R18 ウネ男とビリ男がローを触手姦する話(途中)

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ローが連れ込まれたのは街外れの小屋だった。恐らく空き家を勝手に使っているのだろう。

未だにローの体は言うことを聞かなかった。ジンジンと痺れる感覚が酷く、腕も足も異常に重く感じる。無理やり動かして触手をわずかに引くことはできても、その動かす感覚すらまともに知覚できないほどだった。そんなローの僅かな抵抗すら二人の能力者にとっては面白いらしく、彼らは触手の中でもがくローの姿をいちいち嘗め回すように見ていた。

小屋に辿り着いてもウネウネの実の男は能力を解こうとはせず、それどころかご自慢の能力を使い小屋の内装を触手一色に変えてしまった。小屋の壁だった場所は触手の壁と変わり、そこから伸びる触手によりローは両腕をまとめ上げられ、立ったままの状態で触手の壁に縫い付けられることとなった。

「さぁて、何から始めようかなァ」

「すげェ……たまんねェな……あのトラファルガー・ローを好きにできるなんてよ……」

涎を垂らしそうなねっとりとした男たちの呼気がローまで届く。重力のままに頭をぐったりと垂らしていたローは、思うように動かない中も必死に力を込めて僅かに顔を上げると二人を睨む。歯を噛みしめながらふー、ふー、と荒い息を立てている。苦し気に寄せられた眉に震えている瞼。それでも険しく睨みつける鋭い金の眼光に、ウネウネの実の男はにやにやと笑った。

「あァ……ほんとたまんねェよ……お前を犯したくてこの数年間、おれは気が狂っちまいそうだったんだぜ」

男は新たに触手を伸ばすと、ローの首から頬へとねっとり絡ませ顔をぐい、と上げさせた。ローは変わらず冷ややかな目を向けてくる。ウネウネの実の男はにやけが止まらなかった。

「その顔、今からぐちゃぐちゃにしてやるからな」

ウネウネの実の男はローの鎖骨へと顔を寄せ、そこに舌を這わせてから唇を押し付け、ジュゥと吸い付いた。

ローの体が震えた。怯えなどではない。あまりの嫌悪感と、同時に湧き上がる怒りによるものだ。

ウネウネの実の男はローの鎖骨を舐めながらも触手と繋がる右手をグイッと引き、触手の拘束を強める。ローは反射的に彼を殴り掛かろうと腕を動かしていた。痺れているはずの腕でよくこれだけの力が出るものだと、ウネウネの実の男は恐れと関心を抱きながらその力を触手で完全に抑え込む。

「クソがッ! 気色悪ィ! 離れろ!!」

鬼の形相でローが叫ぶ。暴れる体を完全に触手で抑え込まれ、それでも必死にそこから逃れようと体に力を入れている。腕と足を必死に動かし触手が僅かに引っ張られるが、空しくもすぐに引き戻された。

「……クソッ……!」

無駄な抵抗にしかならないことを悟り、ローは悔し気に歪ませた顔を背けた。頬に這わせた触手はそれを阻害することなく、あざ笑うように彼の頬をぺちぺちと叩く。ウネウネの実の男は「んふふふふふ」と堪えきれない気持ちの悪い笑い声を出しながらローから一歩離れた。

「そう怯えるなよ。痛いことはしねェからさァ。そういう趣味はねェんだ。安心しろよ。お前さんも一緒に楽しもうぜェ? ……さてと、それじゃあ……」

始めるとしますか。

ウネウネの実の男は歪んだ笑みのままに言い、触手を出していなかった左手を突き出す。そうすれば、彼の左手の五指から細長い触手がビュッと伸びてローへと襲い掛かった。

今まで出ていた触手はどれも手首ほどの太さであったが、今度の触手は指程度の細さ。それはローの体まで辿り着くと容易に彼の服の間へと入り込んでいく。首を這ってパーカーの襟から胸へと入り込み、腰へと這っていく。足首を這ってジーンズの裾から潜り込み脹脛から太ももへと這っていく。腰へ向かった触手はパーカーの裾から潜り込んで腰から胸へ行くものもあれば、ジーンズへと上から入り込むものも。

「……っ」

粘液をまとった細い幾つもの触手に素肌を這われ、俯くローの顔が嫌悪感で更に歪んだ。

少しずつ体の感覚が戻ってきているが、だからこそ痺れを感じる手足を触手に好き放題いじられる感触は形容しがたいものであった。痒いような、ジンジンするような、背筋が震えるような不快感に襲われる。服の中に入り込んだ触手は、特に太ももの内側や胸といった際どい部分を重点的に這っていき、男の意図をはっきりと伝えてくる。不快感と怒りで息が荒くなる。

そんなローを二人は恍惚とした表情で見ていた。服の上からわかる触手の膨らみ。それが至る所で蠢きローを苛んでいる。服に隠れて完全には見えないからこそ、想像を掻き立てられて興奮した。

