神様倒した後のお話
願いと奇跡 – 1
「でやぁっ!はっ!やぁっ!」 綺麗に晴れ上がった空の下、元気な少年の声が剣を振る音と共に聞こえてくる。 金髪の少年、カイルが剣を振る先にいるのは、彼の父親であるスタン。 数年前ならば片手で軽く受け流していた […]
願いと奇跡 – 2
ルーティとスタンが迷い無く歩いていくのは道無き道だった。 草木の生い茂っている山の麓は、入ることすら許されないかのようにその存在を主張していた。だが、少し入ってしまえば草は短く、木々はその体を自ら退け、自然と道を作ってい […]
願いと奇跡 – 3
ラグナ遺跡。そこは森の中に同化するほど緑に包み込まれた遺跡。 木の葉の合間から差す光は神秘的なものであり、鬱蒼とした森の暗さなど感じさせなかった。崩れた遺跡と蔓延る根により、進むのは苦労させられるのだが、カイルはそれらを […]
願いと奇跡 – 4
長い船旅、そして砂漠越えを経て3人はホープタウンへと辿りついた。 ホープタウンはあの旅の時のものと特に代わり映えは無くカイル達を出迎えた。 「相変わらず此処の人たちはこんなに暑いのに元気だね」 「えぇ……ほ […]
願いと奇跡 – 5
一番に思い浮かぶのは、やはり母の写真と、マリアンだった。 王都だった時のダリルシェイドはいつも輝いていたが、彼女と会う前は僕の目には今のダリルシェイドのように暗く映った。 彼女が、光をくれた。 そこから始ま […]