
「僕を想ってくれるのだろう?だったら、受け入れてくれ」
 馬鹿野郎。お前を想うからこそ、こんなの受け入れられねぇよ。
 第六階層のジューダスが、また傷ついちまうだろうが。お前は、いつまでも駒として生き続けることになっちまうだろうが。エミリオとしてのお前は、ずっと寂しい思いをもったまま、部屋の中に居続けることになるだろうが。
 あぁ、悔しい。悔しくてたまらない。
 目の前が更に歪む。目じりから耳にかけて涙が零れ落ちた。情けねぇ。あぁ、畜生。
 頼む、誰かこいつを助けてやってくれ。頼む、頼むから。
 迫ってくる剣を前に、切に願った。
 
 ジャララララと、金属の擦れる音が、遠くなり始めた耳に届いた。
 ……なんだ?
 暗い視界を、何とか凝らして見る。なんだ、でも変わらずなんか、暗い。……黒い?
「き、さま……何で、この階層に」
 ジューダスの震えた声が聞こえる。驚いているような、怯えているような。
 何だ?ジューダスはどこにいった?剣は?
「一度引くぞ、ロニ」
 続いて、今度は震えることのない、聞きなれた冷静で力強いジューダスの声が聞こえた。
 そこで意識が完全に途絶えた。
 
 
 
 
 