ビリビリの実の男は鑑賞と決め込んでいるのか、触手の椅子(もともと椅子であった触手の塊)に腰かけ、自分の股座に手を這わせながらローを卑しい目で見ている。それに気づいたウネウネの実の男は、両手の指で触手を操りながらビリビリの実の男の方へと顔を向けて言う。

「おいおい。オナってねェでそろそろ脱がしちまおうぜ? ハサミで切ってくれよ。おれは両手が塞がってんだ」

「その器用な触手様ならハサミも扱えるんじゃねェのか? まァ、絵面が微妙か」

ウネウネの実の男からの苦言にビリビリの実の男が軽口を叩いて立ち上がる。彼は持ち込んでいたバッグから大きいハサミを取り出した。刃の部分で自分の左手をぺちぺち叩きながらゆっくりローへと歩み寄ると、彼の足から首元までを舐め回すように見た。服の下で触手が暴れまわっているのがよくわかる。ビリビリの実の男は自分の下唇を舐めた。

「いいねぇ。すげぇなぁ。服がぐにゃぐにゃしてんじゃん。どんな感じなんだぁ? うん?」

触手の不快感に耐えるように目を瞑っていたローは、男の言葉に目を開くと男を睨み上げた。息を切らしながら睨んでも男を愉しませるだけであった。

「ふふふ。言いたくねェってか。じゃあ、見せてもらおうかなぁ」

ローのパーカーの裾が触手によって僅かにめくれ上がっている。そうして露出した彼の腹へとハサミの刃をぺちりと当てた。冷えた鉄の感触にローの体が僅かに揺れるのを楽しみ、男はハサミを開いてパーカーの裾へと当てる。

ジョキ、ジョキ。大きくゆっくりハサミを動かし、黄色い薄手のパーカーを裾から上へ向けて切っていく。大きく前が開いて行く。その下から綺麗に割れた腹筋と、その陰影をなぞるように這う触手が露わになる。二人の男がそれをじっとりと見つめる。同時に、彼の肌に大きなトライバルタトゥーが彫られていることにも気づいた。

「うわぁ。こりゃぁ……いいな」

普段から晒されている腕と手のタトゥーは知っていたが、胸のタトゥーを見るのは初めてだった。ハートの曲線を描く黒の刺青。それは彼の指の刺青とは違い威圧を感じることはなく、今も彼を蝕む触手と同じように、彼に巻き付き縛り付けているようにさえ見えた。そそられる光景に舌なめずりをし、ビリビリの実の男は襟まで完全にハサミを入れる。完全に前が開いたパーカーがはらりと両側へ裾を垂らした。後には細い触手の蠢くローの上半身が晒される。服という戒めがなくなった触手は更に自由に動き出し、おもむろにローの胸の飾りをくにくにといじり始めた。

「はは。もう粘液でテッカテカじゃねェか。乳首起ってんぜ? 気持ちいいのか?」

ローは顔を下へ向けたまま答えない。

恥じているわけではない。反応すれば相手を喜ばせるだけであることをわかっているからだ。乳頭は性的興奮がなくとも温度や触覚によって勝手に勃起するものだ。その常識を伝えたとてこの二人には通じないだろう。今のローにはこの脳みそが生殖器になったような馬鹿二人に対する苛立ちと嫌悪感しかない。当然ながら気持ちよさとは正反対だ。

しかし、ビリビリの実の男にローの内情を気にするつもりなど欠片もない。目の前の光景に興奮し、ジーンズのウエスト部分をぐいと握って引っ張るとハサミを入れた。ひんやりとした感触がローの下腹部に当たる。ウエストの厚い部分すらものともせず、大きな裁ちバサミは無情に衣服を切り刻んでいく。右横腹から股にかけて真っすぐ入れられた切込みから、ローライズの黒の下着とジーンズの下を這っていた触手が顔を出す。男はその切込みからさらに太ももの方へ一つ、そして左の方へ枝分かれするように鋏を入れ、あとは興奮のままにウエスト付近と太もものジーンズに好き放題に切り込みを入れる。ウエストの生地はくったりと重力のままに太もも付近から垂れ、下着が丸見えになった。

「へっへっへ。下着がビショビショじゃねェか、ローちゃん?」

粘液にまみれた触手に這われた下着は濡れそぼっている。切り刻まれたジーンズの合間を好き放題縫いながら、触手の先端はそろそろと下着の膨らみを撫でては粘液の糸を引かせていた。

男は俯いたまま固く口を閉ざすローを見た後、下着の上からローの股間を掴む。びくりと体を揺らして息を飲んだローの反応に満足しながら、そのままその膨らみを摩った。

「ぅ……」

さすがに性器に直接刺激を与えられて一切感じないなんて無理だろう。それが芯を持ち始めたのを感じ、男は笑った。

「ん~~いいねェ! 気持ちよくなってきたか! 触手に全身を這いずりまわられて、乳首とちんこ触られて気持ちよくなっちゃったかァ~!」

ギギギ、と歯を食いしばる音が聞こえた。ふぅ、ふぅ、と荒い息の合間に、ふっと笑うような吐息が混じる。男がローを見れば、ぎらぎらと殺気の光る眼でローがこちらを睨んでいた。その口の端が嘲笑に歪んでいる。

「絶対、殺してやる」

怒りを通り越して狂気すら感じるような、壮絶な殺気を込めた笑みだった。全身絡めとられて動けやしないというのに、その瞳だけで怖気が走った。心臓が縮み上がってしまったかのようにバクバク言っている。息が詰まった。

しかし、それだけだった。それでも、やはりトラファルガー・ローはここから逃れることは叶わない。ぞわぞわと動く触手にいいように肌を嬲られている。その様を観察したビリビリの実の男は軽く頭を振り、その恐怖を性的興奮へと変換して笑った。

「はは。ゾクゾクするね。こりゃ、たまんねェわ」

それはウネウネの実の男も同じだったのだろう。わずかな時間触手は動きを鈍らせていたのだが、次には性急に動き出した。上ではそろそろと触るだけだった乳首に噛みつくように触手がぶつかり、下では下着の上から尻穴を押し付けていた。

あれだけの壮絶な殺気を見せつけたローの表情が、歪む。それを確認して、二人は安堵と更なる興奮を覚えた。

ウネウネの実の男は一つの触手をローの太ももより下着へ潜り込ませると、くいと下着を引っ張って浮かせ「おい」と相棒へ声をかける。ビリビリの実の男は心得たとばかりに口角を上げ、触手が持ち上げた空間へとハサミを入れた。下着はあっけなく切断され、切れて残った布が太ももまで落とされた。

ローの眉がギュッと寄せられる。あられもなく不届きものに晒された下肢。そこに視線が集中するのを肌で感じてしまう。その耐え難い羞恥と怒りにローの頬が熱くなる。

ビリビリの実の男はへらへらと笑いながら露になったローの性器を掴んだ。ローの腰がびくりと震える。

「へへ。ちょっと固くなってんじゃねェか。ノリ気じゃん?」

ローは俯いて答えることはなかった。男は特に気にせず、ローの性器をゆっくり扱き始める。

「……っ」

どれだけ怒りを覚えていようとも、どれだけ嫌悪感を覚えていようとも、性器を直接刺激されれば体は勝手に快楽を拾ってしまう。そうなってしまえば、今まで嫌悪感でしかなかった触手による全身の愛撫も性感に変わっていく。

内股、横腹、背中、項、ぬるぬると撫でられる触手の感覚に気が高ぶられる。股下を、後孔の周りを、触手が粘液を押し付けるようにさすっている。性器の下の会陰の部分を撫で、時には強く押し込まれる。性器への愛撫も相まってじわりと熱くなる。荒い息の合間に声が漏れそうで、ローは唇を噛んだ。刺激を嫌がってローの体が身じろぐ。

「なんだよ。気持ちいいなら素直に声を出せばいいんだぜ?」

ウネウネの実の男がにやにやと笑いながら言う。俯いていたローが顔を上げて男を睨み上げた。それを狙っていたかのように、先が小さな口のようになった触手がローの乳首に食いついた。

「っ……!」

ちゅぅ、と吸い上げられ、怒りに満ちていた表情が砕ける。男たちの手によって睨むことすらままならなくなったその瞬間を、まざまざと見せることになった。

「へへへへへへ! ほんと堪らねェよあんた!! きっとこうなると思ったんだ。こんな顔を見たかったんだ!」

ウネウネの実の男が声を張り上げて興奮する。男の操る触手はその感情の昂りに影響されることなく、ローの乳首をやわくちゅぅちゅぅと吸い、そのまま伸ばすように離れていく。これ以上伸びないところまで行けば、触手に吸われながらちゅぽんと離されることになる。その一瞬の強い刺激にローの体がびくんと震える。ぞわぞわと体を這い上がる感覚に耐える間もなく、起った乳首を今度は触れるか触れないかの絶妙な感覚で擽られる。

「ふ……ぅ……、ん……」

くしゃ、と歪む表情。噛み締められた唇の端からとうとう小さく声が漏れた。

「おぉ? 乳首気持ちいいのかよぉ? え?」

「クソがッ! 気色悪ィんだよ!!」

ビリビリの実の男の言葉にローが吠えるように言う。冷静さは全て剥ぎ取られ、先ほど見せた迫力は今やない。ビリビリの実の男が笑みを濃くする。

「そーかぁ。気持ちよくねェのか。可哀想になぁ。じゃあ、もっとよくしてやんねェとなぁ?」

演技がかった声で男はローのペニスから手を離すと、触手を避けながら下から上へローの体を撫で上げつつ胸へと両手を這わせる。ローの乳首をいじり続けていた触手がさっと引くのと入れ替わりに、男は両方の人差し指でローの乳首をコリコリと弄った。ゾワゾワするその感触にローが耐えていると、男はおもむろに人差し指と親指で乳首を摘まみ上げる。そして、