「おい、ロニ。起きろ」
 ジューダスの声が、聞こえる。なんで?どうなった?俺は……俺は……。
 目を開けば、真っ赤な鎖の空がまず目に入った。そして視界の端に、いつもの骨の仮面を被ったジューダスがいた。
「あ……ジューダス!?」
 慌てて体を起こそうとして激痛が走り失敗する。
「動くな。傷を癒せ」
 腹を押さえて唸る俺の胸辺りを押さえて起き上がれないようにしながら、ジューダスは冷静にそう言った。
 脂汗をかきながら周囲を確認する。外だ。どこだ?ヒューゴの屋敷じゃない。町の外れか?木が見える。
「何が、起きたんだ……お前、何で……」
「先に回復晶術を使ってくれ。現実で回復晶術を使えない僕ではコスモスフィアと言えどもそう簡単に治癒ができない。先に晶術を」
 真剣にそう急かされ、俺は自分の体を確認しようと首を上げる。気づいたジューダスが後頭部に手を添えてくれた。俺の腹の傷には布を押し付けられ、止血をしようとした後があった。痛みは強いが、ヒューゴに刺された時よりも意識はしっかりしている。ジューダスが俺に何かしらの治療を施していたということだろうか。考えながらも俺は腹へと手を当て、ヒールを唱えた。
「全く、こんな所まで深入りして……危うくお前を失うところだった」
 横目でジューダスを見れば、俺の腹の傷が塞がっていくのを見て僅かに緊張を解いた様子で、そう言った。
 今ここにいるジューダスは、リオンの姿をしていない。服は俺のよく知る黒衣だし、仮面をつけている。どういうことだろう。第七階層にはそれでなくともジューダスが二人いたというのに。リオンの格好をしたジューダスと、幼い姿のエミリオと名乗るジューダスと……。こいつも、この階層に住む人格の一つなのだろうか。
 普通、一つの階層に人格って一つしかないものじゃないのか?その人格がその階層の世界を作り出してるって感じだと思ったんだけどな。
 だが、何はともあれ、この仮面を被っているジューダスがあの場から俺を助けた出してくれたのだろう。
「お前が、助けて、くれたのか」
 ジューダスは晶術をかける俺の右手にそっと触れた。
 このジューダスは、リオンの格好をしたジューダスと違い、俺を生かそうとしてくれている。あれだけ、狂おしい程に家族の愛を捨てられず、俺を殺そうとしていた人格があったというのに。
 でも、ジューダスの本質は、やっぱりエミリオやこいつ、第六階層のジューダス見たいな奴だと思う。第七階層のリオンの格好をしたあいつは、その本質を利用されて、狂わされたんだ。想いは一緒だというのに、相反してしまった第七階層と第六階層の姿に胸が痛む。
 こいつは人との繋がりを大切にするあまりに、ここまでボロボロに傷ついちまってたんだ。
 ジューダスは表情を険しく歪めた。
「当然だ。あんな奴にお前を殺されるなんて、耐えられない」
 誰かを酷く貶す言い草に一瞬思考が止まる。
 あんな奴……?ヒューゴのことか?
「だが、この世界に干渉することが許されたのは、お前のおかげだな。ロニ、感謝する」
「ん……?」
「僕は第八階層に存在する人格だ。今まで他の階層に直接干渉することは許されなかったんだ」
 第八階層?更に深い階層から来たってのか?今は俺が踏み入ることのできない階層の人格が?……そんなことも、あるのか。いや、あって当然か。第六階層は第七階層の人格に破壊されたのだから。
 でも、今まで他の階層に干渉が許されなかったってのは何だ?
「干渉……?許されなかった……?」
「お前が危険になったから、干渉を許された。お前のおかげだ」
 よくわからないが、俺を助けに来てくれたことだけはわかる。「そっか、ありがとな」と俺は小さく感謝を述べた。
 その頃には腹の傷はかなり癒えていた。血が足りなくてまだふらつくが、傷口は塞ぐことが出来た。現実の世界よりもかなり晶術の威力が強まっている気がする。
 ゆっくり上体を起こす。後頭部を支え続けていたジューダスの手が背中へと移動し、体を起こすのを手伝ってくれた。腹は少し痛むが、動けない程ではなくなっていた。ふぅ、と溜息を吐く。あぁ、死ぬかと思った。
「すまない、ロニ。これでわかっただろう?リオン・マグナスがどれだけ危険な男なのか」
 俺の溜息から自責の念に駆られたのか、そう告げるジューダスに視線を合わせる。ジューダスは眉をぎゅっと寄せ、この世界の人格である第七階層のジューダスを蔑むように言った。
「自分の為なら、何だってする。お前だって殺す。あいつは、あいつの小さな世界さえ守れたらそれでいいんだ。……どうしようもない、自分勝手な奴だろう?」
「ジューダス……っ」
 聞いていられなくて、俺はジューダスに抱きついた。
 自分で自分を蔑むな。あれだけ必死に生きてきた己の姿を、傷つけるような言い方はして欲しくない。
「突然どうした」
 声は淡々としているが、突然抱きつかれたことでジューダスの体が強張っている。でも俺はジューダスを更に腕の中に抱き込んだ。
 確かにこの世界は異常だ。でも、その元となっている想いは、俺が愛したジューダスそのものだ。それなのに、それなのに
「くっそ、くそ……畜生!あれが、あれがお前の過去なんだな……っあれが……」