「行くぜ?」

にやり、とビリビリの実の男が笑った。その瞬間 ――

バチッ

「ひっ!?」

ローの体がひときわ大きく跳ねた。目をかっと見開き、胸を突き出すように背を反らせる。その後、男の手から逃れるように逆に背を丸めるも男は手を放さなかった。ローの体がビク、ビクと痙攣する。俯き、ギリリと歯を食いしばっている。

胸に強すぎる刺激が起こったのだ。それはいつまでも尾を引きジンジンとローを苛む。

ややあって、ローは理解した。目の前の男が能力を使って胸に直接弱い電流を流したのだ。ツンと勃った乳首は神経が過敏になり、男がコリコリと親指と人差し指を使って摩れば、それが二倍、三倍の刺激となってローに襲い掛かってきた。

「ひっ! ……んぅ……っ」

痺れる乳首に触れられれば、勝手に体がびくりと反応してしまう。むき出しの神経をなぶられるような感覚だった。

「はは。可愛い声が出てんじゃねェか。どお? やっと乳首も感じてきた?」

そう言って、ビリビリの実の男はローの胸へと顔を寄せると、右の乳首に舌を這わせて舐めあげる。

「ひぅっ!!」

それだけでぞわっと痺れのような感覚が体中に広がる。神経をなぶられるたびに勝手に体が跳ねて辛かった。

「じゃ、放置されて可哀想なおちんちんはおれが慰めてやるよ」

ローの性器に触手が巻き付いていく。筒のようになった触手が前後に動き、ローの性器を扱き始めた。滑りのよいぬるぬるとした触手が極上の締め付けを与えながらピストンする。くちゅ、ぐち、と聞くに耐えない音が漏れる。

「ん……ん、……ふ」

「うわ。触手のオナホか。えっろ。」

「ふふ。ちんこがびくついてんのがよくわかるぜ?」

再び始まった性器への刺激。直接的な快楽が暴力のように送り込まれる。痺れるような胸の刺激は陰茎への刺激によって快楽に溶け込み、同時に刺激されて上から、下から、体中に一気に広がる。こそばゆさや痛みとしか感じなかったはずの乳首への刺激を、脳が快楽だと捉え始めている。

「は……ぁっ……く、そ……さわ、んな……!」

薬のように回り始めた快楽からどれだけ逃れたくとも、体中に巻き付く触手がそれを許さない。ただされるがままに快楽を受け続けるしかなかった。

「おーおー。完勃ちしてんじゃん。イきそうなんだろう? 素直になれよ」

「ちんこの先から気持ちいいですーって、よだれがでてんぞ? ヘハハハハ!」

触手の動きが早まる。じゅくじゅくの肉筒のようなそれに性器がしゃぶられる。こんなことは望んでいない。望んでいないのに、そこは熱く、重くなって、先走りを零していた。

(いやだ……)

ぴん、ぴんとビリビリの実の男が人差し指で乳首を弾く。その度にジンと痺れるそこは強すぎる刺激を受ける。同じタイミングでローの体が跳ねる。触手の筒がスピードを上げてローを追い詰めていく。くちゅん、くちゅんと音を立て、粘液が泡立つ。

「ふ、ぅ……うぅう……」

視界がチカチカする。腹の奥底から胸に駆け上がり、脳へと何かが迫ってくる。

(こんな……)

こんな奴らに好き勝手に体をいじられ、それに快楽を得てしまうなんて。こんな奴らの前で、無様に射精するなんて。いやだ、いやだ。そうどれだけ心が悲鳴を上げていても、快楽から逃れられない。触手が容赦なくローの性器を扱き上げる。追いつめられる。脳が沸騰する。溶ける。来る、来る。迫ってくる。嫌だ、嫌だ。

「ぅ、んぅううう!!」

視界が滲んだ。頭が真っ白になる。

びゅく、ぴゅ、とローの陰茎から白濁が飛ぶ。線を書くように勢いよく飛び出したそれはすぐ近くにいたビリビリの実の男の腰にかかった。

「ハハハハ! めっちゃ勢いよく出るじゃん。汚れちまったよぉ。そんなに気持ちよかったか?」

男の言葉はローには届いていなかった。どうにか耐えようと必死になった末、それでも強制的に絶頂させられたのだ。「あ、……あ……」と小さく悲鳴を上げ、ただ神経を嬲られては体がびくりと反射させるだけだ。触手に囚われながらも背が弧を描くように反り返り、天井を仰ぐ瞳は焦点があっていない。触手にまとわりつかれたままの陰茎が上下にひくひくと動いている。

「おーい、戻ってこいよ。聞こえてるー?」

ビリビリの実の男が自分にかかったローの精液を右手で拭い、ローの頬へこすりつける。少量の白濁が頬に塗りつけられた。

「うっわ。エロ」

ローの瞼が震え、ずっと詰めていた息がようやく吐き出された。再びローはがくりと頭を項垂れさせ、肩で大きく息をする。触手による責め苦が一度収まり、僅かな休みを許された。ビリビリの実の男はそんなローの顔を覗き込む。

「触手のオナホ、気持ちよかった? ご感想は?」

「…………死、ね」

不自由な呼吸の合間、ローは重い瞼を必死に持ち上げ男を睨んだ。恥辱によるあまりの怒りに声は震えている。それでもようやく男を睨むだけの体裁を取り戻したところだった。だが――

ずるっ

「うあっ!」

いともたやすく、それは再び奪われた。

今まで後孔の入り口をなぞるだけだった触手が、とうとうそこに入り込んできたのだ。

指ほどの太さであるそれは粘液に塗れてぬるんと簡単に奥まで入り込む。その気持ちの悪さにローは目を見張る。そうしている間にローを拘束する太い触手が動き、彼の左足を膝から釣り上げた。ローの足に引っかかる切り刻まれたジーンズの布が揺れる。太ももを高く上げさせられたことにより触手に蹂躙される後孔が二人の能力者の前に剥き出しとなる。

「……っ」

触手はねっとりとした粘液をローの中へと塗り込むように、何度も何度も出ては入ってを繰り返し、彼の中を濡らしていく。ちゅくちゅくと、音を鳴らしながら。濡れた孔からとろりと、粘液が糸を引いて下に落ちる。ビリビリの実の男がごくりと唾を飲んだ。

「やべェ……ぶち込みてェ……」

「……もう完全に雌穴だな」

ビリビリの実の男がズボンの前を寛げる。もうずっと前から興奮して窮屈だった逸物を取り出し、はぁ、と感嘆の息をねっとり吐きながら自分の息子を撫でた。

ローはその醜い欲の塊に思わず目を向け固まる。男たちの言葉から何が目的かはわかっていた。わかっていたが、こうして実際に他人のペニスを目の前にし、あれを自分の中へ挿れようとしているのだと再認識させられれば、その嫌悪感に体は硬直した。目ざとくそれに気づいたビリビリの男がにやりと笑う。

「どうした? 怯えてんの? それとも期待してる? へへ、おれの自慢の息子、なかなかいいサイズしてるだろ?」

ビリビリの実の男はいきり立つペニスをローの内腿へペチペチと叩きつける。今触手によって蹂躙される後孔のすぐ近く。そこに熱く生々しい肉の触感を与えられローは顔を歪めた。

「おいおい、挿れんなよ? まだまだやりてェことがあるんだからよ」

背後から水を差され、ビリビリの実の男の眉がくい、と上がった。残念そうに目を伏せ、小さく首を横に揺らすとため息交じりに笑う。

「ハー、お前我慢強いなぁ。仕方ねェ、まだおあづけだってよ」

ビリビリの実の男は不満そうに言いつつも、本心から反発はしていないようであった。結局、彼はウネウネの実の男と思うことは同じなのだ。早急に突っ込んで終わりにしてしまうのはもったいない。ローをあの手この手で犯す時間を少しでも長く愉しみたいのだ。

ウネウネの実の男は笑みを浮かべ、触手を操る指を動かす。新たにもう一本、細い触手がこじ開けるようにローの後孔へと潜り込んだ。

「うぅ……」

中を広げられる感覚にローが呻く。二つの触手は絡まりながら交互に挿入を繰り返したり、同時に中に入り込んでは別々の方向へと体内を引っ掻く。好き放題に中をかき回され、ローの額に冷や汗が浮かぶ。

「おいおい、気持ちよくしてやれよ? おれはトラファルガー・ローの善がり顔が見てェんだからよぉ」

「わあってるよ。だからこうやって丁寧に優しく解してやってんだよ。なぁ? ローちゃん」

ウネウネの実の男の言葉にローは俯いて答えない。目を瞑り、歯を食いしばって腹の中の感覚に耐えている。

「じゃ、代わりにおれが可愛がってやるよ」

ビリビリの実の男は今まで弄り続けてきたローの乳首をべろりと舐めると、右手を下へと伸ばす。二本の触手が仲良く蠢きあう孔の淵へと指を滑らせ、ぐいぐいとそこに押し入る。指三本分の質量に後孔は異物の侵入を防ごうと縮むが、男は無理やり指を進めた。

「はぁ……すげェ。粘液でねっちょりしてきゅうきゅう締めてくる。もう女だぜ、これ。へへ、ぐじゅぐじゅに濡れちまってんなァ?」

男は指で浅い場所を探り始めた。男の意図を察してローの息が震える。その時が訪れても無様な声を出さなくていいように歯を噛み締めた。

こりゅ。

「……っ」

たやすく、そこは見つけられた。びくりとローの体が動き、中がきゅっと収縮する。

「へへ。トラファルガー・ローの前立腺、みっけー」

そう言って男は楽しそうに中指でそこを擦り始めた。一定のリズムですりすりと撫で、トントンとノックする。執拗に、しかし優しく。それがローにとっては腹立たしい。この男たちは己の快楽を優先して強引に事を運ぼうとしない。先ほど公言したように、ローが望まぬ快楽に翻弄される姿を楽しんでいる。それはローにとって一番屈辱的なことだ。しかしそのプライドを砕くように、腹の奥は熱くなっていく。男が指を動かすのと同時に、ローの殺しきれない息が漏れる。ギリギリと奥歯を噛みしめ、唯一自由な頭を縮こませるように俯く。