「ロニ、落ち着け」
 目頭が熱くなる。
 あれが、現実に起きたんだ。ジューダスはこの異常な世界の中を、たった一人で生きてきたんだ。そうして、戦って、死んで、歴史の中でもずっと罵られている。
 俺の、大切な人が。俺の愛した想いが、そうやってめちゃくちゃに踏みにじられている。
 こんなに悔しいことは、ない。こんなに憎いことはない。こんなに悲しいことはない。何とかして開放してやりたい。助けてやりたい。
 今、目の前にいるジューダスは、過去のリオンとして生きたジューダスではなく、きっと、今、俺達と共に旅をしているジューダスだ。だからきっと、ヒューゴに縛られていない。
 俺はジューダスの肩を掴んで一度体から離し、強く訴えた。
「ジューダス!一緒に戦おう!戦ってくれ!一緒にヒューゴを倒すんだ!そうすればきっと、この階層のジューダスを救うことができるんだろ!?」
 この階層を救うには、それしかない。ヒューゴを殺せば、きっと救われる。
 だが、ジューダスは無表情のままで短く答えた。
「不可能だ」
「…っ!?何でだよ!」
「ロニ、これは過去の映像だ。現実ではない。惑わされるな」
 どういうことだ、と眉を寄せて見れば、疑問を悟ったジューダスは続けた。
「過去の存在であるヒューゴを、殺せるわけがない。全て起こってしまったことだ」
 気づかされて、俺は息を呑む。
 そうだ、これは全部過去の話。ヒューゴは四英雄によって討たれて死んでいる。……そして、ジューダスも。
 じゃあ、この世界は何も変わらないのか?変えられない歴史として、ずっと苦しみ残るのか?……違うんじゃないのか。ここは歴史や記憶そのものなんかじゃないだろう?精神の世界で、想いの世界だ。この階層のジューダスは、未だにヒューゴの支配から逃れられていない。
「それでも、ヒューゴを倒すんだ。あんなの、辛ぇに決まってる!父親を、乗り越えねぇと!辛いだろうけど、あんな糞野郎、切り捨てるんだ!もう、ヒューゴの駒として生きるのが正しいだなんて、思わなくていいように!」
「ロニ、不可能だ。リオンとエミリオが居る限りそれはできない」
「なんで!!」
 どこまでも淡々と答えるジューダスに俺だけが馬鹿みたいに叫んだ。
 この目の前のジューダスも、第七階層のジューダスも、何だってこんな冷静なんだ。それが、腹が立って仕方がない。悲しくて仕方がない。ジューダスはこの階層を受け入れてしまっているんだ。諦めてしまっているんだ。俺だけが、それを受け入れられない。まるで駄々をこねているようだ。
「エミリオのヒューゴに対する期待と、リオンが抱くヒューゴへの恐れがそれを不可能にしている。僕だって過去、馬鹿正直にあいつの言いなりになっていたわけじゃない。反抗したことだってある。だが全く歯が立たなかった。その恐怖がこの世界のヒューゴに力を与えているんだ」
 ジューダスは文章をそのまま読むかのように、感情を込めずに言った。今のジューダスは何でもないことのように言っているが、実際その時、どれだけ恐ろしかっただろうか。
 あのヒューゴの糞野郎は、どれだけジューダスを痛めつけてきたっていうんだ……っ!
 奥歯をかみ締め、引きつらせる俺の頬に、ジューダスがそっと手を当てた。
「ロニ、もう一度言う。惑わされるな。この世界はお前が思っているようなものじゃない」
 どこまでも冷静さを失わないその言葉と、優しく触れる手に少し荒立った気が削がれる。
「……どういう意味だ?」
「例えヒューゴを倒せたとしても解決する世界じゃない」
 俺が思っているようなものじゃ、ない?ヒューゴを倒しても解決しない?どうしてだ?どう見てもこの世界の異常はヒューゴが原因だろう?
「意味が、意味がわからねぇ……俺は、お前を救いたいんだよ!なぁ、どうしたらいいんだ!」
 ジューダスの手が俺の頬から離れていった。そのままジューダスは立ち上がる。
 俺を静かに見下ろして、やはり表情も声も感情を乗せずに、ジューダスは言った。
「リオンを殺せばいい」
「……は?」
 意味を理解できないままにジューダスを見上げる。ジューダスは瞬きをするだけの人形のように、それ以外の動きも感情の変化も見せなかった。
「ちょっと待て!どういうことだよ!」
「そのままの意味だ。この階層を作り上げている人格は危険だ」
「馬鹿言うな!俺はお前を救いたいんだ!あいつもお前の人格の一つだろ!」
 慌てて俺も立ち上がる。腹に痛みが走ったのを無理やり無視した。
「この世界は袋小路だ。決して逃げ道はない。ロニ、この階層から出るんだ」
「ダメだ!この世界を放って出られるか!」
 くっそ、相変わらずこいつは、どうしてこうなんだ!なんでそういう選択に行き着いた!?
「何でリオンを殺さないといけないっていうんだ!もう一度言うぞ!?俺はお前を助けてぇんだよ!お前も、あのリオンの格好してるお前も!エミリオって名乗ったお前もだ!」
「ならばお前はあいつに殺されてもいいというのか?」
 ジューダスは突然、俺の直ぐ横、背後に向けて剣を真っ直ぐ構えた。その切先を追って後ろを振り向く。そこにはもう一人のジューダス、この階層のリオンとして生きてきたジューダスが居た。
 追ってきたのか。
 リオン姿をしたそいつの後ろには、真っ白い手。あの神の手があった。ここは城の後ろ側か。
 二人のジューダスが向かい合って立つという、現実ではあり得ない状況が目の前に起きていた。
 リオンは抜き身の剣を右手に持ちながら少しだけ俺達に近づき、声が届く距離で足を止めた。仮面に隠されることのない素顔には、追跡者だとは思えない怯えが見え隠れしている。
「……何故だ、何故お前がここにいる。お前はどの階層にも来れないはず……」
 リオンはそう言って、剣を僅かに振るわせた。こいつ、第八階層のジューダスを、自分自身を恐れているのか?
 一方、ジューダスはリオンと違って不遜な態度で目を細めていた。やはり深い階層の人格なだけあって、同じジューダスといえども力の差が歴然としているのだろうか。
「お前が調子に乗るからだ。お前は決してやってはいけないことをやろうとした。……お前はロニを殺そうとした。だから僕は解放されたんだ。これでようやく、お前を殺せる」
「ジューダス!?」
 ジューダスも、剣を抜いた。言葉通り滲み出る殺気に慌てる。止めなければと思うのだが、あたりを探しても俺のハルバードは見当たらない。きっとヒューゴの屋敷の地下に置き去りだ。
「お前は本当に醜い。ロニ、わかるか?リオンはお前を殺したいんだ。お前を殺してしまう自分を、お前に受け入れて欲しいんだ。……なぁ、そうだろう?」
「え?」
「そうやって、お前に甘えているんだ。なぁ?」
 ジューダスは薄く微笑んだ。穏やかに、寄り添うように放たれている言葉の裏には、確実に蔑みが含まれていた。
「人質を取られていたから仕方がない、家族を求めていたのだから仕方ない、自分を分かってくれ、理解してくれ、この世界が存在することを許してくれ、認めてくれ、そうロニにずっと訴えているのだろう?」
 ジューダスが明らかにしていく事実に、俺は目を瞠る。
 リオンの表情が歪み、肩が震える。それが大きくなって、今にも何か爆発してしまいそうになったとき、ジューダスの目と言葉は一気に冷たくなった。
「シャルが消えて、リオンを認めてくれる存在が身近になくなった。それで焦ったのか?無様だな」
 リオンの肩が跳ねた。リオンの唇は戦慄き、言葉を発せない様子だ。
 その反応を見る分にも、ジューダスの言葉が、真実に聞こえる。
 これだけの狂おしい想いを抱いていながら、それを認めてくれる存在が、今、この世界には存在していないんだ。唯一、ずっとこの狂った世界に寄り添っていただろうシャルティエは、いなくなってしまった。
 過去、ジューダスの希望だったマリアンさんとは、十八年という月日と死後であるという厚い壁によって隔たれている。
 今、過去のジューダスを知り、受け入れてくれる存在は、ジューダスの近くに居ない。通り過ぎていく町人は皆、裏切り者のリオン・マグナスを蔑み貶している。
 それは、どれだけ恐ろしい孤独だろうか。
 ジューダスの言葉は正しかった。俺は、勘違いしていた。
 この世界は、ただ単にヒューゴの支配に縛られた世界だったわけじゃない。
 途方もない孤独を抱え込んだ世界なんだ。
 そのあまりにも悲しみに塗れた世界を前に、俺は唖然とした。
「受け入れられるわけが、ないだろう。こんな世界」
 その切ない願望を、ジューダスは斬って捨てるように言った。堪えられない感情が湧き出たかのように、その声は震えた。
 リオンだけでなく、ジューダスからも、何かしらの強い想いが感じられて、俺は動けないままジューダスを凝視した。
「お前はリオンだ。ジューダスとして、僕はお前を必要としていない。僕は何も必要としていない」
 剣を持つ手をゆっくり上げながら、ジューダスはリオンへと歩み寄る。黒と白の床の間を、一歩一歩ジューダスは踏んで行く。
「ロニだって、リオンなんか必要としていない」
「ジューダス!?」
「嘘だ!」
 聞き捨てならない言葉に、反射的に名を呼ぶと同時に、ここに来てようやくリオンが反論するように叫びを上げた。
 だがジューダスは両者の声に揺るがされることなく、自分の考えが絶対であるかのように無情に歩みを進める。
「嘘なものか。ロニが求めたのはジューダスだ。ロニと共に歩める人間だ。リオンでは決して共に歩むことはできない。お前は、全部殺してしまうから。この世界は、マリアン以外の大切な人は生きられないだろう?」
 リオンの顔が、くしゃっと、歪んだ。
「ロニがリオンを知ろうとしてくれることに期待でもしたか?ロニが求めているのは、ジューダスの過去だ。リオンと共に生きる道じゃない」
「おい、待てよジューダス!勝手なことを言うな!」
「ロニ、お前だって言っていたじゃないか」
 俺の言葉を遮るように重ねて、ジューダスは言う。俺やリオンと違って声は平静で、決して荒げられているわけではないというのに、何故か異様に力を感じた。
 リオンを見据えていたジューダスが、顔だけをゆっくり俺に向けた。
「リオンなんて知らない。今のジューダスを信じる、と」
 衝撃が走った。
 それは、エルレインによってジューダスがリオンだと暴かれたときに告げた言葉だ。
 似たような言葉を、それ以降も言った覚えはある。