「……ふっ…………っ、……」

男の左手が胸を撫で、不定期に乳首を弾く。性器に絡まりついて動きを止めていた触手がやわやわとその動きを再開した。

中に入った触手は更に奥へとずりずり入り込み、ローの中を広げていく。気持ち悪さしか感じなかった奥深くへの侵入も、熱となって染み込んでくる。

「……ぅ………く、…………んぅ……」

すりすり……トントン……。

男のリズムは変わらず一定だ。それに対し、ローの息は徐々に速くなって行く。最初はじわりじわりと広がっていた熱が、どんどん耐え難い快楽となって腹の中を駆けずり回っていた。ローの太ももが震える。きゅぅきゅぅと後孔が収縮する。腹がびくびくとのたうつ。無理やりの射精で萎えていた性器は再び硬くなっていた。

(ぁ……ぁ……いやだ、そこばっかりは……)

前立腺は男の泣き所だ。刺激されればどうしても性感を受けてしまう。わかっていても、男でありながら挿入されて快楽を得る背徳感に胸を掻きむしられる。怖い。そのままそこを刺激され続けるのが怖い。抗えない性感がどんどん膨れ上がってくる。自分が自分でなくなる。快楽が、迫ってくる。

ビリビリの実の男が俯くローの顔へ触れそうなほど顔を近づける。ローの表情が屈辱に歪む。顔を見られたくなかった。自分の顔に快楽が滲んでいない自信がない。尻の穴を弄られて快楽を得ている姿など、見られたくなかったのに。

「ほら、どうだ? ケツん中、気持ちよくなってきただろ? ん?」

「はっ……、あ……くそっ、が」

男は笑う。指を変わらず動かし続けて。トントン、スリスリ。きゅぅうと腹の奥にたまる快楽が胸へと突き抜けてくるのを耐えながら、ローは必死に男を睨む。

とろけそうになりながらも必死に自我を集め、尚鋭く光る金の眼。それを見つめ、男は更に笑みを濃くした。

「んー? 気持ちよくない? …………そーかぁ、可哀そうに。気持ちよくないのかぁ~」

演技がかったふざけた声。

しかし、含みを持たせるようにゆっくり、低い声でビリビリの実の男は言う。

ずり、と前立腺を撫でられる。ひゅ、とローは息を呑み目を見張った。この問答に既視感を感じたからだ。

「じゃあ、気持ちよくなるように……してやらねェとなぁ?」

すりすりと、ビリビリの実の男は前立腺を撫でた。ローの内股が震える。見開かれたままの金の眼が震える。

「……ぁ……」

「気持ちよく、ねェんだろ?」

ビリビリの実の男がにやりと笑う。男が左手で乳首を弾いた。未だに痺れて敏感になっている乳首を。

「あっ! ……ぁ…………く、ぅ……」

能力を受けた時の、あの脳を焼かれる感覚が蘇る。乳首は未だ触られなくともジンジンと疼いて勝手に快楽を拾っている。最初は何も感じなかったはずなのに、そのように変えられてしまった。

あれを再び、男が右手でなぞるそこへ……前立腺へ、能力を使われてしまえば……。

ハ、ハ、とローの息が荒くなる。焦りと恐怖と緊張に体を震わせる。こめかみに汗がつたう。

ビリビリの実の男から見ても、あのトラファルガー・ローが揺れたのが分かった。ローは今、どうにかビリビリの実の能力から逃れる術はないかと思案している。そうして、脳裏に掠めたはずだ。男の望む通りの屈辱的な言葉を口にすれば、それから逃れられるだろうと――。

あのトラファルガー・ローが、自ら「気持ちいい」と口にすべきかどうか、今、きっと考えた。考えさせた。

屈辱に歪むローの表情を間近に見て、ビリビリの実の男は顔を歪みに歪めて笑う。

「ふ……ふ、う、ふふ……ひ、は、ひははははははは!」

グリグリと、一際強く男は前立腺を押しつぶした。ローが「ぅあっ」と小さく声を上げ体をびくつかせる。

「ははははは! 言っちまえよ! トラファルガー・ロー! ほらァ! 早く!!」

男が喚く。

ローの目が、一瞬虚ろになる。しかし、光を失いかけた目はそれを晒すことを厭うようにぎゅっと閉じられた。歯を食いしばり、先ほど脳裏に掠めた考えを振り払うように頭を振る。ふー、ふー、と整えるように長く息を吐きだし、そしてカッと目を見開いた。

未だにその目には恐怖と焦りが滲んでいる。それを無理やり抑え込む狂気染みた怒りと自尊心の元、揺れる金色の目が、男を睨みつけた。

「ハ……ハ、ァ……くた、ばれ……変態野郎……!」

ビリビリの実の男は眉を寄せた。トラファルガー・ローを哀れに思って。ビリビリの実の男は口角を上げた。今から起こる未来を思って。

後孔に埋められた男の指が、淡く光る。

 

バチンッ!