 だが
「そうじゃねぇ!そういうつもりで言ったんじゃねぇ!」
 まさか、ここまで、想いが届いていなかったなんて。
 俺はリオンの存在をかき消したいと思ったわけでも、受け入れたくないと思ったわけでもない!例えどんな過去だろうと、今のジューダスを信じることに変わりはないって!そう伝えたかっただけなんだ!お前は、それを分かって俺たちに心を開いてくれたんじゃなかったのかよ!?
「誰もリオンなんて求めていない。そもそも」
 互いに持っている剣が触れ合うぐらいの距離まで、ジューダスはリオンに近づいた。剣が触れそうになったとき、リオンが怯えを隠そうともせずに一歩退いた。
「ジューダス!」
 駆け寄ろうとしたとき、足元から黒い鎖が遮るように五本現れた。それに思いっきりぶつかって、慌ててそれを掻い潜るも、また新たな黒い鎖が生まれる。気づけば、二人のジューダスと俺との間に鎖の壁が出来ていた。金属の擦れあう音が止み、静寂が戻った世界にジューダスの声がやけに響いた。
「この世界に、リオンは既に存在しない。死んでいる。それが、正しい歴史だ」
 世界が一気に、暗くなった気がした。気づけば、世界を覆っていた赤い鎖が一気に錆び付き始めていた。
「……いやだ」
 体と声を震わせ、今にも泣きそうになりながらリオンは言った。あまりにも、可哀想だった。あのジューダスが、不遜な態度で、プライドの高いジューダスが、追い詰められている。
 ジューダスが剣を持つ手を引き、真っ直ぐ構えた。
「僕は歴史を修正する」
「いやだ……いやだ……いやだ!!」
「やめろ!ジューダス!!」
 リオンはその手に持った剣を手放し、自分の体を掻き抱くように守ろうとした。視界を自ら遮り、目の前の光景から逃れるように体を縮めた。戦い方を知らない子供が目の前の脅威に咄嗟にとった行動のような幼稚さを感じる動きだった。
 そんなリオンの腹を、ジューダスは躊躇い無く刺し貫いた。
 ガシャン、と、世界を覆っていた赤い鎖が打ち砕かれ、落ちていく。リオンの背後にあった神の手が、一気に光の粉となって四散した。
 リオンの口から鮮血がこぼれる。
「あっ……あ……僕は、……生きて、いたい……僕はっ……やだ……この世界が、消えるのか?……やだっ……いやだ……」
「ジューダス……ジューダス!」
「シャル……シャル……いやだ、消えたくないっ!」
「ジューダス!」
 目の前で起きたことがただ信じられなくて、俺は黒い鎖を両手で握り、馬鹿みたいに只々、名を叫んだ。
 リオンに刺さった剣をそのままにジューダスは手を離すと俺の方へと体を向ける。
「ロニ、これからこの世界を全て破壊する」
「ふざけんな!おい!!!ジューダス!!」
「ここに居てはお前も巻き添えになって精神を壊してしまう。出て行ってくれ」
「ジューダス!馬鹿野郎!!待て!おい!!」
 言っている意味は全くわからないが、それが止めなければならないことだと、本能的に思った。
 だが、どれだけ鎖の隙間から腕を伸ばしても、リオンにも、ジューダスにも手が届かない。
 それどころか、更に地面から生えた黒い鎖が俺の体を巻き取り、宙へと持ち上げていく。
「さようなら、ロニ」
「ジューダス!!」
 二人のジューダスとゆっくり距離が離されて行く。どれだけもがいても、黒い鎖は無情に俺の体を持ち上げていくだけだった。
 ジューダスは別れを告げると、血を流し唖然としているリオンへ再び向き直り、その頬を両手で挟み、顔を近づけた。その手は思いの他、優しかった。
「なぁ、リオン。もう疲れたろう。僕も、もう疲れた」
 右手を頬から離し、今度は慰めるように頭を撫でた。
「現実から背こうとするな。もう終わったんだ。この世界は」
「ちが、う……」
「リオン。僕達は失敗したんだ。僕達は、なれなかった。……家族にも、忠実な駒にも、なりきれなかった」
 インの世界が、少しずつ崩れていく。城も朽ちて落ちていく。どんどんと、崩落していくのが見えた。
 生気を失ったように見えるリオンの瞳から、涙が一つ、零れ落ちた。
「だからヒューゴは、僕達に死ねと命じたんだ」
 ジューダスの言葉が、じゅう、と俺の胸を焼いた。
「僕達はもう終わったんだ。捨てられたんだ。僕達はもういらない。でも、それでいいって、決めたじゃないか」
「やだ……」
「なぁ、もう疲れただろう?これが現実だ。どう抗ったって、絶対変えられない現実だ。抗うのは、疲れた。受け入れよう?……抗うのは、許されないことなのだから」
「……っ」
 今すぐに、二人を抱きしめに行きたかった。
「ジューダス!!ジューダス!!そんなことねぇ!!聞け!!ジューダス!!」
 ヒューゴが死ねと命じた分だけ、生きてくれって伝えたい。ヒューゴに否定された分だけ、俺がお前の存在を肯定してやりたい。
 なのに、手が届かない。声も届かない。どんどんと離れていく。
 俺がどれだけ声を張り上げても、二人とも俺に見向きもしない。
 ただ、悲痛に満ちたジューダスの声だけが、世界に響いた。
「僕達はもう、死んでいるんだ」
 第七階層が崩壊して消えるのが、見えた。
 そうして、視界は真っ暗に塗りつぶされた。
 
 
 
 
■下手したら本編並みに長いあとがき
 
 ふわぁあ。第七階層、ほんっとうに難しかったです。なんとかまとまったでしょうか?自信はないがもう諦める!
 
 あぁあああぁあジューダスせつねぇえええええええ!!!!
 あぁ、滾った。第七階層たぎった。切ない。切ない。
 第七階層はロニの活躍0ですね!!!!ジューダスの自己完結ともいえます。
 見ていることしかできなかったロニちゃんは、辛かったでしょうね。
 
 この第七階層が……第八階層のジューダスが現れ、第七階層を破壊するまでが、ジューダスの抱える深い傷です。
 ジューダスまじつらたん。せつない。超せつない。
 こんな超切ない妄想したから悲しくて、たぎって、小説にしたのがdiveともいえるのぉおん。
 
 初めてD2プレイしたとき、「リオンなんて知らねぇなあ」っていうロニの台詞に、不安を感じたんです。
 ジューダスの過去を知った後、彼の過去を認めるとかじゃなくて、見ない素振りをしているのかと思って、臭いものに蓋をしたかのような感じがあって。
 本当は、過去がどうであれ、ジューダスを信じることに変わりないよって意味なんでしょうけどね。
 リオンの過去について、特別深く感想を言う姿や思考する姿を見たわけでもなかったので、そのとき「本当に彼らはジューダスを、過去のリオンも含めて受け入れてくれたのだろうか?」って不安を感じたわけです。まぁデリケートなお話なんで意図的に避けてシナリオが作られたんだろうなとは思うんですけどね。その部分だけD2のキャラクターっぽさを感じないというか。
 まぁ、何はともあれ、それが、内緒のジューダス像に大きく影響しているんです。
 内緒の中のジューダスは、内緒の不安通りに、リオンに蓋をして、贖罪だけの為に短い一生を使い捨ての道具のように消費させようとしてます。つまりロニ達の言葉の真意を汲み取ってないんです。
 ちなみにジューダスは「リオンなんて知らない」という言葉をそう受け止めたときに、悲しみも失望も抱いてません。今のジューダスを認めてくれるだけで凄く感謝してます。だからロニがリオンを庇うのを「何で?」って普通に疑問視してます。
 まぁ、日本語って難しいもんで、思いがすれ違うのはよくあることですねw
 
■見苦しい言い訳
 第七階層はリオンとエミリオの二つの人格が作り上げてます。
 で、ジューダスのコスモスフィアでは リオン・エミリオ・ジューダスって名前分けはかなり重要になってる設定です。ジューダス自身が、自分の存在に名前をつけて分けて考えてしまっているんです。エミリオとリオンは同じだけれど、ヒューゴがエミリオを否定してしまったのと同じような感じに、ジューダスもまたリオンとエミリオの存在を無意識に否定してます。
 そんな中、ロニがリオンやエミリオも「ジューダス」って呼ぶのを大切にしたかったんです。だから第七階層のリオンをわざとらしくずっとジューダスって呼ばせてたんですが……第八階層ジューダスと第七階層リオンが揃ったあたりで挫折しました/(^o^)\小説の見易さから、もう諦めて第七階層リオンはリオンと、第八階層ジューダスはジューダスと書いてます。ちくしょう。小説むずかしい。
 
■ここで下らない自問自答のQ&A
 Q.なんでエミリオ部屋から出てこれたの?
 A.エミリオもまた第七階層の人格の一つなのでやろうと思えば赤い鎖を操れます。
 コスモスフィアは精神世界なので、基本、その階層の人格が強く願えばそれが叶う仕組みになっているんです。妄想や想像がそのままの世界になるので。
 その階層の世界を作り出しているのはその階層にいる人格なので。本来はその人格の思いがまま!ってやつです。
 ただ、それを邪魔する想像が、過去のトラウマとか体験によって同時に生成されたりすると、叶わなかったりします。
 例えば、ヒューゴを倒すということも、リオンとエミリオが本気で強く、心の底からヒューゴを倒すんだって願えば、コスモスフィアの世界ではそれが可能です。
 ただ、リオンは過去にヒューゴにこてんぱんにやられたトラウマを持っており、エミリオはヒューゴを愛する思いを持っているから、ヒューゴに逆らおうとしないんです。だからこの階層ではヒューゴが絶対の権力を持っており、ヒューゴに絶対の権力を持たせているのはリオンとエミリオの無意識の想いなんです。
 そして、エミリオは部屋に閉じ込められているわけですが、これはリオン一人の想いの力ではないんです。エミリオ自身も、この部屋にじっとしていないといけないんだって、状況を受け入れているから成立しているんですね。
 なのでエミリオが本気で出ないと!って思えば、出れます。エミリオちゃんはヒューゴ厨です。父さんが危ないっていうのを感じ取って出てきました。
 
 Q.リオンさん屋敷の入り口開けっ放しにしてたり無用心過ぎませんかねぇ?
 A.わざとです^p^
 この階層は、過去に世界よりマリアンを選んだリオンの想いというのを上辺としています。でも本質は、そんなこの世界を受け入れて欲しいという想いです。
 この階層のリオンは受け入れられないだろう?なぁ?受け入れられないだろう???受け入れられるわけがないんだ。だから帰れって言ったのに!ってツンしながらも、裏では受け入れてくれないのか?なぁ、受け入れてくれよ……。ってデレがあります。
 認めてもらいたいんです。この狂った世界に踊らされているリオンという人格を。許して欲しかったんです。それでも、生きたいと願うことを。
 (´;ω;)ブワッ ロニなら受け入れてくれるんじゃないか。でも僕はロニを殺してしまう。そんな狂おしい人格。
 そんなわけで入り口開けっ放しにしてたのは、早く見に来てよっていうデレです。
 
 
 