 

「あ゙っ……あ゙ぁあ゙あ゙ぁぁあああああっ!!」

ビクビクビクン、とローの体が跳ねる。ぐっと背を反らし、薄い腹が弧を描いてびくびくと戦慄く。目を見開き、涙を滲ませ、ぜぇはぁと必死に息をするだけの生き物となり果てている。後孔はきゅぅう、きゅぅうと能力者の男の指を締め付けていた。

それは快楽と呼ぶには暴力的すぎる絶頂だった。ローの性器から精液は出ておらず、先走りだけがとろとろと触手を濡らしている。性器を刺激されての射精による絶頂ではない。体の奥からの刺激による雌イキだ。それは射精と違って快楽が長く長く尾を引く。放出されることのない性感が苛み続ける。

「ほんっと、素直じゃねェんだから」

強制的に絶頂させられたローを眺め、ビリビリの実の男は嗤う。

ローの腰が揺れ、きゅうきゅうと収縮する後孔によってローの尻に残る触手がふらふらと揺れる。二本の細い触手は今、ウネウネの実の男とは繋がっていなかった。ビリビリの実の男が能力を放つとわかり切り離していたのだ。もう動かないはずの切り離された触手が後孔の収縮に合わせて生き物のように動く。その卑猥な様にウネウネの実の男が声を荒げた。

「ふはっ、やべェ! もう動かねェ触手を咥えこんで離しやしねェぞ!!」

ぬるつく触手は重力のままに少しずつ抜けていく。今や刺激を何倍にも感じる敏感な内壁をこすりながら、ゆっくり、ゆっくり抜けていく。

「ふ、ぅうう……んんんっ」

ビリビリの実の男も指を抜いた。それにより触手が抜けていくスピードが上がる。ぬるり、ずるりと重力に従い、そして抜け落ちる。その衝撃に今だ天を仰いだまま焦点の戻らぬローが喘ぐ。

「ぁぁあ……あっ……ひ、あ……」

ちゅぷんと抜けた触手はぺちりと下に落ちた。咥えるものがなくなった穴が何かを喰むように収縮する様が顕になる。ローの目尻に溜まっていた生理的な涙がとうとう溢れて頬を伝った。

未だ前立腺に直接能力を受けた衝撃は収まらず、ジンジンとした痺れが疼きとなってローを苦しめる。体の痙攣は止まらず、イキ続けているような絶頂感から抜けだせない。

だというのに、ビリビリの実の男は容赦なく、再び指をローの後孔へと突き立てた。今度は三本、いっぺんに。

「ひああっ! あ、……あっあ、あ゙ぁあ!」

ぬるりと簡単に受け入れられた指は再び前立腺を捉え、一気にそこを刺激し始めた。能力により鋭敏になったそこを、ぐいぐいと強く押しこみ、そのままぐりぐりと擦り付ける。先程までの一定のリズムとは打って変わって、激しく、粘液が泡立つ程にぐちゃぐちゃとローの中を掻く。バチバチと、目の前で火花が跳ねているかのように脳を揺さぶる快楽。ローは為す術もなく叫んだ。

「あぁあ゙あ゙ああ! や、だ、あぁああああっ!!」

「ハハッ! 喘ぎまくってやがる! オラオラ! 気持ちいいんだろ!? 認めちまえよ!! 今イッてんだろうが! ケツをぐちゃぐちゃに掻き回されて気持ちよくイッちまってんだろォ!?」

「あぁあ゙ああああぁ! あ、が、あ゙ああぁあ、あ゙ぁあ!」

凄まじい速さで三本の指を動かされる。男の手のひらがその度に会陰に打ち付けられ、パチュパチュパチュパチュと 水音を立てる。泡立つ粘液が白くなって合間からこぼれ落ちる。

バチバチと目の前が点滅する。強すぎる快楽に体が勝手に何度も跳ねる。

神経を嬲られている。苦しい。気持ちいい。辛い、イッてる。イく。

ローの四肢がどうにか快楽を逃がそうと暴れる。両腕を下へ叩きつけるように、触手を引きちぎろうと動かす。しかし触手をわずかに引くだけで、拘束からは逃れられない。

声を我慢することなど忘れ、ローは唸るように叫ぶ。四肢を暴れさせ逃れることも叶わないなら、せめて声だけでも出さなければ気が狂いそうだった。

「ふぅ、ゔ、うううっ! んゔぅうううああ! あ゙ぁ、あ゙ぁああああ! あ゙ぁあ゙あああ゙ああ!」

ぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃと音を立てて激しく擦られ続ける。ぎゅううと後孔が強く強く指を締め付ける。ビクビクと、どれだけ腰が跳ねて揺れようとも、男は決して前立腺から指を離さず、無理やりそこを擦り続けた。