■ではでは、恒例の第七階層の設定についてです。
 第七階層は生前ジューダスの縮図ですね。
 リオンとして生きていた頃は、第一階層から第九階層までリオンとしての世界が殆どだったけれど(残りエミリオ)。ジューダスとして甦った生では殆どジューダスがリオンとしての過去とか、私的な感情を押し殺そうとしているので殆どの階層がジューダスメインの人格となってて、リオンの人格は第七階層と第六階層に押しやられています。
 ものすごく強い罪の意識と、死人として生きる覚悟から、本来生きていたリオンとしての人格をジューダスが否定しているから、こんなにもリオンだった人格が押しやられちゃっているんですね。
 その為、この第七階層はリオンとしての過去そのものやトラウマで形成されていますが、その本質は生への執着だとか、リオンとしての生を肯定して欲しい思いとか、こんな手を汚すようなことでしか生きられないけれども、それでも生きることを認めて欲しいとか、そんな人間らしい思いが凝縮された世界(人格)って設定です。
 ロニに期待しちゃって、リオンとしての自分を受け入れて欲しい。その為に、マリアンの為にロニを殺す自分を受け入れて欲しいって思っちゃう。そんな狂おしい感情を持ってます。ヤンデレ。
 ここまで激しくなってしまったのはシャルティエがいなくなってしまったからです。唯一、現実世界でリオンやエミリオを知って共に居てくれたシャルティエが居なくなってしまった苦しみは計り知れず、リオンとしての存在を肯定してくれる人を強く求めたんです。
 このままではロニを殺してしまう危機感から、第八階層のジューダスが解き放たれました。
 第八階層のジューダスは歴史修正とか贖罪、自分の死を受け入れている人格です。人間らしさをかなり捨ててます。自己否定の塊です。その想いが暴走することの多い第八階層のジューダスは、放置しちゃうと自殺する程の勢いをもってたんです。それを生への執着を持ったリオンとか、同じように歴史修正と贖罪の使命をもった意識がつなぎ止めてて、第八階層のジューダスは出来る限り動けないようになってたって設定です。だからリオンは「何でこの階層に」ってびっくりしてます。
 でも第八階層って凄く深い階層にいるだけあって、ジューダスという集合意識に与える影響はとても強いです。
 【正史の存在であるロニ>超えられない壁>自分】
 ってことで、ロニ殺すなら自分ぶっころ!ってことで集合意識は自殺願望すらある第八階層ジューダスを解き放ち、コスモスフィアを破壊しちゃいました。そんな、痛々しくも虚しいお話でした。
 第六階層でシャルティエが「ロニがリオンを殺すかもしれない」って言ってたのは本気でそう思ってたわけじゃないんです。ロニが深入りすることによって第八階層のジューダスが解き放たれる。結果的にロニがきっかけでリオンが殺されるこの事態を、実は恐れていたんです。
 
 リオンはシャルティエが居なくなったからこそ余計と暴走してロニを殺そうとし、ジューダスもまたシャルティエがいなくなったからこそ自己否定が更に過激化して第七階層を破壊したっていう。シャルティエの喪失はジューダスの精神のバランスを大きく乱しちゃったのです。ってのを前から妄想してたけれど、もっと現実でもバランス危うくしてる伏線張っておいたらよかったって書いてて今思ったよ。まぁでもそんな中をダイブしたから余計とバランス崩したんやけどね!ダイブしなかったら神殺すまでは精神ちゃんと持ったと思う!あと少しだからってゴールが見えるのも支えになるからね!すっごい後ろ向きな思考の支えだけど!
 
 そんなわけで、ロニが第八階層のジューダスに助けを求めたのは痛恨のミスですw
 ジューダスはリオンとエミリオという本来正史に存在しない者を抹消しようとする人格です。リオンもエミリオも助けたいロニとしては全然頼りにならない相手に泣きつきましたww
 ただ、第七階層は第八階層ジューダスの言う通り、袋小路でどうしようもない世界なんですよね。
 こんな世界でも認めて欲しいって想いですが、でもこの世界に寄り添える人間はマリアンとシャルティエしかいないんです。ロニは殺されちゃう側。受け入れるには殺されるしかない。または、リオンと一緒に四英雄を殺すしかない。
 どれだけそれ以外の方法を求めてヒューゴを倒そうとしても、過去は絶対変えられないからそんな方法はないんです。悲しいね!
 
 この第七階層はリオンの階層ですが、絶対権力を持ってるのはヒューゴinミクトランです。
 周りは全部チェスの駒。リオンも駒。皆駒。ヒューゴ恐ろしい子。地面、床が白黒市松模様なのはチェスの盤上意識してます。途中で住民が一斉に居なくなったのはロニを殺す任務を受けたリオンが動きやすくなるようにヒューゴが仕掛けたっていう裏設定。裏の世界を簡単に動かすヒューゴの力をリオンはこんな風に感じていたってことで。
 この世界のヒューゴが排除を決める人間は、マリアン以外のリオンの大切な人です。図らずしも、過去ヒューゴの計画上排除を命じられた人物がリオンにとって大切な人が多く含まれたのでそのトラウマからこの世界のヒューゴはリオンの大切な人を排除してきます。その裏にどんな野望や目論見があるかはリオンも全てを知っているわけではなかったと思うので、この世界のヒューゴにそこまでの考えもありません。ただただ、マリアン以外の大切な人というのはこの世界には生きられない。そういう世界になっちゃっています。
 リオンはマリアンを守るためにヒューゴのいいなりとして生きることを選んだ人格です。マリアンだけが僕の全てです。
 
 エミリオはとっても素直で純粋な本質に近い存在ですね。家族として父や母を無垢に想うエミリオです。癒し。
 でもヒューゴによって家族であることの否定を受け、リオンはエミリオを部屋に押し込めました。
 エミリオが居る部屋は王宮暮らしになる前、人目を避けて育てられた坊ちゃんがずっと与えられていた部屋って設定です。
 エミリオはヒューゴを尊敬しています。愛されていなくてもお父さん大好きです。でも愛してもらえない悲しみを素直に持っています。それが憎しみには変わってません。
 ちなみにエミリオの部屋だけ床はチェス盤じゃないんです。駒になれないから捨てられた子なので><
 
 リオンにとってマリアンのいる花畑の世界だけが、唯一盤上であることを忘れさせてくれる場所でした。
 でも、お花で隠れているだけで、盤上であることには変わりありません。リオンまじ救われねぇ……。

Comment

  1. 高梨茉莉 より:

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  2. 内緒 より:

    こんにちは茉莉さん!いらっしゃいませ!
    第七階層読んでくださりありがとうございます!!
    わぁあジューダスの雁字搦めの世界に切なさ、やるせなさ、感じてもらえてよかったです><リオンの絶望的な人生を感じ取れる世界観を少しでも表現できてたなら私は本望!やったぁ!
    もう彼の切なさはほんと泣けますよねorz
    リオンさんまじ救いようがないので悲しいですよねorz もう妄想するたびに本当に救われなさに唖然としてしまいます。
    ミク様のえげつなさは天下一品orz
    そう、それなんです茉莉さん!!もうほんと、小さな世界を守るために必死なリオンも、些細なことで幸せを感じて愛を求めるエミリオもほんと健気で愛おしくて涙がでちゃいます(‘;ω;)ぶわっ
    そしてそんな、本来なら素晴らしく綺麗な想いを、利用しつくしたミク様のえげつなさorz
    もうロニちゃんの「ヒューゴクソ外道がぁ」はロニちゃんの一生の中で一番ブチ切れたくらいの勢いで言ってもらってるつもりですw内緒の中ではw
    ロニちゃんの叫びがまんま内緒の叫びでしたw ロニちゃんいけいけもっとだー!
    でも話の都合上、ロニちゃんにストッパーかかるっていうorz
    この不完全燃焼は今後のロニちゃんが解消してくれるだろうってことにご期待ください!w
    第八階層ジュダはもう、ほんと、内緒の中のジュダ像が極端に現れた子です。
    茉莉さんも似たようなジュダ像だったようで、感無量です!書いていたときに「原作と離れてるかなー?うーん。どうなんだろうなー」とかちょっと迷っていたので><よかったぁ!
    そうなんですよね。夢イベ後ふっきってるように見せてて、ジュダは常にネガティブにしか見えないんですよね。自ら死に向かって突っ走ってるからなんでしょうけどね。リアラと違って転生に賭けるでもなく、「一度死んだ男が手にするには余りある幸せだ」とか、もうどんだけ欲望薄いのとorz
    嘘だろ……?ジュダちゃん……嘘だって言ってくれよ……もっと生きたいだろ?お前だって人間だろもっと欲深くていいんだぜorz
    っていう内緒の願望が第七階層リオンなんですけれど、それを思いっきりぶち壊すのがやっぱりジュダでしたorzもうほんっとこの子は……。だがそれがいい。
    ロニ兄さんにはほんと頑張ってもらわないとですね!w
    D2メンバーのリオンの過去にあまり触れないことについての消化不良、茉莉さんも感じておいででしたか!w
    でも私としてはそれをいいことに、色んなパターンでリオンの過去に対してどんな反応をするのかを妄想しまくっているので、むしろここまで曖昧にされなかったらこんなに小説書かなかったかもしれないなとも思ってますww原作でリオンの思いを拾って欲しかった気持ちが強いですが、D2の世界はわりと何が起きてもまぁ不思議じゃねぇな!って感じなのが(神とかハロルドとかw)あるので、余計と二次がやりやすくてwwwなにこの苗床住みやすいみたいなww
    でも一方で、やっぱり釈然としなかったD2メンバー(ロニ)の「リオンなんて知らねぇなあ」って言葉に対して、今回の第七階層の崩壊は内緒からのあてつけ見たいなところがありますww 「ホラ!ロニちゃん言葉足りないからジューダス壊れちゃったじゃんか!!」 っていうw 八つ当たり的なww ロニごめんwww
    私も茉莉さんとの萌え共有ジュダ像共有で滾り補充できました!ありがとうございますぅううう!!!
    茉莉さんとジュダのイメージがほんと近いようで嬉しかったです!!
    またのお越しをお待ちしております><!
    コメントありがとうございました!