「ほら。もう中めっちゃ痙攣してんじゃねェか。何回イッてんだ!? おい!!」

「あ゙ぁっ! 〜〜〜〜〜っ!! っ!! ぁ……っカハッ……」

びくんびくんと一際大きくローの体がのたうつ。上乗せされる絶頂にもはや声すらでず、呼吸もままならない。はくはくと口が鯉のように動き、口の端から唾液が垂れた。

もう、ずっとイかされている。昇り詰めたそこから降ろさないようにずっと刺激され続け、そこから降りることができていない。イッている状態で、更にイかされている。何度も、何度も。

あのトラファルガー・ローが。あの端正な顔が、生意気な顔が、ゾッとするような冷たい殺気を乗せる金色の目が、今やとろりと溶け、顔を涙と唾液で汚して、息すらままならずに喘いでいる。

ビリビリの実の男は最後に中を引っ掻くようにしながら勢いよく指を引き抜いた。その衝撃でひときわ大きくローの体が跳ねる。

男は粘液で濡れる自分の指を払いながら体制を直してローを見る。ようやく男の指責めから解放されたローがびくびくと体を痙攣させながら触手に身を任せるようにぐったりしている。金の目は涙に濡れて虚ろになっていた。

「ははっ、指マンで善がりまくって涎まで垂らしちまってよぉ……」

「…………。」

ローの目に光が戻らない。ウネウネの実の男が薄く笑って指を動かす。吊るされていたローの左足がゆっくり降ろされ、次いで彼を支える両腕や全身の触手が緩んでいく。

どちゃりと音を立ててローは地面に崩れた。切り刻まれた衣服と触手が絡む体はくったりと倒れ、今もなお時々痙攣する。正体を失くし、どろどろに汚れたまま触手の海に埋もれるように倒れる様は、ずっと二人が見たかったものだった。

欲の笑みを濃くして、ビリビリの実の男がローの頭の方へとかがみ、ぺちぺちと彼の頬を叩く。

「まーた飛んじゃってんの。ケツでイかされまくってもう気を失っちまったの? なァ、おれもう限界なんだけどー?」

男は出したままの自分の一物を撫でてため息を吐き、それをローの口元へと近づけた。半開きになった薄い唇に亀頭があたる。不規則な弱い呼吸があたり、男は喉を鳴らした。

「あぁ……今なら咥えさせれっかな」

あれほどこちらに殺気を向けていたトラファルガー・ローが、今やペニスを唇に当てられても、口を半開きにしたまま抵抗できずにそこにいる。このままその口の中に突っ込んで、この端正な顔に自分の欲望を好きなだけ叩きつけたい。男の汚い欲望を口の中に押し込まれて好き放題抜き差しされる姿を想像するだけで射精してしまいそうだ。

「やめとけよ。噛みちぎられても知らねェぞ、おれは」

「あーくっそ。挿れてェ。なぁ、もうヤッちまおうぜ?」

どうにも欲が抑えきれないビリビリの実の男をまたも止めるのはウネウネの実の男。

「まぁまだ待てよ。せっかくあのトラファルガー・ローを好きにできるんだぜ? 反応の薄い人形なんかやってもつまんねェだろうが」

「マジかよ……まだ我慢できんの? お前」

「せっかくの夢のひとときだぜ? 最大限楽しまねェとだろうが。焦らしたあとの快楽ってのも最高だぜ?」

「ハー……よくやるよ。まぁでも、一理あるっちゃあるもんなァ」

「なんだかんだいっても性癖一致するお前には感動するよ」

二人が好き放題言っている間にローの意識がゆるりと戻る。

目だけを上へ向ければ滲んだ視界に忌々しい二人の男が映る。ようやく自由になった腕をそっと動かす。指先は変わらず触手が巻き付いて自由に動かせない。それでも床について、上体を起こして少しでもあの男たちから離れようと体を動かす。

「……っ」

たったそれだけ。少し体を這わせただけで、体の奥がずくりと疼く。這おうと動かした太ももの動きが体の奥をこすって揺らし、その衝撃でひくんと震えた中がそのまま快楽を吸うようにきゅぅと締まる。その動きにすら感じてしまい、ひくひくと勝手に中が収縮し、ローの体が震える。

(くそ……なんてことしやがる……)

鋭敏になりすぎた体はどこまでも勝手に快楽を吸い取り、欲していく。あの能力を敏感な場所に受けた、その影響の大きさに、ぎりりと歯を食いしばりローは頭を振った。

「くっ…………は、ぁ……は、……んっ……ぅ……」

こんな床も満足に這えない様では、動くだけ無駄である。わかっていても、それでも、少しでも男たちから離れたい。その一心でローはもがく。

しかし、そうして床を這うローの左の太ももが、無情にもがしりと掴まれた。

「ぁ」

「そんなびくつきながらどこに行こうってんだよ」

にやけた笑いを言葉に滲ませながら、ビリビリの実の男はあまりにたやすくローの太ももを引きずりローが稼いだ僅かな距離をゼロにする。

「本番はこれからなんだぜー? 自分だけ気持ちよくなって逃げようなんて駄目じゃねェか」

ローのなけなしの抵抗も全て嘲笑うような醜悪な笑みを浮かべ、ビリビリの実の男は言った。

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